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:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2012/08/11(土) 15:45:39 HOST:p4147-ipbfp1503osakakita.osaka.ocn.ne.jp
流生と知り合っていた、と知ったからか、那月の表情に先程までの凶暴さは消え、眉間にしわがあるものの、少し和らいでいる。
その那月を見て、明智もほっと安堵の息を漏らす。
藤村幽鬼と那月忠勝。
なんとも異色の組み合わせだなぁ、と二つ分の定食を平らげ、静かにお茶を飲んでいる真田は心の中でそう呟く
「……そうか、お前も姉貴と同じ降霊術者か……。アイツ、強いだろ」
那月の言葉に藤村は頷く。
姉を『アイツ』呼ばわりするのは、ここに本人がいないからか。もしくは普段は嫌っているのか。嫌っているのなら『アイツ』と呼ぶのも納得できなくは無い。
「俺を含めた生徒会メンバーは割りと『ウェポン』で世話になってるんだよ。副会長の武器も、創一の武器も、『ウェポン』で手に入れた」
「ってことは、流生さんは意外と先輩達に協力的なんですね」
藤村の言葉の後に、明智がすかさず言葉を返す。
「そりゃそうさ。なんたって弟がいるんだからね。協力したいってのが、姉としての本心じゃないのかな」
ふーん、と藤村は軽く返事を返す。
姉もいなければ兄もいない藤村にはよく分からないが、流生は困っていれば名前が知らない人でも手を差し伸べてしまいそうだ。現に名前を知った相手の修行の師匠を請け負うくらいだ。器が大きいのか、それとも何も考えてないだけか。あの人は本当に掴みどころがない。
流生の話をしていたからか、真田は思い出したように口を開く。
「……あっ、そういえば最近流生さんに会ってないわね。無事三年生に進級できましたーって言いに行こうかしら」
「僕も挨拶しようと思ってたところですよ。紫先輩、今日の放課後一緒に行きます?」
真田の言葉に乗っかるように明智が言う。
すると、この場にはいない人物の声が、藤村達の耳に届いた。
「じゃあ俺も行こうかな」
初めて聞いた声じゃない。
声に心当たりのある藤村と、もしかしてと思う霧野はほぼ同時に振り返った。
そこにいたのは、この学園の全生徒の頂点に君臨する、生徒会会長の腕章をつけた男、
工藤政宗だ。
藤村と霧野の顔が一気に警戒するような表情に変わる。
工藤はそれを見抜いているのか、笑みを崩さないまま二人を見つめている。その三人の見つめあいに場の空気は緊迫し、神山も那月も明智も言葉を発さなかった。
そう、真田紫以外は―――。
「敵キャラみたいな登場はやめなさい、政宗くん。皆緊張してるじゃない」
「ああ、紫ちゃん。いたんだ。相変わらず君はよく食べるね。そんだけ食べて太らないのは何かの魔法かい?」
「馬鹿にしてる?」
「滅相もない」
会長と副会長の会話は日常的なものだが、二人にしか分からないものがあるのだろう、それが分からない藤村達には、二人の『日常』を捉える事が出来ない。
適当な日常会話を終わらせた工藤は、藤村と霧野の頭に手を乗せる。まるで、自分の子供を自慢するような口調で、真田達生徒会メンバーに話しかけた。
「紹介するよ。この二人がこの前俺が言っていた注目する一年生の藤村幽鬼くんと霧野七瀬さん。……本当はもう一人いるんだけど……今はいないみたいだね」
工藤が中間試験以降藤村達を注目しているのは知っていた。
つまり、彼が言う『もう一人』とは恐らく篠崎唯のことだ。
「しかし、君はもう流生さんとも知り合ったか。俺は彼女の一番弟子だから、経験談を言わせてもらうと……あの人、弟子には相当甘いよ」
参考になるのかならないのか、よく分からない経験談だった。
まあ確かに、優しそうで厳しそうにない人だから、大体の予想はついていた。
「さーて、俺はちょっと仕事があるから生徒会室に戻るよ。じゃあね、紫ちゃん、創一くん、忠勝くん。また放課後」
工藤は手を振って去っていく。
それを見た那月と明智は、次の授業が移動教室だったのを思い出し、二人も食堂から姿を消した。
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