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ソラの波紋

6心愛:2012/09/16(日) 17:20:22 HOST:proxy10065.docomo.ne.jp





背中に流れる神秘的な光沢を放つ淡い翠(みどり)の髪。
金の瞳は見る者を魅せる魔石の如く何処までも透き通り、毛穴ひとつないなめらかな肌や硝子を削り出したようにシャープな顎のライン、ストローをくわえる柔らかそうな唇、全てが人間よりもよほど人間らしい美しさに溢れている。
胸元や腹の部分がかなり大胆にカットされた衣装によって眩しい白に輝く薄い肩や綺麗な縦型のへそが露わになっており、たっぷりフリルが付いた短いスカートからはスラリとした細い脚が伸びていた。
花と見紛う可憐な容姿を持つ彼女、ミレーユは操者たる空牙からの魔力供給を受けて活動する等身大少女型人形。
……たとえ自らが使役する機械人形(マシンドール)とはいえ、絶世の美少女と一緒にお茶をしているという状況なのだから健全な年頃の少年としては、胸が高鳴ったり高鳴らなかったりするわけで。
空牙は少し照れたように笑う。


「はは、お前って本当見た目は可愛いよなぁ。完全無欠って感じ」


「……穢らわしい視線で犯さないで下さいです変態。吐きます。ハゲます」


「ハゲんの!? お前が!?」


「はいです。あまりのストレスに今にも毛根が滅びそうです」


―――こう口が悪くなければの話だが。


ミレーユの悪罵に俯いてぷるぷる震える空牙は、彼女の頬にうっすら差した赤みには全く気づいていない。


「う、ぐぅ……お、お前はなぁ……!?」


「ミレーユはともかくとして、もう白髪(しらが)になってますですし空牙はそろそろ本気で気にするべきです」


「白髪言うな! これは元からだ!」


「それに長髪はハゲやすいと言いますです」


「……ハハ……。髪型、イメチェンで変えよっかな……」


ふっと哀愁漂う表情を浮かべる空牙。


普段からの鉄面皮を取り戻したミレーユはそんな彼を見もせず、ちゅううう、とジュースを吸い、


「ところで空牙。疑問に思っていたことがあるのですが」


「あ?」


「さっき空牙はお金がないと言いましたですよね」


「言ったな」


じゅこー、と最後の一滴まで吸い尽くしてから、ミレーユは口を開いた。



「……このジュースと紅茶に払える程のお金は今現在皆無とミレーユは記憶していますが」



それを聞いた空牙は白い歯がキラリと煌めく爽やかな笑顔を作るや、スッと椅子から立ち上がって。



「よっしゃ逃げるぞミレーユ!」



「相変わらず根性腐ってますですねサナダ虫」



毒づきながらもミレーユは慣れた様子で、ちゃっかりケーキの皿を確保してから空牙に倣(なら)い席を立つ。



「お、お客様!? まだお支払いが済んで―――」



「ほんとすいませんいつか払いに戻りますんで!」



「ほんなことひっていふももろったことはありまへんへどね」



「お前は食うか喋るかどっちかにしろ!」



「……もぐもぐもぐもぐもぐ」



「食うんだ!?」



平然とフォークを動かしてケーキを啄みながら信じられない程の速さで疾走する人形の少女と、必死に彼女に追いすがる所有者(マスター)の少年の後ろ姿が、あっという間に地平線の彼方に消え去った。


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