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スタッカート!
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ゴージャスアイリン
ジョジョで有名な荒木飛呂彦の初期の短編集。
全体的に絵のタッチが古く、今と比べてみると精緻じゃないが、シナリオ構成、世界観共に、この時点で素晴らしいところにある。
出色はデビュー作「武装ポーカー」
床屋にいて、髭剃りをしている時に襲われる。
なるほど、隙の生まれるシチュエーションだよな。でも、すごく意外なところの、盲点をつくよな。
風呂場とかそういうのは浮かぶけど、なかなか床屋は。
その出だしから始まって、ストーリーテリングが冴えわたる。
読み切りの良さとして、Aというキャラ、Bというキャラ、どちらとも
これぞメイン主人公のような偏りのない描写をそれぞれしていて、
このポーカーバトルにどちらが勝つのか、どちらのキャラに作者の思い入れがあるのか、
上手いこと読者に悟らせない。
作中のキャラはポーカーのカードの勝敗に神経を使うのだけど、
自分という読者もまたどちらのキャラが勝つのか、賭けをするような心理になってページを読み進める。
ここらへんの誘導と言うか、リーディングの導き方が上手い。
そして、あのオチが待っている。
あと表題作「ゴージャスアイリン」にはチャーミングな女性が描かれている。
ジョジョ6部の刑務所を舞台とした女主人公物は、お世辞にも女性を描くのに成功しているとは言い難い。よね?
エルメス兄貴―とか言っちゃったりして。
そこはむしろデビュー近くの若い時の彼の方が、ちゃんと可愛くフレッシュな女の子を表現できている。
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