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蝶が舞う時… ―絆―

337:2012/01/12(木) 08:02:56 HOST:zaq7a66c4f3.zaq.ne.jp
私は紙を握り締めてベッドのシーツに涙が零した。

私は右手で涙を拭いながら2枚目の紙を開ける。

2枚目の紙には真ん中に大きい字でごめんね。と書かれていた。

「…夜那。」

私は起き上がって前方を見た。

「誠…。」

私はそう呟く。

「…悲しい想いさせてごめんな…。」

誠はそう言って私をそっと抱き締めた。

誠の身体の温もりが少し憐の温もりに似ていた。

「憐…。このまま一緒に居て…。」

私は明らかに幻覚を見ていた。

憐じゃないって分かっているのに…。

憐はもう居ないのに…。

私は――――…。

「…俺は憐じゃない。目を覚ませ!!」

誠は口を尖らせて言った。

「何言ってるの?貴方の温もりは憐そのものなんだよ?何でそんな事言うの?」

私は誠の頬に両手を添える。

何で思ってない事言うんだろ?私って…。

「…幻覚を見てるのか?じゃ忘れさせてやるから。」

誠は私の左手をそっと絡めて、私の唇を乱暴に塞いだ。

「…っ。」

温かい…。

誠のキスは何処か温かいんだ…。

私の心をゆっくりと満たしてくれる…。

傷を癒されていくような快感になる。

やがて誠は静かに唇を離して私を強く抱き締めた。

「誠…ごめんね…。本当は信じたくなかったんだ…。受け入れたくなかった…。
 受け入れたら今度は誠が居なくなるような感じがしてならなかった…。」

「…全部俺の為かよ。」


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