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竜野 翔太
◆026KW/ll/c
:2012/12/08(土) 00:04:13 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp
2
何とか遅刻せずに間に合った霊介は、教室に着くなり机に突っ伏していた。猛ダッシュで十五分。のはずだったのだが、結果は記録を大きく上回る十分台。ぜーはーと大きく息を切らす少年に、二人の少女が近づいてくる。
「朝から元気だねー、霊介は。その元気はどこから来てるの?」
少女の名前は夏海涼花(なつみすずか)。
中学生から霊介の友達で、霊介に忘れた宿題を見せる係。肩にかかるかかからないかくらいの金髪をサイドポニテに結った少女で、快活な口調で元気な性格の少女である。可憐な容姿とその性格が合わさってか、告白されることもしばしばあるようで、中学の頃は三年間合計で十人前後に告白されたらしいが、それを全部フッたというのは、霊介の記憶にも新しい。
そんな彼女より頭一個分程度背の高い少女。可愛らしい涼花とは対照的な、凛とした印象の少女が口を開く。
「まあ、若者は元気が一番だし。お陰で新記録が出たぞ。喜ぼうじゃないか、澤木!」
黒髪をポニーテールに束ねた少女、刀坂明日香(とうさかあすか)。
文武両道の万能系女子で、彼女も中学からの付き合い。テスト前に霊介に勉強を教える係。霊介の成績はそこそこだが、理数が壊滅的なためそこを重点的に教えている。男友達のような話の掛け方で霊介としても彼女とは話しやすいのだろう。割と自然体で接することが多い。
また、剣道部でもないのにバットを仕舞う袋に真剣を入れて、常に持ち歩いている。一歩間違えれば、いや間違えなくても警察沙汰だ。さすがに、街中で刀を引き抜いたことは無いらしいが。
そんな二人の声を聞きながら、霊介は重苦しい声で返事をする。
「……これが元気に見えるか、このやろー。それと、何が新記録だばっきゃろう。こっちは死ぬかと思ったっつーの」
そんな霊介の言葉に、涼花と明日香は顔を見合わせて、目を瞬かせる。
「すごーい、淡々と私達にツッコミは入れれるんだね」
「随分元気じゃないか。その調子で一時間目の英語も乗り切ろう」
全くの他人事加減で返す二人に、霊介は重々しく嘆息する。
すると、明日香が思い出したような口調で霊介に話しかける。
「そうだ澤木。お前、『繰々師(くくりし)少女』って知ってるか?」
彼も名前くらいは聞いたことがあるだろう。逆に、これだけ騒がれて知らない方が不自然だ。
名前くらいはな、と返すと明日香が嬉しそうな顔をした。
彼女は中学の頃から噂や都市伝説の類に興味があった。故に、この話も興味を抱くだろうと霊介は思っていたのだ。こうなると面倒にんりそうだ、と霊介は再び嘆息する。
一方で、明日香は目をきらきらと輝かせながら、
「東京都の街に出没するゴスロリ少女。『私は繰々師』と謎の言葉を発する。私は何としても、この少女に会いたいんだよ!」
「で、俺にどうしろと?」
決まってるだろ、とニヤリとした不適な笑みを浮かべたまま明日香は霊介に顔を近づけながら言う。
「今日の放課後、暇だよな?」
意味を悟った。
危うくそのまま、暇だけど、と言いそうになったところで霊介は質問の意図を悟り、本来言おうとした言葉を飲み込んだ。このままイエスと言ってしまえば面倒なことになり得るだろう。ここは、特に用事が無いのだが、そういえばシャー芯を補充した方がいいなか、的な理由で文房具屋に行く、といって何とか誤魔化そう。
そう、誤魔化そうと霊介が口を開く。
「―――悪いが、今日は文房具屋に寄る用事が―――」
「よし決定! 放課後その謎の少女を探しに行くぞ!」
「了解です、隊長!」
言葉を遮られた上、聞かなかったことにされた。
ぶっ、と霊介が噴出しながら、俺の意見は無視ですか、隊長!? などと叫びながら彼は無理矢理に彼女達のお遊びに付き合わされる羽目となった。
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