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【資料】神秘主義の系譜【探索】
164
:
名無しさん
:2013/07/22(月) 20:03:52
>>163
[上・中巻] まず上巻は,天地創成に始まり,伊邪那岐(いざなき)・伊邪那美(いざなみ)(伊弉諾尊・伊弉丑尊)2神による国生み神話,皇祖神にして日の神天照大神(あまてらすおおかみ)の誕生,日神の天の岩屋戸(あまのいわやど)がくれ,その弟須佐之男(すさのお)命(素戔嗚尊)の出雲での大蛇退治,スサノオの6世の孫大穴牟遅(おおなむち)(大己貴)の根の国訪問,オオナムチが大国主(おおくにぬし)神として再生し地上界の頭目として天孫に国譲りする国譲り神話,アマテラスの孫番能邇邇芸(ほのににぎ)命(瓊瓊杵尊)の天孫降臨神話,隼人(はやと)服属の由縁を語る海幸・山幸(うみさちやまさち)の話などからなる。中巻は,ニニギノミコトの4代目の孫神武天皇が大和に都を定め,続く各代が支配領域を広げ,英雄倭建(やまとたける)命(日本武尊)の活躍により東西の辺境の蛮族も平定されるという話などを収める。そして,15代天皇とされる応神が,母神功(じんぐう)皇后の胎内にありながら海の彼方の韓国(からくに)まで服属させ国家統一は成ったという話で終わる。
[即位儀礼―大嘗祭等の投射] これらの物語には,構造を枠づける鋳型があった。即位儀礼大嘗(だいじよう)祭あるいはそれと一連の鎮魂祭,八十島(やそしま)祭などである。天の岩屋戸神話と天孫降臨神話が緊密に連関しているのも,鎮魂祭と大嘗祭という一連の儀礼がそれぞれに投射しているからである。即位儀礼は,成年式を君主誕生の儀礼として昇華させたものである。若者が儀礼的な死と復活の過程を経ておとなとして再誕する成年式をなぞって,新君主の誕生もまた死と再生のドラマとして演じられた。ニニギが子宮を模した真床覆衾(まどこおおうのふすま)にくるまれて降臨すること,神武が未開の熊野でほとんど死にかけたところをアマテラスの助けでよみがえること,応神が母の胎内にあったまま征韓することなど,あきらかに死と再生のモチーフをうかがうことができる。儀礼の投射がとりわけ顕著なのは,これらを主人公とする話である。自然のリズムと結びついている儀礼は無時間的であるから,新君主はつねに始源の初代君主として誕生した。即位儀礼を通じて生まれる歴代君主を説話的に典型化したのが,これらの物語の主人公にほかならない。ニニギは神代の,神武は人代の,そして応神は文明時代のそれぞれの初代君主であった。《日本書紀》と異なり,《古事記》に日付のないのも,このことと関連する。
[下巻] 下巻になると,天皇の代替りごとの反乱の話と,歌物語風の天皇の恋愛譚が主となり,儀礼を鋳型とした物語構造は痕跡的となる。さらに25代とされる武烈天皇以下は系譜的記事のみとなっている。大八洲国の支配者としての天皇家の由来は,応神まででほぼ尽くしえたからであろう。また武烈に次ぐ継体朝,《古事記》がそこで終わる推古朝(592‐628)は,大陸文化の流入,官僚国家形成などの歴史における画期にあたっていた。そして,それは神話的精神が衰滅していく過程でもあった。《古事記》の叙述の変化はこのような歴史に照応する。また《古事記》には,歌謡を配した物語も多く,とくに中・下巻にそれが目だつ。歌謡が物語の文学的興趣を高めているといってよい。歌謡の多くは宮廷雅楽寮で伝承保存されてきたもので,天皇家の縁起譚をつくる際に物語にとりこまれたのである(記紀歌謡)。
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