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魔法先生 ネリま!
406
:
ネロンガ
:2011/04/01(金) 16:50:57
被災した方々に、心からの冥福と、復興への思いを祈ります。
何が起こったのか、さっぱりわからなかった。
ネギま世界の中でも1,2を争うのんびりキャラの木乃香さんが、僕たちの足元に向かって銃を撃った。
たったそれだけの事を理解するのに、10秒以上かかった。
刹那は動揺していたが、不意に左手で涙をぬぐいさった。
そして、ハン、と鼻を鳴らした。
刹那「・・・それで、私を撃つ気ですか?」
木乃香「!!」
刹那「貴方の考えが甘い理由をあげましょうか?
ひとつ、私には普通の拳銃の銃弾は当たらない。
ふたつ、貴女は素人だから、下手をすればネギに銃弾は当たる。
みっつ、私には貴女は抑止力にならない」
御託を聞いている暇はない。僕は地面に拳を叩きつけ、ゆっくりと起き上がった。
事態が事態でなければ「ギア・セカンド!」などとふざける余裕もあるだろうが、今はそんな事を言っている暇はない。
激痛の走る中、集中力を切らさないように僕は脳天から指先までに見えない糸を描いた。
その中を通し、魔力を流しこんでゆく。何度もやったことだ。だけど、今はそれが苦痛で仕方なかった。
ネギ「我は撃つ光レキの魔弾!」
僕は掌を突きつけ、刹那めがけ魔弾を打ち出した。
完全によそ見をしていたはずの刹那は、即座に振り向いて弾丸を斬り払う。
それを見逃さず、僕は地面を駆けた。
ダン!
反動で膝がイきそうになる。だが、減速したら死ぬ。板挟みになりながら、僕は刹那までの距離を詰めた。
刹那「無駄な事を!」
カウンター狙いに、超高速の太刀が振り下ろされる。むろん、それは予想済み!
ヒュン!
僕は己の血に濡れた手裏剣を掴み、投げつけた。刹那は「ぐっ」と小さく息を吐き、すんでの所で体をひねり回避した。
日本のプロ野球球団はコイツだけはバッターボックスに上げてはいけないな、などと思いつつ僕は下から突き上げるように拳を叩き込んだ。
胸のど真ん中、心臓より少し正中線よりに打ち込んだ拳から、鈍い感触がした。それと同時に、僕は踏み込んだ。
ドンッ!!
「ぐふぅっ」と顔に似合わない汚い声を上げ、刹那は後方に吹き飛んだ。自ら飛ぶことで、衝撃を減らしたようだ。
ズザザザ、通しから土煙をたなびかせて、刹那は体勢を立て直した。
刹那「・・・女性の胸を触った時には、まず謝罪するのが順当だと思うけど?」
ネギ「ほざけ」
ズイ、と杖を突きつけ僕は短く告げた。
ネギ「聞きたいことは山ほどあるが、まずこの質問に答えろ」
一旦息を小さく吹き、僕は声を上げた。
ネギ「ドラ・ザ・キッドは」
刹那「ぶっ壊しました」
一瞬、何を言っているのか分からなかった。
ネギ「・・・ああ、尻尾を引っ張ったってことか。物騒な言い方を・・・」
刹那「尻尾・・・?何のことですか?」
ネギ「あン?」
コイツは何を言っているのだろうか。今ここに彼女が立っているということは、キッドを戦闘不能にしたということではないのか。
不思議に思う僕に、刹那は冷淡に告げた。
刹那「ですから、胴体真っ二つにして、完全破壊したって言ってるんです」
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