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紫の歌×鈴扇霊
509
:
ピーチ
:2013/03/20(水) 20:14:12 HOST:EM1-114-57-214.pool.e-mobile.ne.jp
紫と紅と黒
「ありがとう、シェーラちゃん多分、『あの』言葉よりも先に可愛いって言われたの、初めてだわ」
苦笑気味に笑ったあおりの言葉に、少女が首を捻った。
「何でですか? 可愛いのに」
シェーラの言葉を聞いた天音の肩が、傍で小さく震え出す。柊一と昇は、どこか気まずそうな表情であらぬ方を見ていた。
「? 昇さん、柊一さん?」
呼ばれた二人が苦く笑いながら顔を見合わせる。
それを見たあおりの瞳に、ほんの一瞬殺気が満ちた。
「教えてあげましょうか? あたしの名前を聞いた昇が、最初に何て言ったか」
「え?」
傍で黙って聞いていたソフィアたちも、興味を持ったらしく無言で集まってくる。
それを見て苦笑したあおりが、辺に晴れやかな笑みを浮かべた。
『―――あおり? 何かあおりんごみてぇだなー』
「……って、言ったの」
ねぇ? と笑顔で確認するあおりに、昇が降参と言うかのように片手を上げた。
「だから悪かったって! それに、俺だけじゃねぇだろ?」
「あ、そうだったね。ね、天神さん?」
少女の問いに対し、是を唱えるかのように青年が苦く笑う。
「と、ところで天音! これどーする?」
話題を切り替えた昇が、天音に言った。それを受けた天音が再び思案に暮れる。
「……先に私が戻って、私が着いた頃に柊たちが送る…としか、方法なんて浮かばないわよ?」
「あ、じゃあそうする?」
「え?」
あまりにもあっさりとした返答に、思わず天音とあおりが問い返す。柊一が笑った。
「でも、天音が先に戻るんじゃなくて、俺たちが先に戻る。それでいいだろ?」
もうしばらく残っててほしそうだしね、と言う彼の言葉に、天音がソフィアたちを振り返る。
そしてしばらく考えた後、やがて諦めたように息を吐いた。
「じゃあ、そっちは頼むわ。気配は一瞬で消せるはずだから」
「うん」
答えた柊一が小さく何かを唱える。瞬間、漆黒の突風が巻き起こった。
「じゃあ、俺たちはこれで」
穏やかに笑った柊一が、シュオンにそう告げた。それとほぼ同時に、昇が片手を上げる。
「ヒー……じゃなくて黒髪も、」
「俺の名前はヒース=ユーゼルだっつってんだろーがっ! 何回言えば……っ」
「あーはいはい分かった分かった」
まるで子供のけんかである。
軽く嘆息した柊一と昇の姿は、今度こそ見えなくなった。
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