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邪気眼少女の攻略法。
25
:
心愛
:2012/09/18(火) 20:09:02 HOST:proxy10038.docomo.ne.jp
『うっそマジー!? 一緒じゃーん!』
『絶対4組遊びに行くから!』
新年度のクラス発表というのはどこの学校でも同じようで、ぎゃあぎゃあ大げさな悲鳴を上げたり、友人同士で親しげに肩を叩き合ったり……。
見えないっつーの!
後ろから爪先立ちしてみるも意味はなく、仕方なしに、タイミングを見計らって集団の中に潜り込む。
ったく。見終わったらさっさとどけよ、後から来る奴のことも考えろや。
実際に口に出したらアブない人路線まっしぐらなことを考えつつ、バカでかい白い紙に印刷された文字を視線で辿る。
ひ、日永、……あった、11組。
8クラスもある割には意外と簡単に見つかった。
ちなみに南高では2年の3組だったら23組、という具合に、クラス名は二桁で表す。
だから、11組は実質1年1組ってことだ。
あとは自分の出席番号を確認すれば、どこのクラスか調べておく友達もいないのだからもう用はない。
はず、なんだけど。
無意識のうちに、毎年繰り返していることをまたやっている自分に思わず苦笑する。
もはや一つの癖だ。
―――日永、よりも後に書いてある名前を、ひとつひとつ慎重に眺めていく。
ユイノ、ミウ。
昔、小さい頭に必死になって叩き込んだその音を、そっと唇に乗せた。
自分でもバカじゃないのかと思う。
初恋の女の子の名前が何かの間違いで同じクラスの名簿に載っていたりしないかどうか、探してしまうなんて。
飽きもせずに毎年毎年。
……ホント良くやるよな、俺。
「ゆ……いの、」
“No.39 結野美羽”
―――心臓が、止まったような気がした。
「っ……」
結野。
“ゆいの”って、読め……ない、か?
「うっ……―――」
そだろ、と、熱い息を吐き出した。
思考が纏まらない。
目を見開いて、ぼうっと突っ立っている俺をどかそうと、誰かが迷惑そうに押してくることさえも、頭では多分理解しているはずなのに身体が全く動かない。
「は、」
落ち着け!
早鐘を打つ心臓を服の上から押さえつける。
カラカラに渇いた喉にごくんと唾を送り込み、瞼を閉じた。
……同姓同名の他の女子、ってことだって十分有り得ることだ。
決めつけるのはまだ早い。
でも、
……もし、
“ミウ”ともう一度逢えるなら。
あのときみたいに、いや、もっと、ずっとずっと近くで、話ができるのなら。
また、一緒に笑いあえるのなら。
「神様、俺のこと好きすぎだろおい……」
口元に笑みを浮かべ、俺はパッと身を翻した。
―――この目で、真実を確かめるために。
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