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69
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2012/06/30(土) 22:26:29 HOST:p4147-ipbfp1503osakakita.osaka.ocn.ne.jp
藤村幽鬼と那月流生の戦いを、ただ傍観している狩矢と桃音。
狩矢は腕を組みながら二人を眺めていた。やがた、視線を落として自分の隣で二人を見つめている桃音に話をかける。
「……桜っち。どう思う?」
桃音から言葉は返ってこない。
だが、言葉の代わりと言わんばかりに狩矢の脳内に、直接桃音の声が返ってきた。
彼女お得意の、テレパシーというやつだ。
『……どう思う、とは?』
「だから、桜っちは戦況がどうなると思う? やっぱ、幽鬼があっさり負けちまうか。それとも、それなりに奮闘して負けるか」
狩矢の質問に、桃音は考え込む。
柄にもなく、顎に手を添えて。
どんな質問でもすぐに答えを出せるように、瞬時に複数の回答を割り出す彼女だが、今回の質問では珍しく口を閉ざす時間が長かった。
やがて、彼女は狩矢と同じように腕を組み、答えを出した。
『……貴方の、選択肢には無いんですね』
答えにならないような解答。
その答えに狩矢が首を傾げていると、桃音が補足するように再びテレパシーを使用する。
『……貴方の選択肢には、『藤村幽鬼が勝つ』という選択肢がないのですか?』
意外だったのか、狩矢は僅かに目を見開いた。
桃音は続ける。
『私自身も、彼が流生さんに敵うとは思いません。精々いったとしても、半径五メートルに入る程度でしょう。ですが、初めから『負ける』という選択肢しか用意しないのは、納得がいきません。こと戦いにおいては、何が起こるか分からない。力量だけで勝敗が確定してしまうのなら、競馬やギャンブルなど、ただ勝つためのお遊戯に成り下がりますし』
淡々と話す桃音に、狩矢はかなり驚いていた。
いつも必要最低限のことしか言わない彼女が、こうも言葉を発するなんて。珍しい事もあるもんだ。
そう。世の中には、滅多に起こらない珍しいことが起こる事もある。
例えば、
―――藤村幽鬼という焔の降霊術者が、那月流生という水の降霊術者と戦い、勝つという奇跡とか。
(……まあ、無いとは言えないんだよなぁ。だが、)
桃音がどう言おうと、狩矢は絶対と言って良いほど藤村が流生に勝てないという確信があった。
理由は二つある。
一つは単に相性の悪さだ。炎と水では小学生でも分かるくらい、水が有利である。炎なんて水をかけてやれば、すぐに鎮火できる。簡単な理由だ。
もう一つは、那月流生という女の戦闘力だ。
彼女は一度、現在の戦場原学園の生徒会長を務める工藤政宗と戦ったことがある。
その際の勝者は那月流生。それだけでなく、戦いの後に『彼女とはもう二度とやりたくない』と工藤に言わしめたほどだ。
だから、この二つの理由で狩矢は確信を持っていた。
(幽鬼は、流生さんの足元にも及ばないんじゃねぇか?)
『―――始まるみたいです』
桃音の言葉で、狩矢が視線を二人へと向ける。
藤村と流生はお互いに突っ込んで、炎と水の拳を激突させた。
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