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赤瞳の不良
15
:
ライナー
:2011/12/25(日) 18:51:04 HOST:222-151-086-008.jp.fiberbit.net
月峰 夜凪 さん≫
コメントだいぶ遅れまして済みません(汗)
全然スレッドに触れていなかったので……
新鮮ですか!? そう言って貰えると有り難いです。新鮮さは重要かなと思っていたので^^;
主人公は、やはり容姿からして良い物を! と思って、こういった容姿にしてみました。気に入って貰えて良かったです!
青い髪の少女は、これからがお楽しみですよ^^
本当に返すの遅れてしまいましたが、頑張りますので、応援宜しくお願いします!
16
:
ライナー
:2011/12/25(日) 20:42:13 HOST:222-151-086-008.jp.fiberbit.net
たったの一つですが、語句補足です^^;
ムショ……刑務所の事
17
:
ライナー
:2011/12/25(日) 21:23:45 HOST:222-151-086-008.jp.fiberbit.net
紅蓮は湯に浸かりながら、ジッとしていた。
水面から半分程顔を出して、ブクブクと息を吐き出す。
「(忘れろー! 忘れろ俺ー! 学生から変態に成り下がるぞ俺ー!)」
心中で、敢えて不良(ヤクザ)でなく学生言ったのは、紅蓮自身分からない。いつも不良(ヤクザ)の方で押し切っているにはいるのだが、こういう例えの場合学生が優先されるのだろうか。
10分くらいこんな事を続け、紅蓮は窒息になりそうになりながら、そして逆上せそうになりながら風呂を上がる。
「ふー、疲れたー……あ、いや、何で風呂で疲れてんだ、俺……」
「それは、逆上せたからじゃないですか?」
「あー、それだな、逆上せたからだな……」
言葉を途中で失って、紅蓮は横を振り向いた。
「………」
バスタオルが、青髪の少女へと投げられる。
それを受け取った少女は、紅蓮の方を見やって首を傾げた。
「どうしたんですか?」
「いや、お前の方がどうしたんですかー!?」
紅蓮は、一生懸命バスタオルで身を隠しながら叫ぶ。少女はまだ、体に何も纏っていなかったのだ。
「ッてかさー、服ぐらい着ろよ! 風引くだろ? お願いだから俺に変な事しないでくれる!?」
何だか自分が少し女子みたいだ、紅蓮は悲しくそう思う。
「えーと、私の服が無くて……」
少女は自分が裸を見られたのにも関わらず、普通に紅蓮に言った。こういう場合なら、顔を赤らめて、俯いて、それでもって小声で呟くならまだ分かる。それなのに、普通に話しているなんて、どれほど鈍感なのだろうか。
紅蓮はタオル一枚を腰に巻いたまま脱衣所を飛び出し、長い廊下の先に向かって言い放った。
「樒ーッ! この子の服持って来ーいッ!!」
すると、空気が読めない動きで、樒が少女の着ていたワンピースを持ってきた。
「若、いくら何でも女の子の服を嗅ぎたいだなんて……」
「誰がそんなこと言ったんだ! つーかそっちに服があるって事は、コイツは全裸で風呂場に来たんかい!?」
紅蓮は少女の肩を掴んで、少女を纏っていない肌隠し中のタオル一枚と一緒に少女が飛び出る。
「わ、私がこの娘の服を洗濯している内に……そんな関係に……!!」
樒はワンピースを廊下に落とし、両手で口を塞いだ。
「テメーは何を想像してんだ!! サッサとコイツを着替えさせろ!!」
何とか樒と青髪少女を脱衣所に押し込み、紅蓮は廊下に佇む。
ドッドッと、いかにも重みのありそうな足音を立てて、滝が廊下を歩いてきた。容姿はまだ外着ではなかったので、滝も起きたてだろう。
「……どうしたんスか、アニキ」
暫く黙ってから、紅蓮は言った。
「着替え、置いてきちった……」
その廊下は石庭に接していたため、冷たい風が吹き付けてくる。
その寒さに、紅蓮は身を屈めながらも、樒達が出てくるのを待った。
「アニキ、タオル持ってきましょうか……?」
紅蓮は震える体で首を振る。
冷たい風が、さらにその場を凍り付かせるように滝の声が呟かれた。
「そうスか……」
タオルは現在、脱衣所に全て納められていたのだった。不運と風が、紅蓮の体を痛めつける。
惨めな気分になりながら、紅蓮は言った。
「今、何時……?」
「7時30分っス」
紅蓮が学校を出るのも、その時間帯。そして、現在学ランが脱衣所。
「休もうかな、学校……」
今年一番、弱気になる紅蓮だった。
18
:
ライナー
:2011/12/28(水) 15:46:58 HOST:222-151-086-004.jp.fiberbit.net
結局、紅蓮は学校を休み(朝風呂の時に風邪を引いたから)、布団に潜りながら青髪の少女と部屋にいた。
「だいぶ遅れちまったが幾つか訊いて良いか?」
少々鼻声になりながら、紅蓮は少女に言う。
「はい」
「んじゃ訊くけどよ、何で空から落ちてきたんだ? 最も、お前自身気を失ってたみてぇだから分かんねぇと思うけど……」
紅蓮の鼻声が聞き取りづらかったのか、少女は暫く黙ってから口を開いた。
「えーと、恐らく落ちてきたからだと思います」
「どこら辺が理由になってんだ!!」
改めて紅蓮は聞き直し、何分か経った今、やっとちゃんとした答えが出てきた。
「分かりません」
つい、どこら辺がちゃんとしているのか訊きたくなるが、意味の分からない答えよりずっとまマシだ。にしても、ここまで溜めて来てまさかの「分からない」は、紅蓮にとって殺してやろうかと思う勢いだった。
しかしながら、紅蓮は女という生物に簡単に手を挙げる程無能ではない。どんなに鈍感で馬鹿でも、不良(ヤクザ)と知らない相手にいきなり殴り掛かるのは、自分の正体を明かすのと同じだ。
「……ま、それは分からないとしてこれ以上の詮索はしねぇ。それじゃあ、髪の白い厚着した女は知ってるか?」
紅蓮が本当に訊きたかったのは、コッチの方だった。
おかしな術を使う相手を知りたい、同じ人類にそんな奴がいるなら早めに片付けなければ、それが紅蓮の考えだ。
すると、少女は青い髪を波打たせるようにして頷いた。
「その人は、私を狙ってて、何故狙っているかというと、力を押さえるとか何とか……」
少女の話を聞いて、紅蓮は身を乗り出して訊く。
「アイツに攻撃が効かなかったのだが、何でか分かるか?」
「硬化能力です。物質の繊維を固めて、どんな物でも堅くすることが出来るって言うのですね。それのお陰で、物理攻撃はほぼ防げます」
今の少女の発言で、全ての整理が付いた。
あの白髪防寒女が投げてきた葉が何故あれほどにも鋭かったのか、それは硬化していたからだ。紅蓮の銃撃がマントで防がれたことも、それに準ずる。
「なるほどな……」
紅蓮は半ば納得した表情になる。しかし、その後微妙な沈黙が後に続いた。
「……硬化、能力!?」
「え、何か変ですか?」
少女はまたも首を傾げて、疑問符を浮かべる。
「能力って……お前ら一体何なんだよ。空から降ってきたり、物固めたり……」
紅蓮に言われて、少女は思い出したように「あ」と声を上げた。
「これ、言っちゃダメなんだった……」
何処まで馬鹿なんだ、紅蓮はそう思う。
言ってはいけないと念を押されていたようだが、それなりに念を押されていたのだとしたら言わないだろう。それとも、念の押し方が甘かったのだろうか。
とにかく、紅蓮が今関わろうとしている事は、非常識であって、一番信じたくないファンタジーが絡んでいるのだ。
「……とりあえず、俺には言っちまったんだから全部言ってみろって」
紅蓮は少女に言うが、少女は俯きながら何か呟いていた。そして、不意を突くように顔を上げる。
「これ知った人間は、殺さなきゃいけないんですけど、死んで貰って良いですか?」
風邪を引いていた紅蓮は、一気に寒気が増していくのを感じた。
「無理って言ったらどうするよ……?」
布団の中に収まった紅蓮の手は、服の懐に忍ばされる。そこには一丁の銃が入れられていた。
19
:
ライナー
:2012/01/01(日) 12:28:43 HOST:as01-ppp17.osaka.sannet.ne.jp
「じゃあいいです」
紅蓮はその言葉に拍子抜けする。
一体、どこまでが重要でどこまでが重要でないのか、紅蓮にしてみたら白昼夢(ファンタジー)が起こっている時点で油断はならないはず。
でもしかし、相手に殺意はないようで、それを察して紅蓮は懐から手を出した。
「……で、まず根本的なところから訊くぞ? お前らは何者なんだ?」
青髪の少女は黙る。
言ってはいけない事なのだろうが、もう紅蓮にはばれている訳で、殺しもしないなら、喋ってもいいはずだ。
そして、少女は口を開く。
「それじゃあ、貴方は何者って訊かれたらどうします?」
最もな意見だった。
確かに、自分の存在を当たり前と思っている時点でそれは難しい。紅蓮の場合なら普通に人間だ、とでも言った方が良いのだろか。
紅蓮は考えて、質問の仕方を変える。
「お前らの……あれだ、硬化能力ってのは何なんだ? 一種の魔法みたいなモンなのか?」
「うーんと、魔法ではないですね。いや、ここで言うなら魔法でしょうか?」
少女は、何やら紅蓮に伝わらない独り言を繰り返している。
「ま、そう思ってもらって結構です」
これは完全に少女の方が自分で納得しているのではないだろうか、紅蓮はそう思う。
「……で、その魔法ってのはどこで手に入れたんだよ?」
別に、紅蓮自身、魔法が欲しい訳ではなかったが、少女の住む世界の確認程度に訊いてみた。
「ヘヴンです」
一言。少女はそう言った。
紅蓮の知識が間違っていなければ、『天国』と言う意味になるだろう。
「何処の国の町だ?」
何となく恐怖を感じ、紅蓮は諦め半分で訊いてみた。
答は勿論―――
「地球には有りませんよ」
だろうな、と、紅蓮は心中で返す。
それにしても、紅蓮は意外に自分が冷静さを保っている事に驚いていた。恐らく、いきなり殺しに掛かられていたら、白髪防寒女のように驚く騒ぎの事ではなかっただろう。
「もう、だいぶ喋っちゃいましたけど、これから言うことも黙っていてくださいね?」
事は真剣に運ばなければいけないのだろうが、少女の目は笑っていた。
別に怖みが混じっているようなものでは無いのだが、多分、いや、絶対にこの場に適切ではない表情だ。
紅蓮は幾多の荒い仕事をこなしてきたが、ここまで肝が据わっている(いや、単に無神経なだけな)少女は見たことが無い。
そして、両者は結局、自分の事は自分で解決したような気になっていた。
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