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本のブログ(2013年から新規)
30
:
korou
:2013/04/21(日) 10:26:16
平田オリザ「演劇のことば」(岩波書店)を読了。
読む予定になかった本だが、偶然手に取ったら面白くて
そのまま最後まで読み通してしまったという読書。
平田オリザという人は、妙に権力側に寄り添ったポーズが鼻につくので
今まで敬遠していたのだが
こうしてその文章に接してみると
付き合いようによっては面白く読めるかな、という印象を持った。
これは「演劇のことば」の本であると同時に
それを日本の明治以降の演劇史という文脈で考察していくというスタイルなので
日本近代演劇史の本としても読めるのである。
いや、むしろ、その方面の入門書として
これほどざっくりと整理できていて、かつ面白く読める読み物としての魅力も備えた著作は
そうないのではないかと思われるほどの出来である。
小山内薫、土方与志、岸田国士といった人たちの業績が
これほどわかりやすく書いてある本が他にあるのだろうか(この分野は読み漁っていないので不明だが)
そして、ちゃっかりと自分の家系についてのエピソードも繰り込んでいて
あとがきによれば計算ずくだそうだが、そのせいで記述が滑らかになっているのも心憎い。
隠れた良書、というところか。
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