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丸廉法器研究班(先ずは錫杖伝)

1691:2005/08/17(水) 13:54:03
いつも長くなってしまうので、迷惑を掛けている気がしてなりません。
ついつい長くなります。すみません。
さて、この三鈷杵は半分以上が欠損していますね。
あらためて見ますと全く実用の武器だと認識しました。
武術としての用法が密教法具と共に伝わったのか、専門家の皆様方に教えて頂けることを
これからも楽しみにしておりますし、お陰で武具としての法具の情報が色々と集まって、
楽しい毎日であります。幾つになっても勉強は大切、分からないことは赤子となって問い、
教えを請うことが納得の近道ですね。

三鈷杵については、「蘇悉地経(そしつじきょう)」に「護摩、念誦の時に三鈷杵を
左手にとればよく諸事を成就し、仏敵である夜叉の毘那夜迦(びなやか−のちに仏陀に
よって聖天となった)にも襲われず。」とあります。
金剛杵は、独鈷杵、三鈷杵、五鈷杵、九鈷杵、九頭竜杵など様々な種類があり、
数字が大きいほど修法も高度になります。変わった形状のものも多数在ります。
修法によって置き方や用法が決まっていますから、秘伝・密儀を修行の段階を経て
修得した後に覚悟をもって用いないと失敗したときには自分の命が危なくなったり、
周囲の者にも降りかかったりしますので、相当な注意が必要です。
九鈷杵、九頭竜杵などは一般人の眼に触れることはまず無いでしょう。

入唐八家(にゅうとうはっけ:空海、恵運、常暁、円行、宗叡、最澄、円仁、円珍)は、
密教と共にそれぞれ異なった密教法具を持ち帰ったのですが、五鈷杵については、
金剛杵のなかでも最も重視され、数多く作られたため全員が持ち帰っています。
その他にも入唐八家以降に成立した宝珠杵や塔杵といったものもあります。
壇や結界の橛(けつ)とも関連は深いですが、インドなどの古来方式と日本の場合は
明らかに考え方が変化しています、土と牛糞を固めてつくるインド式の土壇を見ても、
どちらがどうなのかといった比較にはなりません。
武器であった金剛杵にも、精神文化としての大きな変化が作用したのでしょう。
金剛杵について簡単に言えば、一般的に金剛部の明王・天部などの修法には独鈷杵、
蓮華部の菩薩(観音・弥勒)修法には三鈷杵、仏部の大日如来・薬師如来の修法には
五鈷杵といったようになりましょう。あるいは、初心者には独鈷杵、ある程度修行を
積み伝法を受けた者(已灌頂者いかんじょうしゃ)は三鈷杵、阿闍梨は五鈷杵となりましょうか。
用法に見る限り、密教よりもより戦闘に近いのはやはり修験道でしょう、
加持や作法では思念の世界ではあるが、法弓・大錫杖・錫杖・金剛杖・独鈷杵・宝剣
を振るって実際に鬼や魔を切り伏せ、調伏します。
杖加持のように行者の杖は霊験あるため、合掌して蹲踞する信者があれば、杖を左右の
肩に当て、真言を唱えて加持を致します。
ただし、修験ではこういった法具自体は修行の道具にしか過ぎず、用いる行者を護念する
諸仏の加持力によるものです。そういう点でも、他の宗派と違う少林寺拳法と共通する
ところがあるのではないかとひとりで、納得しております。
武器状の古来の法具を持っておりませんので、なかなか研究もできません。
思い切って林に向かい、投げたところ羯磨と独鈷を谷に落としてしまいました。
これは少し高かったので、悔いが残るのは修行が足りない性でしょうか!


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