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【資料】神秘主義の系譜【探索】
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キーワード:弥勒
:2013/07/20(土) 22:42:35
朝熊山
あさまやま
朝熊ヶ岳ともいう。三重県伊勢市の東端にあり,志摩半島の最高峰。標高553m。山頂からは伊勢湾,志摩の海食台地,神宮林,太平洋の眺めがよく,伊勢志摩国立公園の一部をなす。山上を経て伊勢市と鳥羽市とを結ぶ伊勢志摩スカイラインが1964年開通した。山頂に近く臨済宗の名刹(めいさつ)金剛証寺があり,近世には伊勢参宮にあたって朝熊参りをすることが多く,にぎわった。寺の周辺には経塚群(約40基)があり,出土品(国宝)は金剛証寺宝物館に保存されている。 藤本 利治
[信仰] 朝熊山の信仰は,複雑な内容をもっており,山岳信仰全体のなかでも独自の地位を占めている。たとえば多数の経塚群が発見され,阿弥陀浄土・弥勒浄土の信仰が顕著であったこと,〈朝熊かけねば片参り〉と言われるように伊勢参宮習俗と結びつき,伊勢神宮の山宮的性格を有していること,〈あさまやま〉と呼ばれていることでも明らかなように富士浅間信仰との結びつきがみられることなどをはじめ,農耕神・狩猟神としての性格ももっている。こうした信仰内容を含めて,朝熊山の信仰は〈嶽参り〉と呼ぶ登拝習俗が代表しているといえよう。嶽参りは初参りや開山忌などに参るもの,埋葬の翌日から一周忌の間に参るもの,盆に参るものとに大別できる。このうち初参り(1月13日)は十三参りとも呼ばれて成人儀礼と結びつき,金剛証寺の虚空蔵信仰に由来するが,死者の埋葬の翌日から一周忌までの間や盆の期間に行う嶽参りは死者供養・先祖供養の儀礼で,死後の霊魂が山中にとどまるとする山中他界観をよくあらわしている。 宮本 袈裟雄
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