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蝶が舞う時…。 ―永遠―
198
:
燐
:2012/02/04(土) 13:41:39 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
※お知らせ※
レスの200は書き込まないでくださいね。
記念すべき200なので…。
では宜しくお願いします。
199
:
燐
:2012/02/04(土) 13:55:53 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
一方、陽の私は影の憐を追いかけていた。
あれからどれぐらい走ったのだろうか。
足がもう棒のように痛くてズキズキしていた。
「はぁ…。はぁ…。」
私は立ち止まって中腰に息を切らしていた。
額から流れる汗が私の足元に雫となって滴り落ちる。
もう体力の限界だった。
元々体力がない私は少し走っただけでも息が切れる。
でも今回は結構走った。
だから息が切れるのは当たり前かもしれない。
「駄目…。こんな所で諦めるもんか。憐の元に追いつくまで私は諦めない。」
私は体勢を立て直して、再び走り出した。
足が痛いけど…諦めない。
諦めないよ…。
そんな事を心の中で言い聞かせながら私は走り続けた。
やがて前方に白い光が見えてきた。
‘出口’
そんな言葉が頭に浮かんだ。
私は力を振り絞ってその光の元へ全力疾走で走りこんだ。
200
:
燐
:2012/02/04(土) 13:57:33 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
200行きました!!!
第4章は長いですが・・・。これからも宜しくお願いします。
関係ない話ですが・・新作の方のタイトルと章の構成が出来上がりました。
また新作の方も宜しくお願いします。
では、引き続き宜しくお願いします!!
201
:
燐
:2012/02/04(土) 14:19:00 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
白い光の正体は白い蝶だった。
穢れの無い純粋な白。
触れたら消えてしまうんじゃないかってぐらいの儚さ。
「白い蝶さん…。」
私は蝶さんに近づくと蝶さんの後ろに地面に蹲っている人影が居た。
「憐…。」
私はその人影に近づき声を掛けた。
「どうして着いて来るんだよ!!」
その人影はゆっくりと顔を上げて言った。
人影の正体は憐で、憐の瞳は涙で滲んでいた。
「心配だからに決まってるよ。ねぇ…戻ろうよ。誠も影の私も心配してるよ。」
そう言うと憐は激しく首を左右に振る。
「嫌。誠は僕を侮辱したんだ。戻りたくない。」
憐は酷く怒っている。
「大丈夫。私も一緒になって謝るから。それならいいでしょ。」
私は笑顔で言った。
202
:
燐
:2012/02/04(土) 19:48:23 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
「…嘘だ。そんなの嘘だ!!僕は騙されないから!!」
憐は立ち上がって何処から持って来たのか私にナイフを突きつける。
「嘘じゃないよ。本当の事だよ!!」
私は少し強気で言った。
「じゃ証明して見せてよ。それまで僕は信じないから。」
憐は明らかに警戒している。
影の憐がこんなにも挑戦的なのは気のせいだろうか。
「分かった。証明してあげる。でもその代わりちゃんと証明したらちゃんと戻ってくれる?」
私がそう言うと憐は小さく頷き、ナイフを地面に投げ捨てた。
「後、憐って影の私の事どう思ってるの?」
そう訊くと憐は一瞬黙り込んだ。
「どうって…そんなの分からないよ。何でそんな事聞くの?もしかして頼まれたの?」
憐は疑わしい目つきで言った。
「そう言う訳じゃ…。」
「夜那って本当に嘘下手だよね。僕はそんな夜那が好きだよ。
2ヶ月前からね。でもそれは“友達”としての好きだよ。今は影の夜那の方が好きかな。」
203
:
燐
:2012/02/04(土) 20:09:30 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
「それって恋愛の方?」
私が訊くと憐は笑顔で頷く。
これって両思いってヤツなんだよね?
「でも恥ずかしくて告れないんだ。だってもし振られたら一生落ち込むし…。」
憐は再び地面に座り込んだ。
「でも告白してみないと分からない物じゃない?告白って最後まで分からない物だと私は思うよ。
私は告白した事なんてないけど…気持ちは分かる。」
私は胸元に手を置いて小さく深呼吸して呟く。
「夜那の場合、誠から告られたんだよね?半年前。影の夜那から聞いたよ。」
憐は笑顔で言った。
「そうなんだ。でも何で影の私がそんな事知ってるの?」
「あれ?言ってなかった?陽と影の関係は対になっているからお互い気持ちは共有し合ってるんだよ。
だから影の夜那が陽の夜那の行動を把握してあるし、過去に夜那が何したか全て記憶してあるよ。
それが影の仕事ってものさ。」
憐が分かりやすく私に説明してくれた。
204
:
燐
:2012/02/04(土) 20:19:52 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
「何か奥が深い気がする…。」
私は呆然としながらも呟く。
「そう?ま、細かい事は気にしない事が一番いい事だよ。」
憐がそう言った直後だった。
何処からか私の名前を呼ぶ声が聞こえて来た。
205
:
燐
:2012/02/04(土) 21:02:35 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
「夜那ー!!」
その言葉を聞いた瞬間、私は声のする方向へ振り向いた。
憐は怖いのか立ち上がって私の後ろに隠れる。
やがて前方に二つの人影が現れる。
その内の一つは手を振っていた。
206
:
キルア
:2012/02/05(日) 08:40:58 HOST:proxy10010.docomo.ne.jp
どうも!
1から全て見ましたけど、とってもクオリティが高い小説でビックリですΣ( ̄□ ̄)!
宜しければ入っても宜しいでしょうか?
>燐様(燐兄貴)
207
:
愛歌
◆EFyjchDnb.
:2012/02/05(日) 08:42:17 HOST:proxy10009.docomo.ne.jp
名前間違えました…ory
正しくは愛歌(ロンド)です!
208
:
燐
:2012/02/05(日) 12:26:05 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
愛歌>>どうぞwどうぞw
兄貴って呼んでくれぇw
209
:
燐
:2012/02/05(日) 12:47:37 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
その影はすぐに誠だって分かった。
誠も私の姿を確認したのか私と数メートルの位置で立ち止まる。
誠の隣には影の私が仲良く誠と手を繋いでいた。
憐は私の背後から二人の様子を伺っていた。
「何で着いてきたの?」
私は冷たく誠を睨みながら言った。
「…心配だからに決まってんだろ!!」
「て言うか誠は憐に謝る事あるんじゃないの?」
私は誠の言葉を遮って指摘する。
「……。」
誠は黙り込んだ。
「憐は怒ってるよ。誠があんな事言ったから。」
私は誠に向かって右手の人差し指を突き刺した。
「憐…すまねぇ。」
誠は謝るが、憐は黙っている。
「感情が籠ってない。ちゃんと感情込めて謝ってよ!!精密なロボットみたいに
謝らないで。」
憐は誠を睨みながら言った。
210
:
燐
:2012/02/05(日) 15:56:24 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
「…ごめん!!」
誠は憐に向かって深く頭を下げる。
「…いいよ。合格。今度からその事については一切触れないでね。」
憐は冷たく言い放つと、影の私の所へ駆け出した。
「夜那…。」
誠は私にゆっくりと近づき、私の身体を抱き締めた。
「…さっきはあんな言い方してごめん。」
私は謝る。
「夜那にしては上出来だったな。あれも芝居だったりしてな。」
誠は笑いながら言った。
「何で分かったの!?凄い。超能力みたい…。」
「芝居だったのかよ!?ま、普段の夜那ならあんな言い方しねーし。馬鹿でも分かる。」
「私って演技下手なのかな…。見破られるって事は。。」
私は肩を落として地面に座り込む。
「そんな事ねーと思うけど。気のせいじゃね?」
誠は私の頭をポンポンと撫でながら言った。
「そうなのかな。あっ!そう言えばだけど…。あの二人両思いっぽいんだよね。。」
私は二人を一瞥しながら言った。
211
:
燐
:2012/02/05(日) 16:26:34 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
「マジかよ。でも絶対吊り合わないと思うぜ?」
誠の“吊り合わない”と言う言葉が心に突き刺さる。
そう言えば義理のお母さんにもそんな事言われたんだよね。
でもそんな言葉はすぐに私の心から消えて行った。
「でも、案外いいカップルになりそうだよ。」
「いや俺は反対だと思うな。だって腹黒とツンデレだぜ?絶対合わねーわ。」
誠はケラケラと笑いながら私の身体を離れる。
「腹黒とツンデレって…憐と影の私の事?」
私は訊く。
「うん。」
誠は頷く。
私はふと視線を二人に移す。
二人は恥ずかしいのかお互い背を向けている。
私はしばらく二人の様子を見守る事にした。
隣に座っている誠は薄く笑いながら二人の様子を見ていた。
「憐…。」
影の私が振り返って静かに呟く。
212
:
燐
:2012/02/05(日) 17:15:53 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
「何?」
憐は素っ気なく振り返る。
「あの…その…私ね……ずっと憐が好きだったの!!」
影の私は顔を真っ赤にして言った。
「…僕も好きだよ。夜那の事。」
憐はさらりと言った。
「本当…?」
「うん。本当。」
憐はそう言って影の私の身体を抱き締める。
「嬉しい…。」
「良かったね。二人とも。」
私は横から割り込む。
「うん。」
影の私はとても嬉しそうだった。
213
:
燐
:2012/02/05(日) 20:49:53 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
でも何処かツンデレなのだろうか。
全然普通に見えるのに…。
私の中に一つの“疑問”が生まれた。
と言うかこの場合、“疑惑”に入る?
何か良く分からない…。
「てか、憐痛いわよ。」
影の私は苦しそうに呟く。
「あ…ごめん。」
憐はすぐさまに影の私の身体を離れる。
その時、私の視界が少しずつぼやけてくる。
嗚呼…もうすぐ夢が解けるんだ。
そう思って地面に寝転がる。
「おい夜那。」
誠が私の右肩を揺する。
私はそのまま目を瞑って意識を失った。
214
:
燐
:2012/02/05(日) 21:14:07 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
―――――――…。
「んっ…。あれ?私…。」
私は重い身体をゆっくりと起き上がらせて辺りを見回した。
いつもの光景が目に飛び込んでくる。
良かった…私の部屋だ…。
そう安心しただけで全身の力が抜けた。
私の隣には寝息を立てて眠っている誠が居る。
まだ夢から覚めないのだろうか。
誠の左手の薬指には指輪が嵌められている。
「誠…。」
「何?」
すぐ返事は返ってきて私は驚く。
「お、起きてたの?」
私がそう言うと誠は小さく頷く。
「うん。てか、夜那の寝顔可愛かった。」
誠はニヤニヤしながら言った。
「えっ…。」
私は恥ずかしくなって顔を逸らす。
「ならもっとその顔俺に見せて。」
誠はわざとらしく妖艶に微笑む。
何時もの誠とは明らかに違っていた。
215
:
燐
:2012/02/05(日) 21:35:25 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
「どうしたの…?一体…。」
私は地面から立ち上がって一歩ずつ後ろに後ずさりする。
何か嫌な予感がするのは気のせい?
「夜那。」
誠の声に私は立ち止まる。
「何?」
私は顔を正面に戻して俯きながら呟いた。
「お前ってさ…今でも亮介が好きか?」
誠の言葉に私は首を横に振る。
「好きじゃないよ。友達としては好きだけど…。それがどうかしたの?」
「…良かった。本当に…。」
誠は嬉しそうに言う。
「それだけ訊きたかったの?」
私がそう言うと誠は左右に首を振った。
「後もう一つ…。お前にプレゼントがあるんだ。」
216
:
燐
:2012/02/05(日) 22:00:13 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
「プレゼント!?何々?」
私はつい嬉しくなって舞い上がってしまった。
「後ろ向いて。」
誠に言われ私は後ろを向く。
「目も瞑っておいて。」
そう言われ目も瞑る。
数分後…。
髪に違和感を感じた私は思わず目を開けてしまった。
「出来たよ。」
誠は私に黄色の手鏡を渡した。
思わず手に取ると、髪が一つに結ばれていた。
ヘアゴムかと思ったがよく見ると赤いリボンで髪は結ばれていた。
「これ…。」
「うん。夜那は髪結んだほうが可愛いかなって思って。気に入った?」
誠はニコニコ笑顔で言った。
「ありがとう…。」
私は嬉しさのあまりその場で泣いてしまった。
「ホント、夜那って泣き虫だな。でも俺はそんな泣き虫な夜那も好きだ。」
誠は私の頭を撫でながら言った。
「ありがとう。とっても嬉しい。」
私は微笑みながら言った。
「で、俺のお願い訊いてくれる?」
誠はそう言うと私の身体を抱き上げて、ベッドに下ろさせた。
「う、ん。何?」
私は戸惑いながら言うと、誠は不意に私の身体をベッドに押し付けた。
身動きが取れない。
「誠…?」
「夜那ってさ…無防備だよな。」
217
:
燐
:2012/02/05(日) 22:15:13 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
不意に出た誠の言葉に私は理解出来なかった。
「誠…。」
私は震えた声で呟く。
「お前さ…分かってねーよな。俺が男だって事。」
突然の事に私は言葉を失う。
「今まで何時もお前に遠慮して来たけどよ…。今日は遠慮しねぇから。」
明らかに何時もの誠とは違っていた。
誠の冷たくて冷酷な瞳に思わず顔を逸らす。
「いや…嫌ぁぁぁぁぁ!!!!!!」
私は声が枯れるほど大声で叫んだ。
その声を訊いて誠のお母さんが部屋に入って来た。
「何をしているの!!」
誠のお母さんの怒鳴り声が部屋中に響き、誠は我に返る。
「母さん…。」
218
:
燐
:2012/02/06(月) 17:51:13 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
誠は無言でベッドから下りる。
私は怖くてその場で震えていた。
「誠!!今夜那ちゃんに何しようとしたの!!」
誠のお母さんの怒鳴り声が部屋中に響く。
「何もしてねーよ。」
誠が冷たくそう呟くとパチンと乾いた音が部屋中に響く。
誠のお母さんが誠に向かって平手打ちされたからだった。
頬を叩かれた誠は無言で俯く。
219
:
燐
:2012/02/06(月) 19:46:44 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
「止めてください!!!」
私は大声で叫んだ。
「夜那ちゃん!?」
「誠は何も悪くありません…。どうか責めないでください。。」
私は泣きながら呟く。
「夜那ちゃんがそう言うならいいわ。」
そう言って誠のお母さんは部屋を出て行った。
誠のお母さんが出て行った後、私は安堵のため息を吐いた。
「何で俺を庇った?」
誠の冷たい視線が私に注がれる。
「守りたかったの…。もう誠に辛い思いをさせたくないの…。」
私はベッドから下りて誠の身体に抱きつく。
220
:
燐
:2012/02/07(火) 18:01:20 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
「…同情のつもりか?」
誠は冷たい口調で言った。
「…そうかもしれないね。でも見方変えたらそうでもないかもね。」
「謎々みたいだな。」
誠は冷たい口調から朗らかな口調に変わる。
221
:
愛歌
◆EFyjchDnb.
:2012/02/07(火) 20:58:22 HOST:proxyag057.docomo.ne.jp
thank youでーす!(藤●)
どしたらこんな上手い小説かけるん?
>燐兄貴
222
:
燐
:2012/02/08(水) 12:27:53 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
愛歌>>とにかく本をたくさん読む事だなw
一日に2冊ぐらい。
223
:
燐
:2012/02/08(水) 13:03:27 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
「結局、俺は夜那にしてあげる事が一つもない。」
誠はポツリと呟く。
「そんな事ない。今まで誠は私の為に尽くして来たじゃない!」
「でもさ…それって夜那の為になったか?役に立ったか?」
誠は冷たく言うと、私は誠の身体を離れて黙り込んだ。
「役に…立ったよ。」
「明らかに動揺してるのが見え見えだぜ?」
誠は鼻で笑いながら言った。
「動揺してるのは誠の方なんじゃないの?」
私は少し強気に言った。
「…そうかもしれないな。俺だって不安で不安でどうしようもねーんだ。」
誠は弱音を吐く。
「私だって不安だよ!!でも…一人じゃ解決出来ないと思うの。たった一人じゃ
きっと何も出来ない!!」
224
:
愛歌
◆EFyjchDnb.
:2012/02/08(水) 14:37:35 HOST:proxyag103.docomo.ne.jp
本…
…私も母に頼んで家にある本全て(大体70くらい)持ってきてもらおうかな!
>燐兄貴
225
:
ピーチ
:2012/02/08(水) 23:10:00 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
お久〜>w<
最近pc禁止になったりしてあんまり見れなかったけどおもしろい!
226
:
燐
:2012/02/09(木) 08:07:46 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
「何も出来ない…か。たしかに一人じゃ何も出来ないし、何も変わらない。
でもそれは人間一人一人として同じ事だ。でも一人が二人になってみたら
人手が増えて何か変わるかもしれない。」
誠はズボンのポケットに手を突っ込みながら言った。
「誠は…それで何か変わった?」
「ああ。変わったさ。昔の過去に囚われず今を生きよう。って思えたんだ。
それに半年前だって、お前に出会えたから今の俺が在ると思う。
きっとお前に出会ってなかったら今の俺は死んでたかもな。」
誠は少し鼻で笑いながら言った。
「それ…全く私の同じ事言ってない?」
私は少し誠を睨む。
「言ってない言ってない。気のせいだ。」
誠はニコニコ笑顔で言う。
「今誤魔化したでしょ?」
私はすぐさま指摘する。
「誤魔化してないよ。気のせい気のせい。」
「…分かった。その事は聞かなかった事にしておくね。」
私は笑みを浮かべて笑った。
227
:
燐
:2012/02/09(木) 08:17:34 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
でもその時の誠の笑顔に違和感を覚えた。
妙な胸騒ぎが頭の中を過る。
いつもと変わらない笑顔だけど何処か違う。
言葉に表すなら“不穏”な笑み。
「どうした夜那?」
誠が横から私の顔を覗き込む。
「ううん。何でもない。」
私はいつもと変わらない笑顔を誠に見せた。
「よし。何か作るか。」
誠は背伸びしながら言った。
「何かって?」
228
:
燐
:2012/02/10(金) 18:36:46 HOST:zaq7a66c464.zaq.ne.jp
「旨いもん。夜那の好きなもんにする。何がいい?」
誠は嬉しそうににんまりした。
「何でもいいよ。油系以外は…。でも焼肉は好きかな。」
私は暢気な声で呟く。
「焼肉!?お前肉なんて食べるのかよ。ほっそりしてんのに…。
肉なんて食べたら太るぞ。」
誠は笑いながら言った。
「うん。だってお肉美味しいんだよ?」
こう見えても私はかなりの肉好きだ。
豚肉と牛肉はもちろんの事、鶏肉、ラム肉も食べられる。
誠が海外から帰って来る2週間前に、家でお肉パーティーをしたからだ。
それ以来、肉好きになってしまった。
「夜那が肉好きだったなんてな。新たな一面発見だな。」
「そう言う誠はお肉食べるの?」
私は首を傾げる。
229
:
燐
:2012/02/10(金) 18:55:11 HOST:zaq7a66c464.zaq.ne.jp
「いや…俺は肉系は食べられないんだ。昔から。母さんも油がのってる
肉は身体に毒とか何とか言うから食べない。」
「…それって自分の身体を気遣ってるって事なんだよね。」
私はポツリと呟いた。
「気遣ってる?何で?」
誠は私の髪を触りながら呟く。
「だって昔からなんでしょ?その時、まだ心臓が悪かったんでしょ?
それって自分が自分の身体を守ろうとしているのと同じだよ。
必死に生きたいって言う気持ちが伝わってくるよ。私にも。」
私は目を瞑って両手を胸元にあてて深呼吸して言った。
誠は黙っている。
「それに生きるって事が全てじゃない。生きたかったら生きればいい。
死にたかったら死ねばいい。それは自分自身が決める事。
人に意見に着いて行くのも自分自身が決める事。他人が決める事じゃない。
全て自分で決める事なんだよ!!」
私の言葉が深く心に響いたのか、私の肩に顔を埋める。
230
:
燐
:2012/02/10(金) 19:12:36 HOST:zaq7a66c464.zaq.ne.jp
「…俺さ…今でも実の両親が憎い…。憎くて憎くてたまらない…。
そーゆう時ってさどうすればいいのか分からないんだ。」
誠は涙声になりながら言った。
「じゃ今から神社に行こう。」
私は何気に言った。
「何で神社なんだよ…。」
誠は呆れながらも笑いながら言った。
「神社に行くときっといい事があるよ。さ、行こっ!」
私ははりきりながら誠の腕を引っ張る。
「このままで行くのかよ。せめてさ何か羽織って行こうぜ。外寒いし。」
誠はそう言うと私の部屋を出て行った。
誠の言うとおり、外は極寒。
冬並みの寒さ。
231
:
燐
:2012/02/10(金) 19:26:24 HOST:zaq7a66c464.zaq.ne.jp
たしかに寒そうだし…。
と言うか今、何時だろう…。
西の空に日が照ってるから、もう夕方なのかな…。
私は不意に思った。
誠に‘神社に行くときっといい事があるよ’なんて言っちゃったけど…。
自分の真意はノープラン。
唐突に出たから、後先の事が心配になってきた。
私…本当に何考えてるんだろ…。
後先の事何も考えないで誠にあんな事言って…。
はぁ……。
このため息は心配?
それとも不安?
…きっと答えはどちらも同じ。
変わらない。
232
:
燐
:2012/02/10(金) 19:52:38 HOST:zaq7a66c464.zaq.ne.jp
そんな事を思っていると背後から‘夜那’と呼ばれた。
その声に反応して私はすぐ振り返る。
ドアの所でカーキ色のパーカーを着た誠が腕組みしながら立っていた。
誠の首元には去年私がクリスマスにあげたマフラーが巻かれていた。
「お前服1枚で寒くないのかよ。」
誠は不機嫌そうに言う。
「大丈夫だよ。と言うか服1枚じゃないよ。3枚だよ!下着合わせて3枚!」
私は笑みを浮かべて言った。
「…大胆且つ素直だな。夜那は。」
誠はそう言うと私に近づき、私の右手を握り締める。
「そ、そんな事ないよ…。」
私は頬を赤らめて誠に背を向ける。
233
:
燐
:2012/02/10(金) 20:05:19 HOST:zaq7a66c464.zaq.ne.jp
「お前は…俺が好きか?」
誠は弱々しい声で私の耳元で囁く。
「…好きだよ。でも何でそんな事訊くの?」
私は小さく深呼吸をして呟く。
「……。」
誠は黙り込んだ。
「今のは聞かなかった事にするね。さ、神社に行こっ!」
私は誠の腕を引っ張って自分の部屋を後にした。
234
:
燐
:2012/02/10(金) 20:56:09 HOST:zaq7a66c464.zaq.ne.jp
階段を下りてリビングに寄ると、誠のお母さんがソファで寛いでいた。
誠のお母さんは私達の存在に気づいたのか傍まで駆け寄ってきてくれた。
「あら。こんな時間にお出かけ?何処行くの?」
誠のお母さんは微笑みながら言う。
「はい。神社に行って来ようと思います。少し確認したい事があるので。」
私は少し緊張しながら言った。
「そう。でももう夕方よ?明日にしたら?」
「いえ。今から行って来ます。」
235
:
燐
:2012/02/11(土) 16:30:36 HOST:zaq3dc00699.zaq.ne.jp
私は誠のお母さんに軽く頭を下げ、誠の手を引き、玄関に向かった。
「何か強引でごめん…。でもどうしても確認したい事があるの。」
「確認?神社に行って何の確認だよ…。」
誠は納得のいかない顔をしていた。
「少しね。でも大した事じゃないから安心して。」
私は笑顔でスニーカーを履く。
「大した事じゃないからって夜那の事が一番心配だ。
何かあったらどうすんだよ。」
「何かあるって…考えすぎだよ。誠って極度の心配性なんだね。」
私は笑いながら言うが、誠は悲しげな表情をしていた。
「心配するのは当たり前だ!!何かあってからじゃ遅いんだ!!」
誠は真剣な表情で私に言う。
236
:
燐
:2012/02/11(土) 16:43:00 HOST:zaq3dc00699.zaq.ne.jp
でも私は不意に悟った。
明らかに誠には裏がある。
表であんな事を言っていても不意に思ってしまう。
その言葉は私を安心させる為の偽りの言葉なんじゃないかって。
そう思うだけで辻褄が合うような気がする。
そうやって脅えている自分が居た。
237
:
燐
:2012/02/11(土) 18:49:33 HOST:zaq3dc00699.zaq.ne.jp
「…分かりました。」
私は渋々言った。
言い返せないなんて何て情けないんだろ…。
私って何処まで弱い人間なんだろう…。
そんな事を思いながら誠と共に家を飛び出した。
家を飛び出して私と誠は手を繋いで神社に向かった。
神社に向かう途中、私はふと空を見上げていた。
空はほんのり茜色に染まっていた。
茜色と言うより緋色に近かった。
「綺麗…。」
空を見ているだけで悲しい事も全て忘れてしまいそうな気がした。
「…さっきはごめん。」
誠の言葉に私は唾をゴクリと呑み込んだ。
「俺…いつの間にかムキになってて…。本当にごめん!!」
私の手を握っている誠の手が微かに震えていた。
「…もういいよ。そんな事で気にしてたらあっという間に人生終わっちゃうし。
やっぱ今生きている時間を楽しまなきゃね。」
238
:
燐
:2012/02/11(土) 20:13:53 HOST:zaq3dc00699.zaq.ne.jp
私は前方を見ながら言った。
「今…生きてる時間。」
「そう。今生きてる時間を大切に忘れないように自分の心の中に刻み続けるの。
自分が生きた証として。何時までも手に残るようにね。」
私は空を見上げながら言った。
「…失った幸せはもう元には戻らない。」
誠はポツリと呟いた。
「えっ?」
私は訊き返す。
「…何でもない。」
誠は落ち着いた口調で言った。
「あっ!着いたよ。」
私はいつの間にか神社の鳥居の目の前に来ていた。
239
:
燐
:2012/02/11(土) 20:20:26 HOST:zaq3dc00699.zaq.ne.jp
でも誠は何か考えているのか何も返事を返さない。
「誠?」
私が話しかけると、誠は我に返った。
「えっ?あっ…ごめん。聞いてなかった…。」
誠は一瞬狼狽した。
「着いたよ。神社。さ、早く行こっ?」
私が訊くと誠は小さく頷いた。
私は強引に誠の手を引き、神社の境内に足を踏み入れた。
240
:
燐
:2012/02/11(土) 20:27:23 HOST:zaq3dc00699.zaq.ne.jp
第5章 偽りと本心
私と誠は共に境内に足を踏み入れると、人が一人も居なかった。
「がらんどうだね…。」
私がそう言うと誠はやっぱ返事を返してくれなかった。
私と誠は境内の右側にある絵馬堂の所に向かった。
そこには私と誠、二人で書いた絵馬が一番上にかけられていた。
241
:
燐
:2012/02/11(土) 21:12:55 HOST:zaq3dc00699.zaq.ne.jp
そう言えば私…憐の葬式が終わった翌日の夕方に此処に来て誠と一緒に書いたんだっけ?
二人で一緒に此処で将来の事を誓ってさ…。
一緒に絵馬を書いたんだ…。
私は誠の手を握ってた手を離して、一番上にかけてある絵馬を手に取った。
そこにはマジックペンで“これからもずっと一緒に居られますように”と書かれていた。
でも私は分かってしまったんだ。
そう誓い合ったあの頃にはもう戻れないんだ…。って。
分かってしまったんだ。
そう思うだけで涙が溢れてくる。
絵馬に涙の雫が落ちて字が少し滲んだ。
「…夜那。」
背後に居る誠がふと呟く。
私は答えなくなくて何も言わない。
242
:
燐
:2012/02/11(土) 21:29:10 HOST:zaq3dc00699.zaq.ne.jp
「…ごめん。」
その言葉に私は唇を噛み締めた。
何に対してのごめん?
不安?それとも恐怖?
…そう思っても答えは見つからなかった。
「俺…今まで夜那に嘘吐いてた。」
儚いその言葉は私の心に突き刺さる。
「何の嘘?内容を言ってくれなきゃこっちも分からない。」
私は口を尖らせながら言った。
「…数え切れないほどの嘘を今まで吐いて来た。きっと今も…。」
誠の言葉に一瞬言葉を失いかけたが、どうしてか許す気になってしまう。
本当は許せなくて怒っているくせにどうして私は…。
「例えば?」
私は訊く。
243
:
燐
:2012/02/12(日) 14:09:15 HOST:zaq3dc00699.zaq.ne.jp
「…俺の身体の事とか…さ。」
誠は顔を曇らせながら言った。
「…っ。」
私は両手で絵馬を握り締めながらポタポタと絵馬に涙を零して行く。
「…でもまだ確定じゃない。再発するかもしれねーし、しないかもしれない。
有耶無耶でごめん…。」
「でもそんな可能性があるって事でしょ!!何で今の今までそんな事黙ってたの!!」
私は誠に問い詰める。
「言ったら夜那は何かしてくれた?対処してくれた?」
誠の冷たい眼差しが向けられ、私は何も言えなくなってしまった。
つくづく自分が情けなくなった。
「もう半年間ぐらい夜那を見てきたけど夜那にはがっかりした。
夜那は何も知らない方が良かったんだよ。俺の事も過去も何も知らない方が良かったんだ。
俺達…出会わなかった方が良かったのかな。出会ってなかったらこんな事にはならなかったのかもしれないのに…。」
誠は地面に蹲った。
244
:
燐
:2012/02/12(日) 14:26:18 HOST:zaq3dc00699.zaq.ne.jp
「そんな事ない…。誠は私を闇の中から救ってくれた。命の恩人じゃない。
最近の誠は何処か可笑しいのは薄々気づいてたけど…まだ親の呪縛から
抜け出せないのは、誠が抜け出したいってそう思わないからじゃないの!!」
私の声が神社内に響く。
「…そんなんじゃねー!!お前が分からないだけだ!!俺だってな…自分でも分かってるんだよ…。
何言ってんだろうって…。でもそう思っただけでアイツが俺の中に出てくるんだよ。
アイツが出てきてから俺は…自信を失くしてしまったんだろうな…。」
誠は両手で頭を抱えて泣きながら言った。
「アイツって?アイツって誰?」
私は誠に駆け寄って話しかける。
「アイツはアイツだよ!!俺の片割れだ!!」
誠は息を切らして怒鳴り声で言った。
片割れって…亮介の事?
でも亮介と誠は友達なんじゃないの?
245
:
燐
:2012/02/12(日) 15:15:15 HOST:zaq3dc00699.zaq.ne.jp
もし亮介が違うとすれば思い当たる人物は一人しか居なかった。
でもどうしてもその人物は私と深く関わっている気がしてならなかった。
根拠はないけど確かめる術はある。
「…もしかしてその片割れって…影の誠なんじゃないの?」
私が恐る恐る訊くと誠の身体が微かに震え始めた。
「もし誠の言う‘アイツ’が影の方の誠だとすれば全ての辻褄が合う気がする。
今までの出来事も全て“影”と言う存在が握っているだとすれば答えは一つしかない。」
「…真実を全て聞いて俺を解放させる事か?」
誠は地面から立ち上がって呟く。
「うん。私ずっと考えてたの。もしかしたら私達は今まで“影”と言う存在に
誘導されてたのかなって。今解決しなきゃきっとこの先もずっと影の存在に操られたままだと思う。
きっと私達二人なら解決出来る気がする。全ての真実も何もかも。」
私はそう言って誠の目の前に右手を差し出す。
246
:
燐
:2012/02/12(日) 15:38:29 HOST:zaq3dc00699.zaq.ne.jp
「Truthって英語で‘真実’って意味なんだぜ?」
誠は泣き笑いながら言った。
「そうなの!?でも何でいきなりそんな事を?」
「何となくだ。後、自由は‘Liberty'って言うんだぜ?」
誠は嬉しそうに言う。
「‘Liberty'?何かいい響きかも。」
「俺はその二つの言葉を信じて生きてきた。辛い過去があってもその二つの言葉を
信じて、生きて行くって決めたんだ。」
誠は優しく私の右手を握り締める。
「信じるは英語で‘believe'って言うんだよ!!」
私は笑みを浮かべて言った。
247
:
燐
:2012/02/12(日) 15:59:47 HOST:zaq3dc00699.zaq.ne.jp
「それぐらい知ってる。」
「そっか。」
私は言った。
他愛の無い会話だ。
「で、夜那に一つ聞きたい事があるんだけど。」
「ん?何?」
私は訊く。
「お前さ…アメリカ行ったら何するつもりだよ。」
「何するって…観光とか?」
私は呑気に言った。
「観光か…。呑気でいいなお前は。」
誠は呆れた顔をして言った。
「何で駄目なの?」
「駄目とか何も言ってねーけど。俺、アメリカに行ったら短大に行くつもりだ。
ま、三年ぐらいか。」
「短大?それって凄いの?」
短大の意味が分からない私は訊き返す。
「…お前全然分かってねーな。大学に行くって事は人一倍勉強しなきゃ行けねーんだ。
亮介も俺と同じ短大行くみてーだけどよ。お前はどうすんの?」
「どうするって…私には絶対無理だよ…。」
私はつい弱音を吐く。
248
:
燐
:2012/02/12(日) 16:16:34 HOST:zaq3dc00699.zaq.ne.jp
「でも、やってみたい事はちゃんとあるの。内緒だけど。」
私はそう言って左手に持っていた絵馬をまた絵馬堂の一番上にかける。
「やってみたい事?何だそれ。将来の夢的な?」
誠がそう言うと私は小さく頷いた。
「そう言えば誠の将来の夢って何?」
私は訊く。
「俺はギター奏者になりたいんだ。カッコイイしな。」
誠は嬉しそうに言った。
「そう言えばギターしたいって言ってたもんね。ギターかぁ…。
何かいいよね。楽器弾ける人って。憧れるし。」
249
:
燐
:2012/02/12(日) 16:28:55 HOST:zaq3dc00699.zaq.ne.jp
「てかさ、こんな話していいのかよ。辺り暗くなってきてるし。」
誠に言われ私は周りを見回した。
ほんのり空が黒く染まってきている。
「ホントだ。さ、早く家帰ろっ!」
「はいはい。」
誠は呆れ顔で、私と共に神社を後にした。
250
:
燐
:2012/02/12(日) 16:34:11 HOST:zaq3dc00699.zaq.ne.jp
コメします。
レス250行きましたがまだまだ終わりません。
まだ最後の問題が残ってるので・・・それが解決したら完結ですね^^
完結したら、蝶が舞う時…。の番外編があるのでそれを書き始めます。
番外編は長いですね・・・。←自分で言うほどでもないんですが・・。
とりあえずあの3人の話を書こうと思います。(変更アリ)
で、話逸れますが、新作の方のストーリーがちょくちょく出来上がってます。
新作の方も恋愛系なんですが…また切ない感じが加わります。
また2人の男女の物語ですが・・宜しくお願いします。
では、引き続きお楽しみくださいノシ
251
:
燐
:2012/02/13(月) 12:53:02 HOST:zaqdadc2a4d.zaq.ne.jp
神社を後にして家に帰る道を歩いていると誠は私の左頬を右手の人差し指で突いて来た。
「誠?」
私は横目で誠を見ながら呟く。
「…夜那にはたくさん救われたな。」
「えっ?」
私は立ち止まって横に振り向く。
「ん?どうした?」
誠は不思議そうな顔で私を見る。
「えっ…。ううん。何でもない。」
救われた?
そんな自覚が全くない私は少し戸惑った。
救われたより、助けたの方が自覚はあるけど…。
252
:
燐
:2012/02/13(月) 16:56:30 HOST:zaqdadc2a4d.zaq.ne.jp
うーん。
実際の所、どうなんだろう…。
私これまで誠を救う事が出来ただろうか。
何かほとんど中途半端で終わってる気がする…。
うぅ…。
何か物凄く威圧感を感じるよぉ…。
「夜那?」
誠の声に私は我に返る。
「あっごめん…。少し考え事してた。。」
私がそう言うと誠は笑顔で何かを渡してきた。
「これ聴いて見ろ。俺が死なずに済んだのはお前が居たからとこの曲のお陰なんだ。」
誠が差し出して来たのはiPodだった。
ipodを見るのは2回目。
前に見たのが2日前ぐらいだった。
たしかこれで粉雪を聴いたんだっけ?
今日も粉雪なのかな?
「今日も粉雪聴くの?」
私が聴くと誠は首を横に振る。
「今日は違う曲だ。俺に元気を与えてくれた曲だ。」
誠はそう言ってipodについているイヤホンの片方を私の耳につける。
253
:
燐
:2012/02/13(月) 17:21:11 HOST:zaqdadc2a4d.zaq.ne.jp
残ったもう片方のイヤホンは誠自身が耳につける。
数秒後…イヤホンから優しい歌声と音楽が聴こえてきた。
「いい音楽…。」
それしか言葉に出ない。
「だろ?どんなに辛い現実があってもこの曲を聴いてれば頑張れたんだ。
でも最近見つけた曲だけどな。」
誠は嬉しそうでその笑顔も本物だったのかもしれない。
あれ?
どうしてだろう…。
全然悲しくないのに涙が出てくるのは何故?
「これ…何て名前の曲なの?」
私は泣きながら誠に訊く。
「えっとな…いきものがかりの“歩いていこう”って曲だ。
てか、夜那も泣いてんだな。この曲ってさ…何か生きる意味を与えてくれるんだよな…。」
「そうだね。生きる大切さと未来へ進んで行く事を教えてくれてるみたいだよね。
何か道標みたい。」
私は泣き笑いながらまた歩き始めた。
254
:
燐
:2012/02/13(月) 18:13:34 HOST:zaqdadc2a4d.zaq.ne.jp
「道標か。たしかにそうかもな。」
誠は納得したような顔で言った。
「はい。」
私はイヤホンを外して誠に渡す。
「そのまま持っとけ。忘れないように。」
「忘れないように?何を?」
私が訊くと誠は答えてくれなかった。
255
:
燐
:2012/02/13(月) 18:48:23 HOST:zaqdadc2a4d.zaq.ne.jp
聞こえてなかったのかな?
そう思った私は誠に声をかけようとしたが、突如背後から声が聞こえて来た。
「おっ!夜那と誠じゃん!!」
その威勢のいい声に私と誠は振り向いた。
そこには亮介がビニール袋を片手に持って立っていた。
「何だよ亮介…。」
誠は不機嫌そうに言った。
「今、近くのコンビニでアイス買って来た所。美味いぞ!」
亮介は笑顔で言うと、袋からアイスの入った袋をビリッと破り、その場で食べ始める。
256
:
燐
:2012/02/13(月) 20:34:09 HOST:zaqdadc2a4d.zaq.ne.jp
「アイスなんて春に食べるものじゃないと思うよ?」
私はクスクスと笑いながら言った。
「明らかに季節外れだな。」
誠も笑いながら言った。
「お前ら!俺を見物にする気だろ!!」
亮介は口を尖らせて言った。
257
:
う
:2012/02/14(火) 12:53:56 HOST:zaqdadc2281.zaq.ne.jp
うわwww何これwww
へたくそ過ぎwwwwwwwww
258
:
燐
:2012/02/15(水) 07:26:47 HOST:zaqdb739ed3.zaq.ne.jp
257>>
へたくそですが何か?
259
:
名無しさん
:2012/02/15(水) 10:39:29 HOST:zaqdadc2281.zaq.ne.jp
へ
260
:
名無しさん
:2012/02/15(水) 10:39:40 HOST:zaqdadc2281.zaq.ne.jp
た
261
:
名無しさん
:2012/02/15(水) 10:39:57 HOST:zaqdadc2281.zaq.ne.jp
く
262
:
名無しさん
:2012/02/15(水) 10:40:10 HOST:zaqdadc2281.zaq.ne.jp
そ
263
:
ピーチ
:2012/02/16(木) 21:50:49 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
お久で〜す☆燐さ〜ん!
いきなり変な質問するけど、アメーバピグってやってる?
264
:
名無しさん
:2012/02/16(木) 23:01:37 HOST:wb92proxy04.ezweb.ne.jp
君がはいと言うならいいえと云おう
君が前にいくなら後ろに進もう
全く別の人間だから
相反する程でもなかろう
あったかいものを飲むなら冷たいものを飲もう
酒を飲むなら水を飲もう
265
:
燐
:2012/02/17(金) 09:37:31 HOST:zaqdb739e54.zaq.ne.jp
ピーチs>>やってない(-_-;)
お金かかるっぽいし…。
266
:
燐
:2012/02/17(金) 09:39:45 HOST:zaqdb739e54.zaq.ne.jp
お知らせ
この度、この小説は未完結と言う事で終了させてもらいます。
なのでもう書きません。
此処近々パソコン禁止令が出るかもしれないんで…。
なのでもう此処には来ません。
私を応援してくださった皆様、アドバイス・感想をくれた皆様、
今までありがとうございました!!
何時か来るかもしれませんが・・その時はまた。
ではさようならm(__)m
267
:
ピーチ
:2012/02/17(金) 22:54:04 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
燐さん辞めないで〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!
隣さんの小説、ちょー楽しみにしてるんだよぉ・・・
辞めないで〜〜〜!!!
268
:
名無しさん
:2012/02/18(土) 00:47:54 HOST:wb92proxy16.ezweb.ne.jp
なんだこれww
269
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/18(土) 15:00:06 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
ねここは燐の小説おもしろくて大好きだったし
コメントだってとっても嬉しかったよ
だから燐がいなくなるっていうのは寂しいです
できることならもっと小説書いてほしいな
燐が決めることだからねここはやめないでとか言えないけど
いつでもいいから暇なとき絡んでほしいな(´・ω・`)
もし燐が心変わりしたらそのときはまたよろしくね!
今まで仲良くしてくれてありがとう、お疲れ様でした
戻ってきてくれるの、待ってるよ!v
270
:
燐
:2012/02/18(土) 17:04:18 HOST:zaqdb739e54.zaq.ne.jp
こnです。
少し空き時間が出来たので来て見ました。
この度、小説を再開させてもらいます。
と言っても楽しみにしてる人達は居ないと思いますが…。
一日で再開させてもらうとか、調子乗ってるとか思ってますよね。
でもそれでも構いませんよ。
何言われてもスルーするのでw
後、この小説を完結させたらもう書かないと思います。
あんまり書いたら迷惑だと思うので…。
新作の方ももう書きません。
なので最後までお付き合いください。
では。
271
:
ピーチ
:2012/02/18(土) 17:14:43 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
燐さ〜ん!
「蝶が舞うとき」再開させる?
楽しみにしてるよ!
272
:
燐
:2012/02/18(土) 17:16:07 HOST:zaqdb739e54.zaq.ne.jp
ピーチ>>…うん。
一応…ね。
273
:
燐
:2012/02/18(土) 17:19:06 HOST:zaqdb739e54.zaq.ne.jp
「そんな訳ないじゃない。何ムキになってるの?」
私はクスクス笑う。
「だってそうじゃねーか。どーせお前らなんかに俺の気持ちなんて分かるかよ。」
亮介はそう言うとまたアイスの袋をビリビリと破き、二本目を口にする。
「行こうぜ夜那。」
誠がそう言うと私は亮介をその場に置いて歩き出した。
274
:
ねここ
◆WuiwlRRul.
:2012/02/18(土) 19:02:18 HOST:w0109-49-133-128-18.uqwimax.jp
よかった、燐が心変わりしてくれて(´・ω・`)
何か言われても気にしないで燐なりにがんばれ!
でもでも、何かあったら相談乗るからねv
迷惑なんかじゃないから、この小説がおわってもまた新作を書き続けてほしいとは思うけど
それは燐が決めることなので結局口出しできないよー(´・ω・`)
まあ一つの意見というか希望としていうなら
書き続けてほしいなあ
がんばってね!
275
:
ピーチ
:2012/02/18(土) 19:06:16 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
ねここさんの意見(希望?)に賛成〜!
「道化師と仮面」の方も最初から全部読んだよ〜^0^
いやだったら無理には言わないけど・・・あたしとしては
続けて欲しいな・・・って感じだよ>M<
276
:
燐
:2012/02/18(土) 19:14:04 HOST:zaqdb739e54.zaq.ne.jp
ねここ>>おお!!ありがとう!!
新作は考えておきますノシ
ありがとう!!!
ピーチ>>道化師ryなぁ〜w
完結するかどうか心配やけど頑張るわあw
277
:
ピーチ
:2012/02/18(土) 22:37:20 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
やったー>w<
頑張ってね!!!!!!
姉ちゃんもその内更新するって言ってたから見てみてね〜!
278
:
燐
:2012/02/19(日) 19:52:39 HOST:zaqdb739e54.zaq.ne.jp
ピーチ>>そんなに喜ぶ事なんか?
駄作やで?
しかも更新率低めやで?
ま・・エエわ・・。
279
:
ピーチ
:2012/02/20(月) 16:44:49 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
隣さん>>
え?駄作?
あんなにおもしろいのに?
まーいーや、おもしろいからww
280
:
綾那(*/杏里
:2012/02/20(月) 19:11:50 HOST:110-133-160-47.rev.home.ne.jp
燐さん>
私の小説を読んで頂、有り難うございます!
最初から読ませて貰いますっ`∀´
281
:
燐
:2012/02/20(月) 19:22:13 HOST:zaqdb739e54.zaq.ne.jp
ピーチ>>うんw
だっておもっきり駄作やんw
綾那>>はろはろ♪
最初は此処ではありませんよ。
第1期から読んだ方が内容も分かるかと。。
でも第1期は物凄く駄作なので気をつけてくださいませ。
282
:
ピーチ
:2012/02/20(月) 21:32:30 HOST:i118-18-136-9.s11.a046.ap.plala.or.jp
え・・・思いっきり!?
でもさー、道化師以外にも何か新作考えてるの?
283
:
燐
:2012/02/21(火) 18:00:12 HOST:zaq77195e19.zaq.ne.jp
ピーチ>>…うん。
ま、一応だけど…。
284
:
燐
:2012/02/22(水) 16:08:47 HOST:zaq77195e19.zaq.ne.jp
お知らせ
「蝶が舞う時…。」第3期ですが・・・。
まだ終わらないと思います。
番外編も含めてですけど・・・。
それと、更新率が極端に遅くなりそうです。
週1ぐらいしか更新出来ませんが・・それでもいいなんていう人は見てくださいねノシ
では。
285
:
名無しさん
:2012/02/23(木) 18:20:33 HOST:zaqdadc2281.zaq.ne.jp
こんにちは
燐さんの小説を拝読しました。
生意気ですがアドバイスをします。
まず、もう少し視点を定めた方がいいと思います。
読んでいてすごく違和感です。
あと、誰かが発言する度に
「〜は言った」や「〜で言った」などを使い過ぎです。
最後に、無理に難しい言葉を使わなくてもいいんじゃないでしょうか。
失礼しました。
286
:
燐
:2012/03/10(土) 20:10:07 HOST:zaqdadc28cc.zaq.ne.jp
※お知らせ※
この度は私の小説に足を運んで頂き誠にありがとうございます。
この掲示板で7ヵ月ぐらい、小説を書き続けてましたが、この度此処を辞める事に致しました。
理由は様々あるんですが…あえて言いません。
なので、この小説も未完結という事にさせていただきますm(__)m
本当にすみませんm(__)m
たまに此処に来て他の人達の小説を見に来たりはします。
なので、小説を書く事だけは辞めさせて頂きます。
私の小説にアドバイスしてくれた皆様、感想を書いてくれた皆様、
本当にありがとうございます!!!
今まで、小説を何個も掛け持ちしてきましたが、掛け持ちしてきた小説も未完結とさせて頂きます。
本当にすみませんでした!!
では、私はこれで。
さようなら。
287
:
名無しさん
:2012/03/10(土) 22:01:31 HOST:wb92proxy07.ezweb.ne.jp
もうじき春ですよ。頑張りましょう。
288
:
月波煌夜
:2012/03/18(日) 18:18:06 HOST:proxy10036.docomo.ne.jp
こんにちは!
先日は月波の小説……と呼べるのかも分からない駄作にコメントしてくださり、有難う御座いました(≧∀≦)
1から読ませていただいたのですが……
文章力高ッッ!
と唖然としました……。
魅力的なキャラが一杯で、気持ちがひしひしと伝わってきます(゚Д゚)
是非続き読みたいです……。気になります……。
私ごときが口出しできることでは無いと思うのですが、個人的には再開してくだされば凄く嬉しいなーと思います。
駄作に引き続き駄文ですみませんww
ではでは。
289
:
燐
:2012/03/18(日) 18:28:43 HOST:zaqdb739ec8.zaq.ne.jp
かぐやs>>こちらは第3期なので、第1期から読んで見てください。
第1期はこれよりもっと酷いです^^;
でも、読んで頂きありがとうございます!
290
:
月波煌夜
:2012/03/18(日) 20:57:05 HOST:proxy10077.docomo.ne.jp
>>289
ですよねー(>_<)
でも今までのお話を知らなくてもあんまり違和感なく読めましたよ!
よろしければ一期の作品名を教えていただけますか?
探します!
291
:
燐
:2012/03/18(日) 21:16:29 HOST:zaqdb739ec8.zaq.ne.jp
かぐやs>
そのままですよ。
永遠がないだけです。
292
:
麻琴
:2012/04/22(日) 00:12:22 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
憐さん!!ここ、終わって結構立ってますけど、言います。小説、辞めないで下さい。「ホワイトレザーソール」を読んで、この話も読んで、とっても上手だと思いました。どの話も辞めないで、続けてくれませんか?あなたの小説、素敵です。もっいないし、何より読めないことがとても悲しいです。憐さん本人が決めたことだから仕方ないかもしれない。でも私は続けて欲しい。それだけです。いいお返事、お待ちしております。それまで、忙しくても毎日ここを覗きます。どうか、再開してくれますように。 青木麻琴
293
:
燐
:2012/04/28(土) 13:30:15 HOST:zaq7a66fe3c.zaq.ne.jp
麻琴s>>返信遅くなって済みませんm(__)m
今は短編小説を書いてますが…見事にスランプ状態です。
この小説も未完結で終了したって書いてましたよ?
気分が乗れば再開するかもですが、気分が乗らない限り、再開は厳しいです。
正直、此処を続けたかったんですが…。
中傷になる事を言われたり、家の事情もあったり…何やかんやで物凄く大変でした。
でも『素敵』とか『上手』とかの一言で少し肩の重みが取れた気がします。
こんな情けない私にコメントをくださってありがとうございます。
でも麻琴さんがそんな事を言ってくれるのなら、少し考えて見ます。
でも、前のレスにもう書きませんって書いてしまったので書かないかもしれませんが…。
後、名前間違ってますよ(笑)
294
:
聖奈
:2012/04/28(土) 13:34:52 HOST:p248.net220148011.tnc.ne.jp
入れてッチョ
聖奈です
295
:
燐
:2012/04/28(土) 13:45:13 HOST:zaq7a66fe3c.zaq.ne.jp
暇な時間に少しだけ特典を書きます。
エピソードだと思って読んでください。
※意味不明な言葉が出て来るかもです。
episode. 1 (特典no,1)
『永遠』なんてあるのかな…。
『永久』なんてあるのかな…。
私はふと空を見上げる。
―俺はあると思うぞ―
誰かがそう言った。
―私は正直、分からない―
私はそう答える。
心で思ってもない事をふと告げるって…。
“心”がない人形と同じだ。
―馬鹿って、お前の為に作られた言葉みてぇ―
貴方はそう言った。
でも私は何も答える事が出来なくて・・・ただ俯いていた。
296
:
燐
:2012/04/30(月) 10:08:53 HOST:zaq7a66fe3c.zaq.ne.jp
―私はどうせ、馬鹿ですよ―
少し涙声になってた言葉。
そう言うと、貴方は笑った。
私もそれにつられて笑った。
楽しかったあの頃ももう戻って来ない―――…。
貴方は今はもうお空の向こうに行ってしまったんだから…。
297
:
名無しさん
:2012/05/02(水) 18:30:29 HOST:zaqdadc2281.zaq.ne.jp
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
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