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Loveletter

388ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/07/15(日) 17:24:56 HOST:w0109-49-135-30-21.uqwimax.jp

   Loveletter きみにおくる愛の手紙 / あわただしい一日 side未花 ※未花にかわってますよー


「あわわ、楽器が……」
「未花、持つよ」
「やややいいですよレオ先輩!」
「いやいや、楽器危ないし」
「あう……そうですか……」
「それに――」


 一単語分置いて、はずかしそうにポツリ。


「未花に怪我させたくないし」


 ああ、なんか朝から熱いかも。
 いくら夏とはいえこれは熱すぎないか。別の意味で。


「……そ、ですか……」


 顔が真っ赤になるのが自分でもわかる。
 それが更にはずかしく感じちゃってさらに顔が赤くなるっていう、無限ループだ。



 今日は待ちに待った県大会。
 早いだろって突っ込みは置いといて、みんな一生懸命やってきたんだ。
 ――きっと、全国に行けるはず。


「せんぱーい、楽器搬出のときにイチャイチャしないでくださいよ」
「トラックぎゅうぎゅうだし時間も遅れてるんで、急ぎますよー」


 梨花ちゃんとめぐちゃんに注意されてしまった。
 しらっとしたその冷たい目に、わたしは笑いながらペコペコ謝る。


「ごめんなさいごめんなさい! すぐ移動します!!」


 全国大会出場は、去年達成できなかった目標だ。
 全国にいったらディズニーランドに連れてってもらえるらしいけど、わたしはそれが目的とかじゃなくて。


 ただ、みんなと合奏をつづけたい。


 全国にいけば、先輩と合奏できる時間も長くなるんだ。
 全国にいって全国で金賞とったら――すごくうれしいし、先輩も心残りはないだろう。
 わたしはそんなことを思いながら、隅に置かれていたスネアを持ち上げた。


 緊張する、だけど楽しみ。


     ×


「急いでリハ室に移動しまーす!」


 時間が遅れているままコンクール会場へ向かったら、結局すぐ楽器を出すハメになってしまった。
 あわただしい一日――緊張も、どんどん高まってゆく。

 リハ室にいく前にチューニングをしたのだけれど、一年生はとくに短時間でピッチをこまかく合わせられるようになった。
 二年生も負けてられないとピッチ合わせを頑張ったので、聴いててとても気持ち良いのだ。
 三年生は、元から自分の音程の高低をわかってるからチューニングすごいはやいし的確なんだけどね。


 自由曲を一度通してみたけど、なんだか良い感じ。
 県大会のレベルまで仕上げきれた感じがするし、音の調子も良い。
 なによりみんなが楽しそうに吹いている。


「みんな、もう不安なんかじゃないよね」


 不安な気持ちなんて、みんなでいればそんなものなくなってしまうから。


「今日は楽しんでいこう!」
『おー!!!』


     ‐


 早めの展開←


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