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12
:
竜野 翔太
◆026KW/ll/c
:2013/03/09(土) 23:57:57 HOST:p4092-ipbfp3303osakakita.osaka.ocn.ne.jp
8
霊介はふと目が覚めた。
特に外部からの刺激があったわけでも、騒々しいわけでもなく目が覚めた。彼は床に転がっている自分の携帯電話を開き、時刻を確認する。表示された時刻は午後六時二十分。亜澄はまだ夕飯の支度は始めていないはずだ。ベッドに体重を預けるうちに眠ってしまったようで、彼は辺りを見回す。そこで、寝る前の光景と今の光景との違いを発見する。
――ゴスロリ少女がいない。
目の前のベッドは、布団がめくれているので起きたのは確かだ。だが、そこから彼女が何処へ行ったかは見当もつかない。
自然と体が動き出し、彼は玄関の方へと進む。見慣れた自分の靴と亜澄のローファー、そのほかにもう一つ、黒いパンプスを発見した。それは見慣れてはいないが、家に入れる際に霊介がゴスロリ少女から脱がせたものだ。それは記憶にある。まだ靴があるということは、外には出ていない。まだ室内だろう。
部屋を出たときに、隣の亜澄の部屋から彼女の笑い声がした。彼女の部屋に行っているのだろうか、と考えるがその可能性は低いと思う。亜澄は人見知りはあまりしないタイプだが、見知らぬ少女とこうも早く打ち解けるとは思わない。しかも亜澄の話し声がする割に、もう一人の話し声が聞こえない。亜澄の声の相手は恐らく受話器越しにいるのだろう。
霊介は一旦リビングに行き、お茶を飲みながら思考を安定させる。まだ探していないのは風呂場とトイレだが、正直そこは躊躇が生じる。風呂場に入っていたら、幸いにもシャワーを浴びている最中なら良いが、服を脱いでいる途中、もしくは入浴直後に遭遇したらとても危険だ。悲鳴を上げられ亜澄に感づかれ、その後妹にのしかかられ、連続パンチで最高ヒットと最高ダメージを決められるだろう。そこは何としても回避したい。トイレとしても同じ結果が予想できる。
彼はコップのお茶を飲み干して、それを台所に行くと、トイレの前まで行く。別に扉を開けて確かめる必要はない。電気のスイッチが入っているか確かめればいいのだ。扉の横にあるスイッチに目をやると、点けられてはいない。つまり中には誰も入っていないということだ。
霊介は風呂場の確認は諦めて、ついでに風呂場から誰かが出てくるまで、自分の部屋で待機することにした。
しかし、
部屋の扉を開けると、一糸纏わぬゴスロリ少女がそこに――彼女の特徴であるゴスロリ服を一切纏わぬ姿でそこにいた。
今まさに服を着ようとしている少女は、両手で自身のドレスを掴んでいる。シャワーから上がったばかりなのか、彼女の長い黒髪には水滴が残っており、白い肌の頬には赤みが差している。服の上からでも分かるくらい華奢ではあったが、服が無い状態ではそれがよく見てとれる。腕や足も細く、他の部分も未発達気味だ。幼さを身体中に顕著に現しながら、少女はこちらを見たまま硬直していた。
扉を開けたまま、こちらも硬直する霊介。開けた扉を閉めることも忘れ、そのまま固まってしまった。
霊介が何か言い訳を放つ前に、ゴスロリ少女がみるみる顔を赤くしていく。
何だか彼女の目尻に涙が浮かんでいるような気もする。何か言おうと霊介が言い訳を始めようとした直後、
「いやあああああっ!!」
少女の甲高い悲鳴が部屋のみならず、家の中に響き渡った。
その悲鳴を聞き逃すことなく、隣の部屋にいた亜澄が扉を開け、こちらの部屋に駆け寄ってきた。
「どうした、何事だ!?」
乗り込んできた亜澄は一目で状況を把握した。
目に飛び込んできた光景は、狼狽する我が兄に、服を持ったまま涙目で縮こまる幼い少女。めくれ上がった布団。亜澄は無言のまま頷いている。霊介にはわかる。我が妹がどういう解釈をしたのか、いや。間違った解釈をしているのが。
亜澄は口を開く。
「えーっと、状況を整理しました」
亜澄が敬語になっている。兄として霊介は、これが危険信号だと理解している。
彼女が敬語になった時は、怒っているかシリアスシーンの時だ。これは前者の方で考えるべきだ。
「私のおにーちゃんがすっごくオロオロして、おにーちゃんが連れて来た女の子が泣いている。そして、微妙にめくれている布団。おにーちゃんが眠っているその子に何をしたのか、なんとなく想像が出来ました」
「布団は関係ないだろ」
ツッコミを入れる霊介だが、亜澄は意にも介していない。
「つまりこういうことですね。眠っている少女におにーちゃんが手を出して、布団の中で彼女の貞操を奪った、と。その事実を知った少女は泣き崩れ、おにーちゃんが慌てている、と。なるほどなるほど」
「オイ、違う! お前はものすごい勘違いをしている!」
きらーん、と亜澄の目が光った気がした。
瞬間、亜澄は霊介に襲い掛かった。
「問答無用じゃ! 年下の女の子を苛めてそんなに楽しいかぁぁぁっ!?」
13
:
たっくん
:2013/03/10(日) 00:43:55 HOST:zaq31fa58ac.zaq.ne.jp
>>1
くだらないスレだ
あんたのスレはホントつまらない
くだらない
相変わらずですね〜
しかしそのくだらなさが
私をこの地へ呼び寄せたのです。
ではまた
14
:
たっくん
:2013/03/10(日) 00:44:36 HOST:zaq31fa58ac.zaq.ne.jp
貴方がつまらないアホな掲示板を立て続ける限り
私もここに存在し続けるのです。
15
:
竜野 翔太
◆026KW/ll/c
:2013/03/10(日) 13:46:36 HOST:p4092-ipbfp3303osakakita.osaka.ocn.ne.jp
結局霊介は亜澄に馬乗りになられて、顔面に脅威の六十九ヒットを叩き込まれた。
したたか顔を殴られた後に、リビングに戻り霊介は弁解のチャンスを得た。しかし、亜澄は腕を組みながら霊介を睨んでいる。霊介の隣に座っているゴスロリ少女(着ていた服は亜澄が洗濯しているため、今は亜澄のワンピースを身に着けている)も、ウサギのぬいぐるみを抱えながら、隣にいる霊介に怯えている。
正直、周りは敵だらけだ。
こんな完全アウェーな状況で弁解もクソもあるのだろうか、と霊介は考え込むが、このまま誤解され続けられるのも御免だ。
霊介は未だ痛みが残る右頬を押さえながら、口を開いた。
「まず最初に言っとくが、俺はこの娘に手を出したわけじゃない。そこからまず納得してくれ。つーか、お前もそれくらい分かるだろ。俺が寝ている女の子に手を挙げるような奴かどうかくらい」
霊介は目の前にいる亜澄にそう言う。
しかし、尚も亜澄はじとっとした瞳を霊介に浴びせている。彼女は兄の言葉を全く信じていないようだ。昼休みの彼女に帰ってきてほしいところだが、誤解が解ければいつもどおりの亜澄に戻るだろう、と霊介は信じ、必死に弁解を試みる。
亜澄はうんうん、と頷いて数秒黙り込む。
「……じゃあ何でその娘は泣いていたんですか? そして何で全裸だったんですか?」
彼女の敬語モードは解かれていない。
霊介は慎重に言葉を選びながら、口を開いた。
「全裸だったからって、何かしたことにならないだろ」
霊介は溜息をつきながらそう言った。
そして彼は説明を始める。
ベッドに彼女を寝かし、そのまま自分もうたた寝してしまったことを。目が覚めると彼女の姿が見当たらなかったことを。靴があるのでまだ家にいるだろう、と色々探し回ったことを。何処にもいないので、とりあえず一旦部屋に戻ったことを。そしたら例の場面に出くわし、今に至ることを。
亜澄はその言葉を静かに聞いていた。霊介の隣のゴスロリ少女も、霊介に対して徐々に警戒心を解いているようだった。
「……分かってくれたか? つまり、お前の解釈は間違いだらけなんだよ」
「……私の解釈が間違っていたのは分かったよ、ごめんなさい」
亜澄の口調が元に戻ったような気がした。亜澄は素直に頭を下げる。
霊介は思いが通じたことに喜び、心の中でガッツポーズを決める。
――が、
「でも、その娘の裸を見ちゃったことは、おにーちゃんの過失にならないのかなあ?」
亜澄が嫌な表情をした。
草食動物を見つけた時の肉食動物のようだ。目がきらんと光り、霊介をしっかりと見据えている。
その言葉に、霊介は思わずうろたえる。確かに、裸を見たことは確かだ。それは弁解のしようがない。
「……そ、それは俺も悪かったよ……。ごめんな」
霊介は隣のゴスロリ少女に謝る。
ゴスロリ少女は小さくこくり、と頷くと、霊介に顔を向けて言う。
「……大丈夫、私も勝手に部屋に入って着替えちゃってたし……。あなたには色々迷惑掛けちゃったから……」
少女は快く許してくれた。
霊介はほっと胸を撫で下ろすと、亜澄が勢いよく立ち上がる。霊介とゴスロリ少女は同じタイミングで肩をびくっと震わせる。
亜澄の瞳がきらきらと輝いている。
「よっしゃあ、おにーちゃんの変態さん疑惑も晴れたことだし、今日はその子をおもてなししてあげようじゃないか!」
霊介は溜息をつかざるを得なかった。彼女は家に友達が来ただけですぐにパーティーを開きたがる。
中学の頃、何度か霊介の家で勉強会をした時、家にやって来た涼花と明日香も相当に驚いていた。最終的に翌日のテストでは憶えたところを完全に忘れてしまっていたのだが。
こうなるともう誰も彼女を止められない。
亜澄の異様とまでいえる高いテンションに、ゴスロリ少女は大いに戸惑っていた。そんな少女に霊介は優しく語り掛ける。
「悪いな、うちの妹騒がしくて」
「ううん。とっても楽しそうだよ、妹さん」
「あ、そーだ! あなた名前はなんて言うの? 呼ぶとき困っちゃうからさ! 私は澤木亜澄! こっちはおにーちゃんの霊介!」
霊介は亜澄に紹介されると『よろしく』と短く言う。
ゴスロリ少女は、小さく二人の名前を復唱しながら、ウサギのぬいぐるみを抱きしめる。
それから、自分の名前を伝えようと小さな口を開いた。
「わたしは……凪(なぎ)。……人乃宮凪(ひとのみやなぎ)。それが、わたしの名前……」
16
:
竜野 翔太
◆026KW/ll/c
:2013/03/16(土) 13:54:38 HOST:p4092-ipbfp3303osakakita.osaka.ocn.ne.jp
――凪。
彼女の名前を聞いた時、霊介は正直に美しい名前だと思った。長い黒髪に大きな瞳、端整な顔立ちの少女にふさわしい名前だと思った。字が表すとおり、風も彼女を吹き晒そうとは思わないだろう。
霊介は無意識に凪を見つめていた。視線に気付いた凪が霊介に可愛い顔を向けてくる。不意に二人の視線が重なり、同時に顔を逸らす。
その間にも亜澄は自分の部屋に戻って財布を捜しに行っていた。そう分かったのは彼女の部屋がある方向から『あっれー? お財布さん、どこだー?』とか叫んでいるからだ。
彼女がドタバタしながら財布を手にリビングに戻ってくると、未だに座っていた霊介と凪に立つように促す。
「はいはい、ほら立った! そろそろセールやる時間帯だから、急がなきゃ売り切れちゃうよ!」
妹のそのテンションに、霊介と凪は椅子から立ち上がり、亜澄の後について家を出る。
三人が向かったのは、家から十分ほど歩いたところにある大きなデパートだ。
食料品だけじゃなく洗剤や日用品、さらには調理器具まであったりと、品揃えのいいお店である。澤木家、主に亜澄が利用するのだが、ほぼ毎日行っているため、デパートのおばちゃん店員からは顔を覚えられている。
亜澄は慣れた手つきで買い物カートの上に籠を載せ、カートを押していく。
「ねーねー、晩御飯何がいい? 私何でも作っちゃうよー!」
彼女の言葉は強ち間違ってはいない。
亜澄は家事歴が長いためか、大抵の料理は作れる。さすがにフレンチやイタリアンの店で出される芸術的な料理は不可能だが。
「別に何でもいいよ」
霊介が返すと、亜澄は頬を膨らませながら反抗してくる。
「むー、そういうのが一番困ったさんなんだよ。じゃあ凪ちゃんは? 何か希望ある?」
指名された凪は困ったような表情を浮かべて沈黙してしまう。
彼女も特に希望はないようだ。元々、食べさせてもらう身なので遠慮しているのかもしれない。
亜澄は困ったように腕を組んで考え込む。
自分が作れるもので、三人が食べられるものといえば……。
亜澄は閃いたような表情をしてから、カートを野菜の方へと走らせていった。彼女が見ているのは白菜である。ついでに近くにある大根やきのこにも目を通している。どうやらメニューは鍋に決まったらしい。そういえば蝶ちゃんも今日は鍋って言ってたなー、と思いながら霊介は食材とにらめっこしている亜澄を遠目から見ていた。
彼の傍らで楽しそうに動き回る亜澄を見ながら、くすっと凪が笑っていた。
「……なんだか、楽しそうだね……」
凪がそっと呟く。
今までこっちが話しかけなければ話さなそうな彼女から、口を開いた。
「まあな。アイツは昔から人が大好きだし」
「ううん、彼女じゃなくて――君だよ」
凪が霊介に視線を向ける。
はにかむような笑みを見せながら、凪は霊介を見つめている。その凪の表情に、霊介は思わずドキッとしてしまう。
「君――霊介でいいよね? 霊介は亜澄を見てると、とても楽しそうな顔をしてる。彼女と一緒にいるのが楽しいような、一番落ちついているような、そんな感じ。……上手く言えないけど、君には彼女が必要で、彼女には君が必要みたいな」
霊介は心の中で頷いていた。
確かに、今の自分には亜澄の存在が必要だ。彼女がいないと自分はきっと生活もままならないだろう。亜澄と一緒にいると楽しいし、一番落ち着くというのも事実だ。
霊介は凪の手を引く。その彼の行為に凪が僅かに驚いたようだった。
「行こうぜ。アイツ忙(せわ)しないから、追いかけないと見失っちまうぞ」
二人は先々と食材をカートに入れていく彼女を、駆け足気味で追いかけて行った。
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