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天界の王子-Heavens of Prince-
36
:
竜野 翔太
◆026KW/ll/c
:2013/02/18(月) 18:17:01 HOST:p4092-ipbfp3303osakakita.osaka.ocn.ne.jp
カテリーナは悠長に右手で刀を持ったまま、空いている左手で前髪をいじっていた。一方の魁斗は二本の刀を構えながら、そんなカテリーナを呆れ気味に見ている。
どうも相手から戦おうという意志が見受けられない。しかし、ただ余裕ぶっているわけでもない。これは相手なりの挑発だ。待ちくたびれた相手が踏み込んでくるのを待って、返り討ちにする。多少なりとも怒っていると冷静な判断力は欠かれてしまう。
しかし、相手の思う通りに動かない、と魁斗は決めていた。隙を見せないように、相手の動きに気を張り巡らしている。
カテリーナは横目で彼を見ながら、称賛していた。
彼女が称賛したのは安易に突っ込まないこと。戦いの素人である魁斗が相手であるならば、相手の攻撃をかわしつつ隙を突けばいいだけだ。相手の足が速くとも、必ず隙は生まれる。素人であるならば、隙は多いはずだ。
はあ、とあからさまな溜息をついて、カテリーナは後ろで結っている髪を手櫛で一回梳いた。
「……やーめた。挑発して君の動きを単純にしようと思ったけど、全然引っかからないじゃん」
「はっ、舐めてもらっちゃ困るぜ! 戦いに関しては素人だが、冷静さは欠いちゃいけねぇと思ってるんでな」
ふぅん、とカテリーナは笑みを浮かべながら楽しそうに頷いた。
すると二本の切っ先がついた刀を魁斗に向ける。
「まあそういう考えなら別にいいんだけどさ、私強いよ? さすがにザンザには負けるけど、八部隊では結構いい位についてるんだから」
「そーいや、第八部隊第二小隊隊長……とか言ってたな。ザンザも似たようなことを。小隊って何だ?」
するとカテリーナはきょとんとした表情で、
「そんなことも知らず戦ってたの? まあいいわ。私は優しいお姉さんだから、無知で無能たる君に教えて進ぜよう!」
カテリーナが刀の切っ先で地面を突付きながら説明を始める。
「私たち『死を司る人形(デスパペット)』は一から十の部隊に分かれている。それぞれの部隊に隊長と副隊長が一人ずついるわ。一つの隊が大体五百人ってとこ。んで、五百人を一人の隊長で纏めるのも大変でしょ? だから、百人を一纏まりにしたのが『小隊』。私は部隊に五人いる小隊のうちの一人。まあザンザもなんだけどね」
「……つまり、お前は上から数えて三番目ってことか?」
魁斗の問いにカテリーナは少し考えながら、
「んーどうだろうね。八部隊内じゃそうじゃないかなぁ? 小隊隊長同士で戦ったことないから、ぶっちゃけ強いとか分かんないんだよね」
そうか、と魁斗は獰猛に笑ってみせる。
まるで楽しんでいるかのように。相手が一番強い奴じゃなくてよかった、と思わせるような笑みだ。
「だったら、お前を倒せば八部隊のほとんどは倒せるってことだよな」
「一対一ならね。ま、まずは私に勝ってから言いなよ」
言葉と同時、魁斗が地面を思い切り蹴り、刀が届く範囲まで距離を詰めた。
咄嗟に接近され、カテリーナが何とか反応する。振り下ろされた魁斗の刀を、切っ先が二つの刀で防ぐ。
鍔迫り合い状態になり、魁斗がカテリーナに告げる。
「上等だ! だったら、今ここでお前を越えてやるよ!」
「威勢と気迫だけは一人前だね。お姉さんもびっくりしちゃうよッ!!」
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