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本のブログ(2013年から新規)

608korou:2021/01/31(日) 14:36:33
ピーター・ヘイワース「クレンペラーとの対話」(白水社)を読了。

音楽鑑賞を続けていると
どうしてもクレンペラーという人の巨大さを意識せざるを得ないことが
たびたび起こってくる。
いつかこの人の生の言葉を知らなければという思いが深まってきて
今回、県立図書館の書庫から引っ張り出してきて借りて読んでみた。
残念ながら、その生の言葉からは、クレンペラー自身が経験した時代である
西洋音楽としては古き良き時代ともいえる
20世紀最初の頃の時代の雰囲気だけが伝わってきて
彼自身の独特の叡智に満ちた言葉で、具体的に詳しく語る部分はなかった。
他人への批評、特に自分より年少の人たちへの言及もごく僅かだった。
いくらか記憶に残っているのは
「前衛音楽を紹介しようとかそういう意図は全くない。クロールでは、よいものを創ろうとしただけだ」
「今の指揮者(1960年代後半)たちは、踏むべき段階があるのを知らないか、もしくは忘れているかのようだ」
「十二音音楽が特殊だというのは偏見だ。古典派音楽も十二音使って書かれている。同じ音楽なのだ」
という言葉。
だが、その言葉は言い足りないことだらけだろう。
興味深いインタビュー本なのだが
クレンペラーの創造したその音楽の深遠さを説明するパンフレットにはなり得ていない。
インタビュアーの丁寧な進行が感じられて、悪くはない本だけれども。


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