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蝶が舞う時… ―絆―
348
:
燐
:2012/01/13(金) 16:05:31 HOST:zaqd37c5e53.zaq.ne.jp
「憐…。」
私は無意識に憐の名前を呼んだ。
憐はもう居ない。
私…何やってんのかな?
きっと誠が居なかったら今頃私も死んでたな…。
「夜那…!」
その声に私は掌を握り締めた。
振り向きたくなかった。
でも身体がふいに動いてしまって振り返ってしまったんだ…。
「…どうしたの?」
「どうしたの?じゃねーよ!…辛いからあの場から逃げたのか?」
誠の言葉に私は笑顔で返す。
「ううん。そんなんじゃない。声が聞こえた気がしたの。
“玄関に来て”って声が…。空耳かもしれないけど…その声で目が覚めた気がした。
何時までも泣いてちゃ憐に悪いし…。」
「そっか。憐ってさ…夜那にベタ惚れだったんじゃねーの?今思えばだけど…。」
誠はズボンのポケットに手を入れながら言った。
「ベタ惚れって?」
「辞書で調べろ。」
誠はそっぽを向く。
「ま、いいや。」
そう言った瞬間、誠の背後から声が聞こえた。
349
:
燐
:2012/01/13(金) 16:27:16 HOST:zaqd37c5e53.zaq.ne.jp
「2人とも帰るわよ!」
誠のお母さんに呼ばれ、私は誠の手を握って駆け寄る。
「夜那ちゃんは何時まで経っても真面目ね。それに比べて誠は…。」
誠のお母さんは呆れた表情をする。
「悪かったな。不束者で。」
誠は不機嫌そうに言う。
「あら良く分かってるじゃない。さ、家に帰りましょうか。」
「母さん…。今一瞬逸らそうとしただろ?バレバレなんだけど。」
誠は息を吐いて言った。
「母さんって…昔から嘘とか下手だったよな。まるで夜那みたいだな。」
誠は笑いながら言う。
「さ、夜那ちゃん。こんな不束者さんは置いといて帰りましょうね。」
誠のお母さんは笑顔で私の肩に手を置く。
「誠を置いていかないでください…。」
私は俯きながら答える。
「ぷっ…。夜那は真面目すぎるな…。あんなのジョークなのに簡単に信じまってさ。
やっぱ夜那は面白いな。」
誠は腹を押さえて笑っている。
350
:
燐
:2012/01/13(金) 16:57:45 HOST:zaqd37c5e53.zaq.ne.jp
「冗談ならもっとマシなのにしてよ…。」
私は怪訝な顔で呟く。
でもそれでもいいと思った。
いつもの誠だなぁ…って思った瞬間だった。
憐…。
ずっとずっと私の傍に居てくれるよね?
憐の黒い蝶も今は居ないけど…見かけたらちゃんと預かるから。
心配しなくていいよ。
私と誠と憐の絆はちゃんと私の心の中に刻み続けてるから…。
憐が此処に生きた証となってきっと死ぬまで残る。
それからネックレスと言うか…ペンダントもありがとう。
憐の形見として毎日見に付けとくからね。
本当にありがとう…。
私達3人の絆はこれからも続いていきますように―――…。
私はふと空を見上げた。
辺りはすっかり真っ暗になっていて空には星屑が散りばめられていた。
「夜那!そろそろ行くぞ〜。」
誠の暢気な声が私の耳に届く。
「うん!」
私は静かに誠の隣に駆け寄った。
絆…それが私の運命を大きく変える引き金となるなんて…。
今は知る由もなかった…。
To be continued…。
351
:
燐
:2012/01/13(金) 21:14:30 HOST:zaqd37c5e53.zaq.ne.jp
第2期は完結と言うか・・・第3期に続いてます。
第3期は・・・たぶん泣けます。
残酷なシーンが一部含んでいるんで・・・。
きっと私自身も書くのが辛すぎて一時期休むかもしれませんが・・。
最後までお楽しみください(-_-;)
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