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新・生長の家大論争掲示板1
3017
:
名無しさん
:2012/09/09(日) 15:31:55
浦部法穂の憲法時評
http://www.jicl.jp/urabe/backnumber/20120906.html
人も住めない「島」のために戦争するとでも言うのか
浦部法穂・法学館憲法研究所顧問
2012年9月6日
韓国の李明博大統領が8月10日に「竹島」に上陸し、尖閣諸島では8月15日に香港の民間団体「保釣行動委員会」のメンバーら14人が上陸するという騒ぎが起きた。7月にはロシアのメドベージェフ首相が「北方領土」を訪問するなど、このところ日本の「領土問題」が、またぞろ騒がしくなってきた。韓国は、野田首相が李明博大統領に宛てた抗議の親書を送り返し、日本側はその親書を返しに来た韓国大使館員を外務省の敷地の中にさえ入れずに追い返すという、日韓双方ともに「子どものけんか」レベルの応酬をやりあっている。また、中国では、例によって「反日」の世論が沸騰し各地で「反日デモ」が展開されており、北京では丹羽駐中国大使の乗った日本大使館の車が襲撃され「日の丸」を奪われる、といった事件も発生した。そして、日本国内では、2年前の尖閣沖「中国漁船衝突事件」のときと同じく、中国・韓国への強硬対応を煽る言説が、政治家やマスコミから「これでもか」とばかりに発せられている。韓国ドラマ「朱蒙」などで日本でも有名な俳優のソン・イルグクが「独島(竹島)遠泳リレー」に参加したというので、日本のテレビ局はソン・イルグク主演のドラマの放送を取りやめた。尖閣にしろ「竹島」にしろ、あんな、人も住めない小さな「島」一つのことで、なんでここまで大人げない大騒ぎをするのか。「あほらしい」としか言いようがない。
前にも書いたが(2010年10月21日付『領土問題』)、領土をめぐる争いは、要するに、どちらも、それぞれ自分に都合のいい事実だけを取り出して「自分のものだ」と言い合っている、という性格のものである。逆に言えば、どちらの言い分にもそれなりの理由・根拠はあるということである。だから、尖閣諸島や「竹島」や「北方領土」は「わが国固有の領土である」という日本の主張が正しいとするなら、それぞれについて「いや、うちの固有の領土だ」とする中国、韓国、ロシアの主張もまた正しいということになる。2年前に書いたことの繰り返しになるが、そもそも、国の領土なるものは、歴史的に見るかぎり、多かれ少なかれ「誰かから奪った」という要素のつきまとったものであるから、「固有の領土」などという言い方自体が胡散臭いものなのである。だから、「固有の領土だ」という言い合いを続けているかぎり、「泥仕合」になるだけで問題は絶対に解決しない。国際司法裁判所に提訴するというのは一つの賢明な方策であるが、これも実効支配している側が「わが国固有の領土であり、これに関して領土問題はそもそも存在しない」という原則論から提訴に応じなければ、国際司法裁判所の裁判は始まらない。「竹島」について、日本政府は国際司法裁判所に提訴することとしたが、韓国政府は上記原則論に立って応訴を拒否した。だが、日本もまた、尖閣諸島について、とくに民主党政権になってから、「わが国固有の領土であり、領土問題は存在しない」という原則論を振りかざし、石原都知事が東京都による尖閣購入をぶち上げ、野田政権は国有化方針を決めるなど、「竹島」についての韓国政府と同じようなことをやっている。むしろ、尖閣諸島問題について、実効支配している日本の側から国際司法裁判所へ提訴すれば、中国の側にはこれに応じないという大義名分は立たず(応じなければ、自らの領有権の主張を否定するに等しい)、韓国に対しても提訴に応じるべきという圧力をかけられるのではないか。原則論を振りかざすだけで、「毅然とした対応」だの「強硬措置」だのということしか言えないのでは、外交放棄である。
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