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紫の歌×鈴扇霊

488ピーチ:2013/03/12(火) 16:12:25 HOST:EM1-114-198-155.pool.e-mobile.ne.jp
紫と紅と黒




「……二人とも、大丈夫かな…」
「多分、どちらか一方はやられてる」
 あっさりと返す柊一の言葉に、あおりが目を伏せた。
「ですよね…」
「でも、急げば何とかなることも、あるかもしれない」
 自分の勝手な、ともすれば希望よりも儚い思い。
 それがあるから、迅速に動くことが出来た。
「それに……」
 柊一が、死ぬほどの致命傷を負ったとも限らない、と言おうとした直後。
「――――――…っ……!?」
 唐突に、柊一とあおりの足が止まった。
「…? どうしたんですか?」
「……まずい、かも…」
 困ったように苦笑して、言いたくなさそうに声を吐き出した。
「………やられた方、分かった」




「昇………っ!?」
 今の妖は、確か。
「―――あ…」
 人の命(み)を喰らうと言われている、蛇道(じゃどう)。
 だが、なぜそんな凶悪なものがここに。
 一瞬考えたが、今はそんなことを考えている暇はない。
 回復を促す言祝(ことほ)ぎが、あったはずなのに。
「―――君が為にと、言わずして……」
 少女の口から放たれた言霊が、辺りに木霊した、その時。
「天音、昇!」
 突如として聞こえた声に、天音が目を瞠る。
「……え………?」
「天音、大丈夫!?」
 あおりの問いに対し、天音は首を振る。
「私は大丈夫なの。でも、昇が……」
 天音の言葉に、少女が目を瞠る。柊一が額に手を置いた。
「やっぱり昇だったか……」
 僅かに遅れてきたソフィアたちも目を瞠った。
「昇さん……?」
 シェーラの呟きを拾ったあおりが、微動だにしない青年に近寄った。


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