したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

本のブログ(2013年から新規)

289korou:2016/10/03(月) 22:44:29
東野圭吾「私が彼を殺した」(講談社文庫)を読了。

加賀刑事モノを全部読んでいるつもりだったが
つい最近、これだけを読み逃していることを発見。
さっそく職権乱用で、いや当然必要な選書として購入。
最初は、視力減退によるのか活字が小さく見えて
読書を断念しようかと思った瞬間もあったが
どうしても断念し切れず、前半は裸眼で読み通し
後半は一気読みとなった。

で、読後感はといえば
満足感と、ネットでググったおかげの不満感が同時に残った。
1999年頃の作品なので
東野作品としては最も脂の乗り切った頃で
叙述の巧みさには目を見張るものがある。
いかにもミステリーという自信たっぷりな構成で
圧倒される想いだった。
なかなかこれだけの充実作にはお目にかかれないだろう。

とはいえ、たしかにネット住民が指摘する大きな瑕疵は否定できない。
これでは推理にならない、と言っても大げさでない。
なぜに連載時とノベルスとで犯人を変更したのかも不明だが
連載時に設定した犯人だと、もっと大きな瑕疵があったのだろうか?
そのへんはもやもやとした感じになるが
実際のところ、本来は致命的なミスであるそういう瑕疵さえ
この迫真の叙述力の前には
もはやどうでもいいと思えてくる。
さすがに東野圭吾のこの時期の作品は凄い、凄すぎると言わざるを得ないのである。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板