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本のブログ(2013年から新規)

1korou:2012/12/31(月) 18:30:01
前の「本」スレッドが
書き込み数1000に近づいて、書き込み不可になる見込みなので
2013年から新規スレッドとします。
(前スレッドの検索が直接使えないのは痛いですが仕方ない)

729korou:2024/03/18(月) 12:18:22
お股ニキ「セイバーメトリクスの落とし穴」(光文社新書)を読了。

ダルビッシュ投手とのやりとりで有名になった著者だが
基本的に野球シロウトとしての立場を踏まえつつ
最新の野球理論についてどう考えたらいいのか、ひいては
最終的に野球の面白さとはどういうところにあるのかについて
いろいろな観点から語っている本である。
副題に「マネー・ボールを超える野球論」とあるが
出版社などの担当者たちが
いかに野球のことに無知であるかが
この副題のつけかたに示されている。
そして、その副題を了承してしまったところに
この著者の”シロウトとしての遠慮”が見えて面白い。
マネー・ボールはセイバーメトリクスと何の関係もない。

記述は多岐にわたっていて
そのすべてを理解するには
かなりの”野球愛”を必要とする。
そして、分析面では鋭いものの
著書全体としてはまとめ方が上手でなく
結局何が言いたいのかということにもなるのだが
この種の本では、そこは目をつむって
分析の面白さを味わうべきだろう。
特に変化球の分析に関しては
他に類のない見事なもので
ハッキリ言って全部理解することは難しいのだが
一読の価値はあると思った。
もう少し分かりやすいものが出ればベストなのだが
著者の次回作を待ちたいところである。

730korou:2024/03/26(火) 11:32:04
猪俣勝人・田山力哉「世界映画作家全史(上)」(社会思想社・教養文庫)を読了。

トイレ本として読了。
読む前から面白い本として分かっていたし
実際、タメになった本だったのだが
それにしても、今更ながら知らない人物も多くて
映画史全体を把握することの困難さを
改めて思い知った次第。
特に、ハリウッド以外の地域の映画人については
代表的な数人しか知らないわけで
この本に載っている人物にしても
この共著者たちが選んだ範囲内ということでしかないので
すべてが網羅されていることではないわけだ。

そんななかで
かなり古い映画について
猪俣氏が実際に観たときの感想、世評などを
具体的に書かれているのは貴重は記述だと思う。
なかなか、昭和初期の頃の映画をめぐるエピソードなど
ここまで細かく書ける人は
この本の出版時でもそう多くは居なかったわけで
まして2024年の今、それを知ることができることそのものが
奇跡のようなものだ。

というわけで貴重な読書だった。
次は下巻。

731korou:2024/04/02(火) 11:56:52
吉田光男(編著)ほか「韓国朝鮮の歴史」(放送大学教育振興会)を読了。

放送大学の講義を随時聴いている関係で
一度通史を読んでおきたいと思い
何でもいいから読みやすそうなものをと県立図書館で借りた本が
たまたま放送大学のテキストだった(借りる前には気付かなかった)という
ウソのような話。
そして、ゆっくりゆっくり読んでいって
貸出延長でさらに2週間かけて読もうと思った矢先
次の人の予約が入ってしまい延長ができなくなったので
慌てて昨日、今日で一気読みしたという経緯。
まあ、それでも落ち着いて読めたのでよしとするか。

期待通りの通史の内容、レベルで
非常に満足できる読書ととなった。
後はこのイメージに具体的な事項を追加していくことになる。
韓国朝鮮の歴史は思ったよりも複雑で
こうして通史を知ることは
すべての日本人に必要ではないかと感じた。
誤ったイメージで語られることが多すぎるので
自分としてももっと知識を増やしていく必要があるだろう。
放送大学のテキストというのは
その意味で(基礎知識の網羅。知識を身に付けるための最初のステップ)
重要な意味合いをもつと
今回の読書で認識させられた。

732korou:2024/04/10(水) 14:38:35
生明俊雄「二〇世紀日本レコード産業史」(勁草書房)を読了。

いわゆるコロンビア、ビクターなどのレコード会社について
二〇世紀における企業としての隆盛史を記した本である。
この本のあとがきで著者が書いているとおり
この種の本はほとんど書かれておらず
その意味でこの本の存在は貴重ですらある。
ただし、文章は生硬で晦渋で読みにくく
誤字脱字、単純な勘違いなどが頻出する
言ってみれば、編集者は何をしていたのかと
嘆きたくなるような本でもある。
読みにくいけど、初めて詳しく知る事実も沢山知ることができる
という類の本になる。
(それにしても、これで東京芸術大の博士論文の草稿かと思うと唖然。
 要するに、誰もこの本の中身をチェックできないということか。
 それで博士論文として幅を利かせるのはどうかと思うが・・・)

今回の読書で得た知識は膨大なものになる。
音楽雑談スレを新設した上で、いくつかそのスレでまとめて記しているが
それでもごく一部に過ぎない。
まあしつこく読み通せば、編集の不備はなんとか解決できるので
全体としては良書と言えるかもしれない。
誤字脱字、勘違いなどは、著者に全部、責があるわけでもないので。

733korou:2024/04/22(月) 18:36:45
ジョン・カルショー<山崎浩太郎訳>「レコードはまっすぐに」(学研)を読了。

実に面白い本だった。
もともとの文章がイギリス人独特のひねくれたユーモアに満ちていて
さらに訳文もその文章の特徴を十分に生かした巧みな文章になっていたので
翻訳本を読んでいるある種辛い日本語体験など
まったく感じることなく読み進めることができた。
アマゾンの評だと、訳文の間違いなどが厳しく指摘されているが
確かにそういう誤りが頻出している上に訳文も酷ければ
その指摘はそうだと思うのだけれども
これだけ面白く訳されているのだから
細かい間違いは、それはそれでグッと腹に収めておくのが
読書人の良識というものだろう。
誰かと厳密な議論をするわけでもあるまいし。

この本でもし残念なところがあるとすれば
カルショーが自身の仕事ぶりについて
あまりに謙虚で、自慢すらしない書きっぷりなので
客観的にみてカルショーの評価はどうなのかが
さっぱり分からないことだろう。
幸いにも、カルショーを高く評価している本を先に読んでいたので
「指環」録音の偉業なども知った上で読むことができたのだが。

それにしても生々しい(笑)
ルービンシュタインのエピソードなど、本当なのだろうけど
ちょっと可哀想(爆)
この本のおかげで、(今後も多分聴くことは少ないだろうけど)
オペラなどで活躍する名歌手の人たちについて
親近感が増したのは間違いない事実。


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