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【資料】神秘主義の系譜【探索】

25名無しさん:2013/07/20(土) 04:45:35
メシア
Messiah

ヘブライ語マーシャハ(油を注ぐ)という動詞の名詞形マーシーァハ(油注がれた者)に由来する語。救世主。ギリシア語ではクリストス(キリスト)と訳された。聖書的伝統によれば,神の介入によって変貌した歴史内世界に立てられる神の支配の代行者をいう。そして,このメシアによる終末的救済によってもたらされる新しい世界秩序の到来を待望する世界観をメシアニズムという。メシア思想は,古代オリエントの宇宙論的な世界変貌の思想を背景にもつが,とくに古代イスラエルの預言者の終末論的歴史観に基づいて成立したと説明される。注油は,本来,エジプトのファラオ(王)が官吏,封臣を職に任じる際の慣習であるが,古代イスラエルでは,神ヤハウェがある人物(サウル,ダビデなど)を聖別し,王に任じるとの考えでなされ,油注がれた者=メシアといわれた。旧約聖書では後代,拡大されて,祭司や族長にも用いられた。油を注いで王とする制度が単なる一人の王の即位儀礼ではなく,ダビデ王家の統治を否定して,神の介入による新しい天的王者と理想的秩序の出現(例えば《イザヤ書》11:1〜9)を告知するように,現実の王支配を否定媒介して成立したのが,すぐれて強烈な歴史変革の意識をもつヘブライ預言者の独特の思想であった。その後,民族の危機,苦難に際するたびに,メシアを自認する者,その到来を預言する預言者が出現した。ヘレニズム期後期とローマ帝国の圧政下で,ユダヤの民衆の中の強いメシア出現の願望を背景に,ユダヤ教団,とくにその過激派の中からメシアを自称する者が現れて権力に抗したが,弾圧・粛清された。キリスト教は,あらゆる人間の矛盾,苦しみ,罪をみずから背負い,代償死を遂げた苦難の僕(《イザヤ書》52:13〜53:12参照)の中に現実世界と人間の究極の救済を見,十字架に刑死したイエスに真のメシア(キリスト)と真のメシアニズムの完成を見た。                   左近 淑

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