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薄く光、星の下。

4神音 迅 ◆ptZpvaYoVY:2011/10/22(土) 17:06:00 HOST:i60-42-227-175.s41.a021.ap.plala.or.jp
*第一章†初恋*

 入学式と始業式を終え、新一年生の教室の前を零桜が静かに通って行く。愛花は学級委員の仕事があるらしく、教室で何やら仕事をしていて忙しそうだった。と言っても、零桜は生徒会副会長であるため、もっと忙しく、新一年生に校内の規則等を説明を丁度終えたところだ。

「先輩。 神音、零桜先輩ですよね?」
「え?ええ、そうですけど。 あなた、一年生だよね?」

 高校一年生とは、いささか言いづらい鋭く冷めた目を持つ少年に零桜は声をかけられた。水色の海のような瞳に、青々とした腰までの髪に、サイドテールを短くした長髪の少年で、左頬には十字架のマークが刻まれいた。……その少年に、確かに零桜は、見覚えがあった。

「あ、覚えてます? 僕ですよ……、椿雪乃の弟、椿 雪花(ツバキ セッカ)ですよ」
「雪……花、くん。何で……いるの?」
「何でって……。“生きてますから”」

 ドクン、と心臓が跳ねる。
“好きです”。フラッシュバックする記憶。“ごめん”。傷付く言葉。
吹き荒れる風、嵐。伸びる手。荒れる川。悲鳴を上げた一一。

「そう言えば、生徒会副会長でしたっけ? “意外”、ですよ。まさか……貴女のような人が」

 ふん、と勝ち誇ったように笑みを浮かべると、スタスタと足早に自分の教室に入って行った。

(まさか、雪乃の弟が……? でも、嘘……あのとき、確かにっ……!!)

 唇をかみ、赤く血が出る。スゥッと冷たくなる手は、まるで死んだようでもある。


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