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負ケ戌共 −マケイヌドモ−

23ムツ:2013/01/03(木) 16:49:01 HOST:softbank220024115211.bbtec.net

 負ケ戌共 −マケイヌドモ− 【二十】


 鋼獅郎たちが、村で騒ぎを起こしていた頃。
 影祓い屋の拠点がある亰で、不穏な動きがあった。
 亰の中で最も大きく最も美しいとされている城の中。
 何畳もの広さがあるその城の一室で、厳しい顔をした年配の男と愉快気に笑いながら向き合っている白髪の若い男。
 「………それでは、影祓い屋があの童(わっぱ)を手に取ったと?そう申すのか、虎狛(こはく)よぉ…」
 普通の床に比べて、一段ほど高さがある場所に座っている男が白髪の男に向かって険しく話す。
 「はいィ〜、殿上様ぁ〜。この僕の忠実なる駒が調べ上げた情報ですので、多分大丈夫ですよぉ〜〜!」
 袖の長い着物を横に揺らしながら男は返す。その気の軽さに、年配の男は内心イラッときているがそれを口にはしない。
 「虎狛。それを一体どう対処するつもりだ……。あの童(わっぱ)は只の小僧ではないのだろう……。そんな軽腰で…」
 「大丈夫ですってェ〜…!僕は運だけはいい男なので〜。拙くなることはないですよぉ〜?タブン〜…!」
 狐みたいに笑っている男を見つめる年配男の目は鋭い。
 「……儂とこの亰に何かあれば……。…その時は虎狛よ……己で腹を切ってもらうぞ……」
 強迫のようにそう言うと、白髪の少年は笑いながら「分かってますよぉ〜!」と返答したのだった。


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