したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

蝶が舞う時… ―絆―

317:2012/01/09(月) 18:54:23 HOST:zaq7a66c4f3.zaq.ne.jp
自分の部屋の前に着くと、少し扉が開いていて中の光が漏れていた。

私は静かに駆け寄り、扉の隙間から中をそっと覗く。

誠は中には居なかった。

「何コソコソしてんの?」

背後から低い声がして、私は振り返った。

「…誠。」

「さっさと入ってくれ。」

誠にそう言われ私は部屋の中に入る。

「自分の部屋なのに何で誠に指図されなくちゃならないの?」

私が訊いても誠は答えてくれなかった。

「で、渡す物って?」

「これ。」

誠が右手に持っていたビニール袋を私に差し出す。

中身を見ると、お菓子類が詰め込まれていた。

「お菓子…。渡す物ってこれだったの?」

「うん。それ以外にある?」

誠は言う。

「…何か期待して損したかも…。はぁ…。」

私は肩を下ろして座り込もうとした。

「今のは冗談。本物はこっちだ。」

「えっ?何処?」

私は誠の後ろを見た。

でもそこには何もなかった。

「夜那。口開けて。」

誠にそう言われ私は言われるがままに口を開けた。

私が口を開けた瞬間、私の口の中に飴が放り込まれる。

「飴じゃない。どう言う事なの?」

私は頬を膨らませながら言った。

「気づかない?それさっきまで俺が舐めてた飴。」

誠は意地悪に言った。

「えっ…。」

「嘘嘘。冗談に決まってんだろ。」

誠は笑いながら言う。

「嘘…か。本当だったらいいのに…。」

私は地面に蹲った。

「…今度ちゃんとお前にやってやるよ。」

誠は私の頭をポンポンと撫でた。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板