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紫の歌×鈴扇霊

478ピーチ:2013/03/03(日) 18:42:55 HOST:EM114-51-64-43.pool.e-mobile.ne.jp
紫と紅と黒




「夢現(ゆめうつつ)、結(ゆ)いし赤玉、白貫(しらぬき)の座を冠する者」
 静かな流れるような詠唱が、優しい言霊が放たれる。
 それまで黙っていたソフィアたちが、驚いたように目を瞬かせた。
「柊一さんも、天音さんと同じようなことが出来たのね……」
「まぁ、どっちかって言えば天神さんの方が始めたのは早かったわね」
 あおりの言葉に、シェーラがえ、と零した。
 それを受け、あおりが苦笑気味に答える。
「そりゃそうでしょ? 天神さんの方が先に生まれてるんだから」
「………あの」
「ん?」
 突然呼ばれ、あおりが首を傾けた。
「…天音さんたちって、何歳なんですか?」
「へ?」
 聞いてなかったの? と問い返したあおりに、シュオンが口を挟んだ。
「聞いてないっていうか、聞く暇がなかったいって言った方が正しいかな」
「………あぁ…」
 あいつ、また自分のことだけやってさっさと帰ったんだな、という彼女の胸の内は、誰も知らない。
 苦笑気味に、彼女が言った。
「天音とあたしが二十歳で、天神さんと昇がその一つ上」
「二十歳?」
 確かに大人びてるけど、本当に大人だったんだー。
 そんなシェーラの呟きを拾ったあおりが、苦く笑った。
「見た目だけよ? 天音も昇も、あたしも」




 ざん―――。
 一瞬の閃光が走り、銀の剣についた血を払った昇がふぅと息を吐いた。
「大体、これで全部だろ」
「……そう、かしらね…」
「え?」
 問い返した青年に、天音が不安げに言った。
「まだ、残ってるような気がするの。…それとも、私の気違いかしら」
 少女の言葉に、昇が腕を組んで辺りを見回す。
 だが、これと言って不審な気配はしない。
「お前にしては珍しく、変なところで五感が働いたんじゃねぇの?」
 そう言った青年が身を翻しかけた、刹那。
「―――え……?」
 天音の声に振り返った昇が、思わず目を瞠った。
 ―――ソノ霊力、我ガタメニ
 そう言ってにぃと嗤った『蛇』が、彼女に迫る。
「っ………!」
 咄嗟に扇を構えたが既に遅く、天音の腕に紅い筋が走る。
 刹那。
 蛇の形を保っていたものが音を立てて崩れ、原型を留めない『それ』に成り代わった。
「え…」
 呟き、茫然と空を見上げた少女の眼前に、『それ』が躍りかかった。


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