[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
【資料】神秘主義の系譜【探索】
192
:
名無しさん
:2013/07/22(月) 23:15:50
>>191
[神と祭り] 古代の日本人は,人間の力を超えたものに対し,おそれ,かしこむ心を抱き,そうした心情をおこさせるものをカミと呼んだ。山,川,海などに畏怖を感じ,根源的で神聖・清浄なものを見た人々は,生い茂った樹木や巨大な岩なども神聖視した。さまざまな自然現象が神とされたことはいうまでもないが,日神の崇拝はあっても,天体の運行をつかさどるものへの関心は薄く,雨や風,芽生えや実りなどがそれぞれ神と考えられていた。狼や鳥,蛇などさまざまな動物も神聖視された。またあらゆるものは,人間と同様に意志や感情を持つものと考えられ,そうした魂の働きも神とされた。このような原始的な自然崇拝,アニミズム的なものは,神道の底流に存続して現代に至っている。神は人間の目には見えず,あらゆるものに宿っていると考えられたが,人間の住む場所から離れた山の上や,海のかなたに神々の世界があると考えられ,人間が死ぬと,肉体を離れた霊魂もそこへ行くと信じられていた。死者の霊魂は年月を重ねるうちに,生前の個性を失って祖霊と融合し,神々の中に加わる。したがって,神々の世界と人間の世とは,隔絶・絶縁されてはおらず,神々は定期的に,あるいは臨時に人間の住む場所を訪れ,ある期間ともに住むものと信じられていた。
神に対する観念を具体的にあらわしているのが祭りである。神々をおそれかしこむ人々は,生活の節目ごとに神々を迎えて供応し,神威に対する畏敬の念をあらわし,神々の加護に感謝した。祭りは,神々を迎えるための清浄な場所を整え,神々をまつる人々が身心を浄めることからはじまる。準備が整うと,聖なる時間である深夜に,あらかじめ用意された依代(よりしろ)・尸童(よりまし)に神を降して,神前に御饌(みけ)・神酒(みき)が供され,歌や舞が神をもてなすために行われる。人々は神に対する願いを祝詞(のりと)や歌などで伝え,神は託宣やさまざまな卜占によって神意を示す。その後,神々と人々とがともに酒を飲み,御饌を食べる直会(なおらい)によって,神と人とのつながりをたしかめて,神々が祭りの場を去ると,禁忌が解かれて祭りは終わる。祭りの多くは農耕儀礼と結びついており,年頭の豊作祈願,春の農耕開始,夏の病害虫駆除,秋の収穫感謝の四つの祭りが最も主要なものであった。《神梢令》《延喜式》の〈四時祭〉〈臨時祭〉の巻には,神梢官が行う祭りの詳細が記されている。人々は祭りによって生活にくぎりをつけたが,6月と12月の祁に,半年間の罪穢を祓い,災厄を除いて清浄を回復し,1月と7月の祖先の霊魂を迎えるさまざまな行事の中で新しい生活を開始した。仏教が伝えられて,7月の行事は仏教的な形をとって盆の行事になった。日本人の間には,1年を1月と7月の行事でくぎる習慣と,4月と10月の祭りで分ける習慣があり,二つが複雑に重なり合っている。
共同体の祭り以外に,人々は生活の中で竈(かまど)の神や井戸の神をはじめさまざまな神をまつったが,一般に水稲耕作は定住性と結束の強い共同体を生み出し,そこでまつられる神々は,共同体の祖先神であり,土地の守り神と考えられることが多かった。集団の信仰である神道は,個人の信仰としての性格が希薄であったから,個人の救済が求められるようになると,仏教との習合が進むことになった。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板