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8検証会議:2009/01/16(金) 23:41:37
第4 当裁判所の判断

1 本件写真の著作物性とその著作者(争点1)

(1) 証拠(甲1,7,8)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。

ア 本件写真は,縦長のカラー写真で,ほぼ中央に身体を左斜め前に向け,顔のみを正面に向けた姿勢で,スーツの上に,黒色及び紫色の地に金色の刺繍等をあしらったローブをまとい,黒色に金色の縁取り等が施された式帽をかぶって直立しているCの全身を撮影したものであり,その背景には壁と床,及び,壁に掛けられたゴブラン織りの絵が配されている(甲1)。

イ 本件写真を撮影したBは,昭和43年4月,原告に就職し,原告の中の,機関誌その他出版物の出版・販売を行う部門である聖教新聞社に配属され,その後,昭和50年6月の原告の機構改編により編集総局写真局写真部の配属となった。Bの職務は,昭和46年から今日まで,Cが出席する行事や会合の模様,その際のCの表情等の写真撮影であった。

ウ Cは,平成元年11月に行われた創価大学等の卒業生の集まりである「創価教育同窓の集い」において,創価大学の卒業生から,創価大学創立20周年を記念してローブを贈呈される予定であった。そこで,Bは,平成元年11月4日,職務の一環として,当該ローブを着用したCの姿を撮影することにした。
Bは,撮影場所について,背景には何らかの装飾品があった方が人物が引き立つこと,撮影機材の関係である程度広さが必要であること等の理由から,絵画や花瓶がある創価女子短期大学内応接室で撮影することとした。また,Bは,背景について,上記ローブが英国王室ご用達のエーデ・アンド・レーベンスクロフト社製であったことから,ゴブラン織
りの絵を背景にすると調和が取れるのではないかと考え,当該絵を背景として本件写真を撮影することにした。Bは,照明について,移動用のライティング・アンブレラセットというストロボを用意した上で,Cの立ち位置を決め,人物の影が濃くなりすぎないように,また,逆に影を消しすぎて薄っぺらな仕上がりにならないように,ストロボを置く角度,高さ,光量を考慮して,露光計で背景の壁などの露光を計り,また,事前にテスト用ポラロイドフィルムで撮影を繰り返し,シャッター・絞りを決めた。Bは,以上のような事前準備によって,Cの表情,衣服,ローブの生地と錦糸の模様の質感を豊かにし,自然で柔らかい写真に仕上がるよう工夫した。さらに,Bは,Cのポーズについて,ローブの腕の部分の刺繍がよく写るよう半身のポーズとし,顔の表情と向きについて,唇を閉じた厳粛な表情で,正面向きとし,式帽の全体がよく写るようにした。Bは,百数十カットの写真を撮影し,その中から選ばれた1枚が本件写真である。

エ 原告は,Cの平和行動や創価学会員とのふれ合いの場面の写真を掲載する特集「創立60周年記念企画虹かける日々」(全41回)の25回目の企画として,本件写真を機関誌「聖教グラフ」1990年7月11日号に掲載し,原告の一部門である聖教新聞社の著作の名義の下に,本件写真を公表した。

(2) 上記認定事実によれば,Bは,本件写真の撮影に当たり,背景,構図,照明,被写体であるCの表情等に工夫を加えて撮影していることが認められるから,本件写真にはBの個性が表現されている。したがって,本件写真は,Bの思想又は感情を創作的に表現したものということができ,著作物性を有する。
また,上記認定事実及び前記前提となる事実によれば,本件写真は,Bが原告の発意に基づき,職務上作成した上,原告の名義で公表したものといえるから,著作権法15条1項の職務著作の要件を満たし,その著作者は原告と認められる。


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