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Loveletter

360ねここ ◆WuiwlRRul.:2012/06/11(月) 18:52:45 HOST:w0109-49-135-24-13.uqwimax.jp

   Loveletter きみにおくる愛の手紙 / コンクール side未花



「今からリハーサル室でチューニングして、すぐステージの裏に移動するからなー」
「周りの人の邪魔にならないように移動してねー」


 レオ先輩と鈴先輩がみんなに指示を出した。
 はーい、と吹奏楽部員が返事をする。

 そして係の人に青春高校吹奏楽部が呼ばれて、ぞろぞろとリハーサル室に入っていった。


 みんながチューニングを合わせていく。
 そこはもう緊張感で包まれていて、それなのに突然レオ先輩があっ、と声をあげた。


「どうしたんですか?」
「ヤバイ、俺楽器忘れた」
「ど、どこにですか?!」
「……家、だと思う」
「ななな、なんでっ……レオ先輩ヤバイじゃないですか!」


 みんながざわつき始めた。
 どうしよう、レオ先輩が出ないなんて心残りだよ。

 それにピアノがいなくなったら――ピアノソロがあるからだめだ。

 今年のコンクールは先輩たちにとってすごく心残りになってしまうと思ったそのとき――


「ばぁか、嘘だよ嘘」
「えっ」


 レオ先輩がくしゃっとわたしの頭を撫でた。


「大体ピアノはホールにあるの借りて使うんだしさー」
「……ほ、ほんとだ!」


 みんなのあいだにあははは、と和んだ空気がうまれたのがわかった。
 すごい、レオ先輩はみんなを和ませようとしてたんだ。


「レオ先輩、ありがとうございます」
「いや、最後くらい部長としてちゃんとしなきゃって思って」
「いっつもちゃんとしすぎてましたよ」
「そうか?」


 またあはははは、とみんなが笑い出す。
 ――うん、なんだかうまくいきそうな気がしてきた。


 みんなのチューニングが終わったあと、レオ先輩が微笑みながら言った。


「よしっ、楽しんでこよう!」
『おーっ!』


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