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生長の家 「今の教え」と「本流復活」を考える

1094うのはな:2011/09/26(月) 21:31:29 ID:iM0b0bt6
>1092 つづき

 私が娘時代に学校で教えられた有名な婦人の中に、税所敦子という人があった。
敦子は二十八歳で夫に死なれてから、姑に孝養をつくしているのが評判となって、
藩主の島津斉彬公に召し出され、若君の養育係に抜擢されたり、姫君が近衛家に
嫁せられた時は、付き添って近衛家に行き、姫に仕えていたが、その婦徳の高いことが
宮中に聞え、明治天皇の皇后の内侍に召され、七十六歳で死去された時、正五位を
贈られた。
 この税所敦子さんの姑は、とても気むずかしい邪慳な人であって、町の人々から
「鬼婆」と呼ばれていたが、敦子さんはよく仕えるので誉め者となっていたのであった。
 或る日この姑は敦子さんを呼びつけて、「お前は和歌が上手だから、私の下の句に上の句を
つけて貰いましょう」と差し出されたのを見ると、「鬼婆なりと人は言ふらん」
と書いてあった。敦子さんは上の句を書き入れた。
「仏にもまさる心と知らずして」それを読んだ姑は、敦子さんの優しい心に感動して、
邪慳の心が折れた。自分の非を悟った姑は、それからは優しい人に変った。
 世間の人がみな「鬼婆」と言っても、温かい心の嫁はその姑を「仏様」と認めていたのであった。
その嫁の温かいやさしい心を知った姑の驕慢な心は、太陽に照らされた朝露のごとく消えてしまった。

 今からずいぶん前だったが、本部の白鳩会の時、古川あき子さんが体験談を話された。
あき子さんは西宮から東京へ、六人の子供のある家へと嫁いで来られた。
生長の家の教えを身につけていたあき子さんは、六人の子の実相を拝みつづけられるうちに、
学校の成績が悪くて三百番だった息子の一人が五十番になって、すっかり劣等感が消え、
大学へ入学して勉強にはげむようになったし、娘さんは「お母さんに反抗していたが、
反抗心がなくなった」と告白されたが、あき子さんは、「私は娘が私に反抗しているなどとは
少しも知りませんでした」と話された。
私はその話を聞きながら、あき子さんは、子供たちの「実相」を拝んでばかり居られたので、
六人とも素晴らしい良い子にばかりに見え、成績不良児や反抗児などは認められなかったから、
凡てのことは認めた通りに存在に入るのであるから、良い子ばかりが現れてしまったのだと、感心した。
 教えを身に体して居られたから、世に言う冷たい継母根性ではなく、善意のみの母であったから、
善い体験談が話されるようになったのであった。
「四十華厳経」の中に、「牛、水を飲めば乳を成し、蛇、水を飲めば毒を成す・・」
という言葉がある。乳牛と毒蛇を例えにして、人々を訓して居られるのだと思う。
同じ泉の水を飲んでも、善意ある者は、美味で栄養のあるものを他に与えるが、
悪意ある者は相手を傷つけたり殺したりするようになる。
 インド人は絶対に牛を食べないと聞く。その食べない理由をたずねると、
「牛は自分たちに乳を与えて養ってくれる母のようなものである。これを
どうして食べられようか。牛は尊敬に値するものだ」と言うのであった。
インド人は牛乳を感謝して飲むが、牛肉は食べない。私は美しい話だと思った。
日本には、牛肉を食べないと栄養が不足だと思ったり、買えないとて貧しさを
嘆いたりする人があるが、牛は他の動物の肉を食べて、あのように丸々と肥えて
いるのではなく、草を食べて、栄養たっぷりの乳を作り、多くの人間を養ってくれるのである。
 インドが飢饉になったある年の写真を私は見た。食べるものが無くて、人間の多くは骨と皮に
痩せ衰えていた。子供たちの手足は細って棒のように肉が落ちていた。そんなになっても、
インド人は牛の肉から栄養をとろうとはしなかった。骨と皮になった人間たちの間に、これまた
痩せ衰えた牛が、あちこちに倒れ死んでいた。私はその写真を見ていると、涙ぐんで
来た。死ねば一緒にと、人間と牛とは運命を共にしている姿であった。
 牛だけに善意を感じて、毒蛇の方は憎むべきかというと、私は毒蛇も決して憎むべきではないと
思う。毒蛇も自衛方法の一つの手段として毒をもっているが、人間に悪意がなかったなら、決して
毒牙にかけるようなことはしないと信じている。
 新蔵の言葉のごとく、凡てのことに善意をもてば、観音様は必ず善いようにして下さると
いうことを信じたらよい。
 自分が善意をもてば、一万人の鼻をそいだ悪魔のような殿様も優しい人に変るし、
鬼婆と評判の姑も仏のような心に変ったのであった。
 天地一切のものは神の造り給うたものである。みんな善いものばかりである。
みんなで互いに愛し合うだけである。


おわり。

 『愛が魂に目覚める時』 実相を拝む 谷口輝子 先生著 抜粋


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