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薄く光、星の下。
3
:
神音 迅
◆ptZpvaYoVY
:2011/10/16(日) 11:44:38 HOST:i60-42-227-175.s41.a021.ap.plala.or.jp
どこか悲し気な表情をする月葉は、作った笑みを浮かべる。零桜はドクン、ドクンと鼓動の音を感じながら隣にいる愛花へと視線を向けると「ね、愛……。さきに強弱行ってて?」と告げる。愛花はキョトンとするもにんまりと笑顔を浮かべ「りょーかい」と音符が語尾につくテンションで走って行った。
薄ピンク色の桜の花びらが舞う中に、月葉と零桜は二人でいる。しかし、零桜はギュッと唇を噛み締めてから小さく口を開ける。
「何……さっきの。雪乃が……何?」
「嫌……別に。思い出しただけ。俺は別の用事があるんだが」
零桜の質問にはこたえず、すんなりと質問を交わし自分のしたかった質問をしようとする月葉。
月葉が零桜にその言葉を告げようとしたとき……、零桜はサァッと顔を青ざめた。
桜の花びらが舞う中に、風で月葉と零桜の髪も揺れている。
月葉はそっと、言葉を口にしようとする。零桜が青ざめていることにも気づかずに。
「あの時まで……雪が死んでしまうまで、俺は雪が好きだった。だけど……今、は一一お前が、零桜が好きなんだ」
「………や、めて。そんなの……結局あなたの自己満足でしょ? 結局私は!! 雪乃の…代わりなんだね」
桜舞う、あの日に。椿雪乃は、亡くなった。雪乃は事故死であり、殺人ではないという。しかし、その事件のせいで……多くの人が狂い始めた。
雪乃の、あの死が、
みんなを苦しめ、狂わせ
追い詰めて行ったのよ。
*Next story†第一章 初恋*
4
:
神音 迅
◆ptZpvaYoVY
:2011/10/22(土) 17:06:00 HOST:i60-42-227-175.s41.a021.ap.plala.or.jp
*第一章†初恋*
入学式と始業式を終え、新一年生の教室の前を零桜が静かに通って行く。愛花は学級委員の仕事があるらしく、教室で何やら仕事をしていて忙しそうだった。と言っても、零桜は生徒会副会長であるため、もっと忙しく、新一年生に校内の規則等を説明を丁度終えたところだ。
「先輩。 神音、零桜先輩ですよね?」
「え?ええ、そうですけど。 あなた、一年生だよね?」
高校一年生とは、いささか言いづらい鋭く冷めた目を持つ少年に零桜は声をかけられた。水色の海のような瞳に、青々とした腰までの髪に、サイドテールを短くした長髪の少年で、左頬には十字架のマークが刻まれいた。……その少年に、確かに零桜は、見覚えがあった。
「あ、覚えてます? 僕ですよ……、椿雪乃の弟、椿 雪花(ツバキ セッカ)ですよ」
「雪……花、くん。何で……いるの?」
「何でって……。“生きてますから”」
ドクン、と心臓が跳ねる。
“好きです”。フラッシュバックする記憶。“ごめん”。傷付く言葉。
吹き荒れる風、嵐。伸びる手。荒れる川。悲鳴を上げた一一。
「そう言えば、生徒会副会長でしたっけ? “意外”、ですよ。まさか……貴女のような人が」
ふん、と勝ち誇ったように笑みを浮かべると、スタスタと足早に自分の教室に入って行った。
(まさか、雪乃の弟が……? でも、嘘……あのとき、確かにっ……!!)
唇をかみ、赤く血が出る。スゥッと冷たくなる手は、まるで死んだようでもある。
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