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ダークファンタジー 代理投稿依頼スレ
175
:
オリン
◆NIX5bttrtc
:2010/11/30(火) 19:59:49
申し訳ありませんが、代理お願いします
ただの帝都の背景です。イメージとしてみていただければ幸いです
*
──帝都内のある一角にて
人と魔物が犇き合う地獄。最早帝都の姿は其処には無く、只々殺戮が繰り返される世界しか無かった
空には闇が広がり、陽の光は届かない。魔が無数に、本能のままに人を喰らい続けていた
無力な人間は抗う事叶わず、生命を刈り取られる。咀嚼音と悲鳴だけが、辺りに響いていた
しかし、絶望に染まった中、希望を捨てない人間もまた、居た
武器を手に、魔に抵抗する者達。彼らは団結し、連携し、確実に魔を屠っていた
傭兵である彼らは、終わりの見えない戦いに身を投じていた
だがそれでも、傍から見れば無意味な抵抗。時間稼ぎにもならない絶望的な戦だった
傭兵仲間の一人。巨躯の男が魔力を込めた手甲で、眼前の魔物を打ち砕く。しかし、同時に魔物の腕が腹部を貫通していた
吐血し、魔物と共に崩れ落ちる男。一人、また一人と此方の戦力は確実に減っていた
どれほどの刻が経ったのだろうか。一瞬が、途方も無く長く感じる
切迫した緊張の中、一人の傭兵が心の中で呟いた。いつまで続くのだろうか、と
幾千もの魔を切り倒した武器は血に染まり、贓物の異臭が付着していた
「……クソッ!何処から湧いてきやがる。いい加減、キリがねぇぞ……。」
黒の短髪を逆立てた体格の良い傭兵が、吐き捨てるように言った
台詞とは裏腹に、魔物へと向けた双眸からは闘志の光が宿っている
「……全くだ。しかも、結界術式のせいで帝都からは出られないと来た。
騎士連中も、住民の避難と魔物の応戦で手が足りていない。
僕ら傭兵は、自分達だけで何とかするしかない。……救援を当てには出来ないな。」
金髪の優男然とした傭兵が、それに答えた
返した言葉は冷徹な現状。この状況下で、在りもしない希望を言っても無駄だ
ならば、僅かでも抗える道を模索するのが懸命である。絶望的な現実を見据えた上で
「死ぬための戦、か。解ってはいたがな。……どうせなら、一匹でも多く道連れにしてやる。
そして見せ付けてやる。俺たちの命を奪おうが、自由までは奪えねぇってな……!!」
そう言い放った黒の短髪を逆立てた傭兵は、身の丈を越す両手剣を力強く握り締めた
眼前に迫る魔物の腕を鉄塊で受け止め、押し返す。態勢を崩した魔物の隙に合わせるように、両手剣を振り下ろした
使い手の腕力と大剣の重量によって、拉げる魔物。歪に胴体を縦真っ二つに裂かれた肉塊は、音を立てて崩れ落ちた
恐怖を持たない魔物は怯む事無く、大剣使いの傭兵へと猛然と迫る
涎が滴る鋭利な牙が、大木のような腕から伸びる爪が、眼前にいる彼を捉えた
それらが身体へと触れる寸前──もう一人の傭兵、金髪の男のサーベルが魔物の頭部を貫いていた
一瞬の間を置き、貫通した穴から血が滝のように流れる。小刻みに痙攣しながら、魔物は地に平伏した
「……まだ、行けるか?」
肩で息をする金髪の男が呼吸を整えながら、短髪の男へと問いかけた
「……。」
返答が無い。何処に魔物が潜んでいるのか解らない状況で、視線を外すのは自殺行為に等しい
一瞬の間が生命に関わる。ましてや、周囲は建物や瓦礫が散乱している。隠れるのには打って付けだ
しかし、金髪の男の脳裏に不安が過ぎる。常に最悪の状況を想定して行動している彼は、確かめずにはいられなかった
背を預けた短髪の男へと視線を向けると、眼は充血し、身体中の経脈が浮き立っていた
予感は当たっていた。すでに、この男は魔に蝕まれていたのだ
176
:
オリン
◆NIX5bttrtc
:2010/11/30(火) 20:00:37
帝都の背景その2です
*
気が付いたとき、全てが遅かった。魔と化した男は片手で鉄塊を振り上げていた
間に合わない。自身の回避動作に移る速度と、眼前に迫る鉄塊の距離では
死を覚悟した金髪の傭兵は、ゆっくりと眼を閉じた。だが、その刃は彼に届くことは無かった
空を切る音と共に巨大な"何か"が、自身の真上を通り過ぎた
眼を開けると、魔に侵食された嘗ての仲間は下半身のみを残し、その場に佇んでいた
そして、背後から重々しい金属音が帝都の石畳を叩く音が聞こえてきた
振り返ると、胴鎧に外套を羽織った巨躯の初老の男が立っていた
肩に担いだ剣は男の倍以上はあろうかというほどの、神殿の柱の如き巨大な剣
「……貴方は、"剛剣のグラン"……?」
そう問いかけながら、金髪の傭兵は初老の男を見上げた
その男は、帝都ハンターズギルドの幹部。グランディール=F=ゼイラムだった
彼は視線を此方に向けると、肩を軽く叩いた
「今はまだ、悲しみに浸る時じゃねぇ……。仲間の弔いは、全てを清算してからだ。」
自身の前に立ち塞がるように、仁王立ちするグラン。彼がいれば、まだ先を生きる事が出来る
それが例え無駄だとしても、己の全てを賭けて生に縋りつくことは、決して無意味ではない
人間の意地。自由への抗い。亡き"戦友(とも)"のために。まだ、膝を突くときではない
「……。」
下半身だけの肉塊となった、仲間だった男へ視線を向ける金髪の傭兵
「……まだ、行けるな?──来るぞ。」
グランの言葉に、金髪の傭兵は小さく頷いた
今はただ、一体でも多く魔物を葬れれば良い。それが、今の自分に出来る最良の選択だから
圧倒的な数と力の前に彼らは、人間は、抗い続ける。希望が絶望を打ち砕く、その刻まで──
177
:
名無しになりきれ
:2010/11/30(火) 21:52:05
行ってくる
178
:
名無しになりきれ
:2010/11/30(火) 21:54:52
完了
179
:
オリン
◆NIX5bttrtc
:2010/11/30(火) 22:00:13
>>177-178
助かりました、ありがとうございます
180
:
アイン
◆mSiyXEjAgk
:2011/01/08(土) 21:52:36
とりあえず先日投下した自分のレス、こちらにおいておきます
レクスト達が気概と決意を示し合わせた直後、足下で微かな物音がした。
鞄が小さく揺れている。気絶していたアインを収納した鞄だ。
鞄は何度か揺れると、独りでに口を開いた。
「話は粗方聞かせてもらったぞ。……おい何を見ている。さっさと手を貸せ」
弾みで横倒しになった鞄から、アインが情けない動作で這い出てくる。
足下から上から目線の言葉を放って、彼は手助けを促した。
何とか鞄から脱出を果たして立ち上がると、彼の視線はセシリアに預けられた少女へと向けられる。
「……そいつが『門』か。何とか希望が見えてきたじゃないか」
だが、とアインは言葉を続ける。
「所詮はまだ希望だ。掴み取って現実にする為には、希望の眩しさに目が眩まないようにしないとな。
……『門』を助け出せた今、次の課題はあのルシフェルを相手にどうやってそのマーカーを命中させるかだ。
三つしかないマーカーを、誰が持つ?一人に全て託すのか、一つずつ分けるのか。それに……」
帝都の広場を一瞬で焦土にした火力や魔族特有の膂力を始めとして、ルシフェルは絶大な力を誇っている。
それらの中でも特に脅威であるのが、議会の人間から聞き出した――
「時を止める。嘘か本当か、奴はそんな能力さえ持っているらしい。
もし本当なら、マーカーを当てる当てないどころじゃない。嬲り殺しにされる」
静かに、断言した。
「……勿論、手を打ってない訳じゃない。エクステリアに頼むつもりだったが、こいつ以上の適任者がいてな。
ミカエラ・マルブランケが今、時間停止を相殺する結界を天帝城周囲に張っている。
とは言えすぐ終わる作業じゃない。暫く待つ事になるかもしれんな」
アインは知らない。
マダム・ヴェロニカもまた、時間停止に対する対策を講じていた事を。
だからこそ彼はこうして、長口上を連ねていた。
「あぁ、それとエクステリア。ほれ、『神戒円環』の術式陣だ。鞄の中にいる間、ちょっと手を加えておいた。
その通りに術式を走らせても機能するが、気が向いたら読み込んでおけ。僕は所詮、術式を紙の上でしか理解出来ないからな」
丸めた羊皮紙が、セシリアの胸元辺りに放り投げられた。
「それともう一つ……」
言いながら、アインは白衣のポケットを漁る。
取り出されたのは赤色をした薄い膜――赤眼だ。
「これは装着者に魔族化を強いる。魔族の血を増幅してな。……と言う事はだ。
魔族化しない程度に留めれば、これは容易く力を与えてくれる訳だ。
だが副作用は未知数だし、何より抵抗もあるだろう。これを使うか使わないかは、自分で決めろ」
【遅くなってすいませんでした!!】
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