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薄く光、星の下。

2神音 迅 ◆ptZpvaYoVY:2011/10/14(金) 22:59:56 HOST:i60-42-227-175.s41.a021.ap.plala.or.jp

*プロローグ†あの日、あの時、あの場所で*

 椿 雪乃(ツバキ ユキノ)が亡くなったのは、いつの頃だろう。
桜の花びらが舞う、春の季節……。高校2年生という、中途半端のような大人になったような年齢で時々、彼女の事を思い出す、そんな存在がここにいた。

「桜……か」

 ザァッと風が揺れ、艶やかな黒髪がサァーッと揺れる。
この国、アヴィーナは人間やエルフ、魔法使いなど様々な人が暮らしていて、たまに差別なども見かける。黒髪を肩までサラリと揺らし、右に白いリボンを付け、赤の宝石のような瞳を持った一人の少女は、普通の人間に値する種族だ。

 この国の価値感は人によって違う。
 人間が偉いという者、エルフが偉いという者、魔法使いが偉いという者……はたまた、全員が平等であるとうもの。その中で黒髪の少女……神音 零桜(カミネ レオ)はどれにも属さぬ、誰も偉くないという意見を口にするだろう。

「れーおっ!ねね、来たよ?来たよ? れおの幼馴染みイケメン君!! 天音 月葉(アマネ ツキハ)がぁっ!!」
「あー……はいはい。告ってこれば?私はきょーみないから」

 零桜は友人である、茶髪で短く三つ編みにし、紫色の瞳をした暁 愛花(アカツキ マナカ)と喋りながら、月葉と呼ばれた少年をチラリと見る。
透き通った金色の瞳と、整った顔立ち。銀色の髪を腰までのばす、少年のような少女のような、学校でもてるといわれている零桜の幼馴染。

「よ、零桜。あ、愛花ちゃんも?」

 月葉が零桜の視線を感じ声を掛けると、愛花はキャーッと嬉しそうな声を上げ「はいっ、勿論愛花はれおの心の友ですからね!!心友ですもんね」と語尾に音符が付きそうな程ルンルン気分で答えている。月葉は若干苦笑すると「そーやさ、雪がアレなのも、今日で七年目だな」とそっと零桜の耳元で口にする。

 
 ドクンドクンと零桜の心臓の鼓動は打つ速さを増して行く。引きつった笑顔だろうか。零桜はぎゅっと唇をかみ「あ……ええ。そう、だね?」と言った。


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