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僕のアメリカ生活
4
:
ゴミ
:2011/12/17(土) 01:22:22 HOST:p6786fe.hkidnt01.ap.so-net.ne.jp
「気分が悪い、図書室にでもいかないか」
休み時間になって、アルがそう誘ってきた。こっちでは初めての友達だ。
「嗚呼」僕はそう言い、アルと図書室へ向かった。
「僕はいじめられてる、それは何故か?ギークだからさ」
全く誰もいない図書室だった。なぜかしらないがアルは語りだす。
「ギークだからって、僕の何が悪いって言うんだ!」
「そうだ、僕は悪くないさ、あいつらがいっつもいっつも...」
アルはガンッ、と本棚を蹴る。すると上から数冊の本が落ちてきて、アルの頭にあたった。
僕はそれが原因じゃないのか、と思いながらも「大丈夫?」と手を差し出した。
「僕に手なんか貸さないでくれ、僕は一人でできる」
僕の手を振り払ったアルは、自分で立ち上がろうとよろめいた。その瞬間、もう一冊上から落ちてきた。
アルはまた倒れる。
「アル、キミって本当にアメリカ人?」
「フランス人さ。よくわかったね、そうさ、僕はあんなやつらとは全く違う!」
僕が手を差し伸べると、今度はしばらく僕の手を見つめてから嫌そうに手を借りて立ち上がった。
アルはよくまあここまで、と言っていいほどのフランス人の【悪いところ】だけを集めたような性格だった。
「ただ僕が授業中によく立つくらいで...」図書室は嫌になったのか、廊下に出たアルを追って僕も出て行く。
「そうだアル、キミってギークなんだっけ?」
「あぁ、根っからのね、日本ではオタクっていうんだろ?」
「まあそんな感じかな」
「僕は君が来たとき運命を感じたよ、だって日本人だよ?アニメが沢山あるじゃないか」
「まあ僕はギークじゃないから知らないけどね」
アルはもったいない、と隣でわめいていたがそんなのは気にしなかった。
「外も見てみたい」と僕は言うと、アルが「案内する」と学校の校庭に連れて行ってくれた。
二人でそこにあるベンチに座って休憩していると、「おい」と上から声がしたので見上げてみた。
そこには数人の強そうな男たちと、やけに体格が良いボスのような男が立っていた。
5
:
ゴミ
:2011/12/17(土) 01:22:33 HOST:p6786fe.hkidnt01.ap.so-net.ne.jp
「何ですか」
僕は自分の中ではよくやった、と栄誉賞をあげたいくらいの勇気をふりしぼって言った言葉だった。
声が震えているのはまあ仕方ない事として。
「お前、朝の日本人だろ。そんな奴と一緒にいたらお前もいじめるぜ」
「そんな奴だって!?」
面倒くさいことに、アルはキレたらしい。思わず立ち上がった。
「あぁ?うるせえよ!」
「ジョーンズ。僕は日ごろから思っていたけどね、キミのその髪色!
ピンクを少しいれるなんてどうかと思うぜ、ダッサいったらないや!」
何だかしらないがアルは威勢だけは良いようだった。...悪い意味で。
「ふざけんじゃねーぞ!」
バコッ、と鈍い音がした、僕は思わず目をそらす。「次刃向ったら半殺しだからな」ジョーンズたちは去って行った。
僕がゆっくり目を開くと、アルは倒れていた。「ア...」僕が声をかけようとすると、
「やだ、どういうことよコレ!」という甲高い声が聞こえてくる。
赤毛のロングの女の子が走ってきて、アルを見て「あーあ…」と呟いた。
「あの、さっきジョーンズ達に絡まれて」馴れ馴れしくジョーンズと呼んだが、彼らはいないし良いだろう。
「ひどいわね、保健室に...あら、貴方見かけない顔だけど」
「あ、今日転入してきた礼人、っていいます」
「そう、私はベラ・アーロン。亜細亜人?」
「はい、日本人です」
「そうなの、私はイギリス人なのよ、留学中。貴方も?」
「いえ、家の都合で...」
「さっさと僕を保健室に運んでくれないか」
アルが起き上がって言う。「あらごめんなさい、立ち上がるくらい元気じゃないの」
「あれ、キミはいじめられてる子じゃないか」アルがキョトンとして言う。
「失礼ね!私にはベラ・アーロンという名前があるのよ、それに貴方だってギークだしいじめられてるでしょ!」
「ギークは関係ないだろ、これだからイギリス人は...まあ君はイギリス人にしては良い歯並びだね」
「イギリス人を馬鹿にしてるのね!?変人なフランス人さんは友達もいないくせに!」
「僕には礼人がいる、君はどうだ、いるのか!?」
僕は「あの」と割って入った。
「そろそろ教室に戻った方が良いかと」
「全く、ベラ・アーロンもジョーンズもロクでもないやつだ!」
「ベラさんは学校で有名なの?」
「嗚呼、Eクラスの連中にいじめられてる、いや、全校生徒からね」
「なんだ、隣のクラスか」
「顔も合わせたくない!」
僕は笑うとさっきのピンク色の...ジョーンズがこちらに向かってズンズン歩いてきた。
僕たちは危険を察し、急いで教室に飛び込む。
だがそれも間違いだった。教室の連中は皆いじめっ子だったのを忘れていた。
「おい、そこのジャップとギーク」
この時、もう全力で土下座をするしかないと思った。
ジョーンズさん、さっきはごめんなさい!と。
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