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FRAME・GHOST

100竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2012/08/26(日) 00:15:23 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp

 剣木浜高校の潜入に(嫌々ながら)向かうことにした霧野、篠崎、雪路、折宮の四人は何もしないのも退屈なので、適当に話しながら向かうことにした。
 だが、全員が話すのはこれからの作戦どうのなどではなく、単なる工藤政宗への愚痴である。
 主に話を展開しているのは雪路と折宮だけであるが。
「……ったく、何で私が男子の格好しなきゃいけねーんだよ! 工藤の野郎め……!」
「仕方ありませんわよ。この中で唯一男子に見えるのが貴女だけですもの」
 折宮の憎しみが篭った言葉を何てことなく返す雪路。
 そんな光景を見ながら霧野と篠崎は苦笑いを浮かべていた。
 そんな霧野を横目で捉えた折宮は、
「何笑ってんだよ、霧野。お前もこんな面倒な事に使われて嫌だろ?」
「え? あ、いや……ううん。皆の役に立てるならいいかなって」
 霧野は笑いながら答える。
 自分にはこんな返し方は出来ない、と折宮は軽く息を吐く。
 折宮は言葉を続けて、
「嫌なら嫌って言ってもいいと思うけど? お前だって、藤村といる方が嬉しいんじゃないのか?」

 ボッ!! と急に霧野の顔が真っ赤に染まった。
 耳までも真っ赤になっており、頭から湯気が出てるとさえ思わせていた。

「そ、そそそそそそそ、そんそん、そんなことあるわけないじゃないのぉぉぉ!? な、ななな、なん、何で急に、そ、そんな……!!」
 霧野は急に言われたので、思い切り取り乱し呂律さえも回らなくなっている。
 折宮としては『友達といる方が嬉しいだろう』という意味合いで言ったため、霧野がここまで混乱している理由は、彼女にしてはさっぱり分かっていない。
 肩を大きく上下に動かしながら息を切らす霧野に、篠崎が落ち着くように背中をさする。
 とりあえずどこからともなく罪悪感を感じた折宮は、霧野に一言侘びを入れた。
 雪路は大して面識がないのか、篠崎を凝視して、
「しかし、お人形さんみたいな可愛さですわね。藤村さん達が近づくのも分かりますわ」
「べ、別に……藤村くん達はそういう間柄じゃ……。皆とはただのお友達だし……」
 篠崎は遠慮気味に話す。
 『しかし男は怖いですわよ?』などと雪路が忠告していると、彼女の勘違いを察した霧野が、

「そういう理由でも大丈夫。いくら藤村くんでも可愛いからって男の子に手は出さないでしょ」

 場が凍った。
 瞬間、雪路と折宮が今までに無い声量で大声を上げた。

「「お、男の子だってぇーーーっ!?」」

 二人の声量で、周りの空気がびりびりと振動した気がした。


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