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陰陽師 〜前世と現世〜

58ピーチ:2012/04/15(日) 07:39:32 HOST:i125-204-92-164.s11.a046.ap.plala.or.jp
「・・・何とかなるって、大丈夫だよ・・・」
「・・・お前さ、ほんと嘘吐くの下手だよな・・・」
裕也が、苦笑しながら言った。
「まだあの・・・呪詛?が抜けてねーんだろ?」
「え?あ、いや・・・」
「今さら誤魔化して何になる?」
裕也が笑いながら、でも、と言った。
「悪いな・・・わざわざ結界張る力まで使わせちまって」
「大丈夫だよ・・・気にしなくても」
「嘘吐くなよ?」
「分かった分かった・・・」
小さい声で答える誠人を見て、裕也が
「何か・・・明人の気持ちが分かる気がする・・・」
と言った。
「え?」
「いや、誠人ってさ、からかい甲斐あるじゃん?」
「・・・・・・」
その言葉を聞いて、誠人が蒼い顔をさらに蒼くした。
「じゃあ・・・裕也も明人と同じように俺で遊ぼうと?」
「・・・何もそこまで言ってねぇし・・・」
「・・・ゴメン、この家ってさ・・・一人になれる場所とかある?」
「え?」
突然、何を言い出すかのと思ったが、それを聞く前に誠人が倉庫を使っていいかと聞いてきたので、裕也は条件反射で答えた。
「べ、別にいいけど・・・」
「・・・ありがとう」
「あ、あぁ・・・?」
誠人はその言葉を聞き、倉庫に向かった。
「・・・・・・これでいいかな・・・」
そう呟くと、自分に似せた式紙を作り、裕也の所へ行くように指示を出した。そして、自分はそのまま家の外に出て行った。
「おーい!誠秋ー!」
「助けてくれー!」
「殺されるー!」
「え?」
突如聞こえてきた、聞き慣れた声の方向を振り向くと、やはりあの三匹が全力で誠人の方向かってきた。
「え・・・お前ら何したの!?」
「知るかー!」
「気付いたら追っかけ回されてたんだよ!」
「頼む!誠秋の生まれ変わり、誠人!」
なんとも丁寧なことだろうか。雑鬼達は“生まれ変わり”だけを綺麗に大合唱したのである。
「今の俺は・・・誠人だよ・・・前後に変な言葉付けるな」
そう言いながら誠人は、雑鬼達を追ってきた妖の顔を見た。姿かたちは普通の鳥のそれだが、鳴き方が全く別の生き物を示していた。が、その生き物までは、誠人には分からなかった。
「・・・面倒だな・・・」
誠人がそう言った直後、何かが勢い良く燃えた。鳥妖の羽に命中したからだ。
「な・・・なぁ誠人?」
「ん?」
「今の・・・燃えたやつ何?」
「・・・神札」
「え?」
「『臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前』!!」
誠人が、真言密教の魔除の九字を唱えながら、手刀で格子を切った。そして、その力を格子状にして鳥妖に思い切りぶつけた。途端に鳥妖が暴れだす。しかし格子に囚われ、為す術もないまま消えていった。
直後。誠人が地面に崩れ落ちる。
「お、おい!大丈夫か?」
「あんまり無理すんなよ?」
「・・・大丈夫だよ、ちょっと力使いすぎただけ・・・」
「と、とりあえず!今日はもう帰れ!」
「そ、そーだ!俺らは何とかして逃げ延びるからよ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
誠人は、何も言わずにその場を離れた。
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続きまーす


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