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【資料】神秘主義の系譜【探索】

206名無しさん:2013/07/23(火) 00:24:04
天照大神
あまてらすおおかみ

記紀神話に登場する太陽神的性格の女神。天照大御神(あまてらすおおみかみ),大日勘貴(おおひるめのむち),天照大日勘尊(あまてらすおおひるめのみこと)などともよばれる。皇室祖神として伊勢神宮にまつられている。記紀では,その誕生譚,素戔嗚尊(すさのおのみこと)との誓約(うけい)生み,天(あま)の岩屋戸,国譲り神話などの諸神話に登場する。

[〈皇祖神〉アマテラス]  《古事記》によればこの神は,伊邪那岐命(いざなきのみこと)(伊弉諾尊)がみそぎで左目を洗った際に成りいでたという。同時に右目からは月読命(つくよみのみこと)が生まれた。《日本書紀》には,〈光華(ひかり)明彩にして六合(くに)の内に照り徹れる〉とあり,日神(ひのかみ)ともよばれている。誕生譚では,日月がいわば天の目にたとえられているわけである。アマテラスは,天界高天原(たかまがはら)の統治を命じられ天に昇るが,弟神スサノオの乱暴を怒って天の岩屋戸にこもると世は暗闇となり,出てくると光があふれた。この話には宮廷儀礼鎮魂祭の投射がある。この祭りは冬至のころの太陽と天子の魂の賦活を重ねて行おうとしたものである。これらからすれば,アマテラスはあきらかに太陽神的であるが,たんなる自然神ではない。これを皇祖神に仕立て上げることが記紀神話にとって,もっとも肝心な点であった。

 天の岩屋戸ごもりに先立って,アマテラスとスサノオは互いの玉と剣を交換し呪的なやり方で誓約生みを行う。このときアマテラスの御統(みすまる)の玉から生まれた天忍穂耳尊(あめのおしほみみのみこと)の子瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が地上界葦原中国(あしはらのなかつくに)の統治者になったとされる。天孫降臨神話とその前段階にあたる国譲り神話が記紀神話のやまと言ってよい。国譲りの話は,わが子が葦原中国を統治すべしとの神言をアマテラスが下すところから始まる。次いで地上界の頭目大国主神(おおくにぬしのかみ)に国譲りを約束させ天孫を天降(あまくだ)すまで,あれこれと采配をふるうのもアマテラスである。こうした由縁をもって葦原中国はニニギさらにその子孫によって統治されることになったとしている。

天武・持統朝までの天皇や皇子が,記紀歌謡や《万葉集》でしばしば〈高照らす日の御子〉とうたわれるのはそのゆえである。このように展開する記紀神話は,古代国家成立の時点でまとめられた皇室の縁起譚である。天空高く輝く超絶的な太陽を明確に神格化し,祖神として独占すること,それと結びつけて天皇家の始祖の地上界統治の由縁を語ることによって,支配者的地位の神聖性・絶対性の証としようとしたのである。一般に,太陽崇拝は農耕社会に古くからある普遍的な信仰だと考えられがちだが,それはあたらない。たとえば現代なお農耕儀礼が重要な意味をもつ沖縄で,崇拝の対象となるのはもっぱら水の神,山の神である。太陽神は支配者の聖性を誇示するために王と重ね合わされ,独占的に崇拝されていた。太陽の明確な神格化は強力な政治権力の成立と不可分であったらしい。


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