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79
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2012/08/11(土) 20:01:31 HOST:p4147-ipbfp1503osakakita.osaka.ocn.ne.jp
透明感のある、聞いていてとても心地の良い声だった。
太ももまである長く綺麗な黒髪をなびかせ、口元を扇子で隠しているという、典型的なお嬢様スタイルの少女。
彼女こそが、中間試験で神山、神乃院と一緒だったチームメイト。
神山翔一が苦手な女性第二号である、雪路冬姫(ゆきじ ふゆひめ)。
彼女はこちらへと近づいてくると、真っ直ぐに神乃院を見据えて、
「まったく、場を弁えてほしいものですわ。こんなに大勢の生徒がいらっしゃる中で、貴女は人目もはばからずにきゃーきゃー騒いで。猿か何かですの?」
雪路の言葉に、神乃院の怒りのパラメーターはマックスポイントを振り切った。
数値で表すなら、一二〇飛んで一五〇はいっているだろう。言葉で表すなら『超ヤバイ』だ。
「……アンタは、何回言えば分かるのよ! 私を『お市ちゃん』って呼ぶなって言ってるでしょ!」
「あらあら、会長様や副会長様やご友人は良いのに、何故私だけダメなのですか?」
「アンタの言い方は私に対しての嘲笑が混じってる気がするのよ! いや、気がするじゃない、完全に嘲笑が混じってる!」
「あら嫌ですわ。差別の次は被害妄想ですの? 思考があっちこっちに飛んで愉快ですこと」
「あー、腹立つ! 大体、アンタに品格がどうとか言われたくないっての! 自分がどんだけ品格良いと思ってるワケ?」
「決してそんな事は思っておりませんわ。ただ、一般女性としての品格を身につけてほしい、という心遣いですわ」
ぎゃあぎゃあと女同士の争いが繰り広げられている。
その丁度間に神山がいるのだが、女性二人は気付いていない。そもそも、雪路に至ってはそこに神山がいることにも気付いていないだろう。
二人の争いの中心に立っている神山が遂に限界を迎えたのか、彼は『うぎゃー』と叫びながら勢いよく立ち上がる。
「うっせぇよ! 中間試験と同じように俺を挟んで喧嘩すんじゃねぇ! するならせめて場所変えて! 俺を挟まないで!」
そう言われ神山の存在に気付いたのか、雪路は目を僅かに見開き『あら』と声を漏らし、
「あらあら、神山さんじゃありませんの。お元気でした? そちらの方は、神山さんのご友人ですわね」
雪路は藤村と霧野の存在にも気付いたのか、二人に笑みを見せながら自己紹介していく。
二人に紹介が終わると、一転して鋭い目つきをし、神乃院をキッと睨みつける。
「確かに、神山さんの言うとおりですわ。ここでは迷惑がかかりますし、場所を変えましょう、お市ちゃん」
「だ・か・ら! アンタだけは『お市ちゃん』って呼ぶなっつの! この似非お嬢様!」
「ッ! え、似非ですってぇ!? 聞き捨てなりませんわよ、その言葉は! ……け、決闘ですわ! 今日こそ雌雄を決して差し上げます!」
「ハンッ! 大体望むところよ! 私こそアンタに引導を渡してあげるわよ!」
「あらあら。別に無理して難しい言葉を使わなくてもよろしくてよ? 貴女の脳年齢が一〇〇歳を超えてることはわたくし、存じておりますので」
「誰がだこの野郎! 今日こそ徹底的にアンタを叩きのめしてやるわ!」
二人は罵声と怒号を浴びせあいながら食堂から姿を消していった。いつの間にか、真田紫の姿も消えている。
去っていく神乃院と雪路を見ながら霧野は、
「……神山くんの友達ってさ、ユニークだよね」
「……友達じゃねぇ、知り合いだ……!」
二人のせいで体力が大幅に削られたのか、神山にしては珍しく気の抜けた返事だった。
そして、今日のことは藤村達の今後に大きく関わっていく事になる。
生徒会長の工藤政宗、副会長の真田紫、会計の明智創一、書記の那月忠勝、庶務の神乃院市。戦場原学園の生徒会メンバー五人に、一日で会えるなんて早々無い事だろう。
そして、藤村も霧野も神山も同じく感じていることがあった。
生徒会の面々との関わりが、これから巻き起こる事件に自分達も関わっていく事になることを。
―――三人は知っていながらも続く日常の中、その『事件』に遠くない未来巻き込まれていく事になる。
―――To be next stage...enemies,Tsurugihama high school.
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