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紫の歌×鈴扇霊
497
:
ピーチ
:2013/03/16(土) 22:05:04 HOST:EM114-51-179-122.pool.e-mobile.ne.jp
紫と紅と黒
「…これ、は……」
珍しく困惑するようなそぶりを見せた天音が、小さく唸る。
「あっちに持って行ったら、今度こそ面倒になるわね……」
「じゃあ、どうする?」
「何か、話が見えねぇけど…」
天音と柊一の言葉に、昇が渋面を作る。
彼を見て、天音が気まずそうに視線を泳がせる。
「? ………天音?」
「……ごめんなさい」
突然の言葉に、昇が目を瞠った。
「へ? え、天音?」
彼女が謝る理由が分からない。
しばらく悩んでいた昇に、柊一が大まかに説明をした。
曰く。
昇から見てどこか様子がおかしかったらしい天音の目の前に、蛇道が襲い掛かってきた。
それを見た昇が、条件反射で飛び出したために天音は無傷だった。
柊一の仮定と昇の言葉を組み合わせたらこうなった。
「嘘だろおい……」
思わず呟いた昇である。条件反射だか何だか知らないが、まさか本気で自分が天音を守ったとは。
「いや、守ったとまでは言えないか……」
いささか疲れたように肩を落とした青年に、柊一が穏やかに笑った。
「昇、ありがとう。天音を守ってくれて」
「え?」
「でもさ」
表情を強張らせ、柔和な面立ちの青年が苦笑する。
「………飛湘を泣かせろとは、言ってないよ?」
「う……っ」
柊一と昇が互いに苦笑している傍で、天音だけが浮かない顔をしていた。
「天音? おーい、あーまーねー?」
あおりの声ではっと我に返ったらしい天音が、再び沈鬱な表情になる。
「天音ー? 昇のことだったら気にしなくていいよー?」
「―――は?」
ちょっと待ていくら何でもそれはあおりが決めていいことなのか。
「だって昇ほどタフな人も珍しいし。ちょっとやそっとのことじゃ問題ないよ、死にさえしなければ」
からりと笑ったあおりのその性格は、恐らく昇から学んだものだろう。いや、学んでいいと言えるものでもないが。
「それに、あんまり後悔ばっかしてると昇に嫌われるよ?」
「……そう、ね…」
苦く笑った天音に、あおりが笑みを浮かべる。
「…そういえば」
唐突に聞こえたシェーラの声に、天音たちが彼女の方を向いた。
小鹿色(フォーン)の髪を揺らした少女があおりに言う。
「あおりちゃんって可愛い名前ですよねー」
天音ちゃんも可愛いけどあおりちゃんも可愛いー
そんなシェーラの言葉に、あおりが苦笑した。
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