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35竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2011/10/08(土) 17:42:15 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp

 白波も三人目の刺客、三又流浪を倒していた。
 彼女は銃を片手に、相手の胸倉を掴んで、
「ねぇ、アンタらのリーダーさんは何処にいるのかなぁ?教えてくれると、涙ちゃんとーっても嬉しいんだけど?」
 笑みを浮かべて問いかけるが、その笑みには相手を怖がらせる要素しかないようだ。
 相手はがたがたと震えて、ただ首を横に振るだけだった。
(……ダメか)
 相手の胸倉から手を離し、白波は頭を悩ませる。
「涙」
 そこへ、荒垣の引きずっている覚醒赤宮と、数藤を担いでいる朧月が駆けつける。
 白波は軽く息を吐いて、
「あー、全員倒せたのね。後で助けようかとも思ったけど……まあいいわ」
「ところで、白波。こいつらどうすんだよ」
 倒した三人を見て、霧澤は問う。
 白波は心配ない、というような口調で、
「大丈夫よ。後で魔界の警察みたいなのが捕まえてくれるから」
 そっか、と何となく霧澤は安心する。
 だが、まだ紫々死暗が残っている。未だに姿を見せすに、相手は何処にいるのだろうか。
 そんな霧澤達の耳に、

「ンだァ?全員やられやがった。情けねぇなぁ!!」
 
 空から、謎の男が降りてきた。
 その男は白波の資料で見せてもらった通りのリーダー、紫々死暗だった。右腕には巨大な爪が五本ついた手甲をはめている。
 真冬と白波は構えて、互いの契血者(バディー)を守る体制を取る。
「キヒヒッ。つーことはアレか、数藤の馬鹿はただのガキにやられたってか?キハハハハッ!!ウケるぜ!こりゃ今年一番笑えらぁ!」
 仲間の敗北に悔しがる様子がまったくない。
 それどころか、不快な声で笑うだけだ。
 霧澤と朧月は僅かな寒気さえ感じていた。
「夏樹、私から離れるな。アイツは本当に危険なんだ」
「アイツの右腕の爪。アレは猛毒が塗られてるから」
 紫々は不気味な笑みを浮かべながら、爪と爪をこすり合わせている。
 真冬はニィ、と 笑みを浮かべて、
「奴は私一人でやる。奴が夏樹と昴を襲った時に、二人とも前にいては守れんからな。頼んだぞ、涙」
 オーケー、と白波は軽く返事を返す。
 それと同時に、真冬は炎を纏った拳を構え、紫々に突っ込む。
 炎のおかげで平気なのか、相手の爪の効力は効いてないようだ。真冬の拳と紫々の爪がぶつかり合う。
 だが、この戦いは、明らかに真冬がピンチだ。
 拳と爪で、妙な鍔迫り合いになっている状態で、紫々は口を開く。
「キヒヒ。お前、凶美との戦いで『一身炎(いっしんえん)』使ったろ。もォそろそろ炎が尽きるはずだ。違うか?」
「……うるさい……!」
 相手の爪を押し返そうとするが、今の真冬にそんな体力は残っていない。
 真冬は逆に相手に吹っ飛ばされ、ビルの壁へと激突した。
 真冬の口から息が一気に漏れ、うつ伏せに倒れる。そして、

 普通の赤宮真冬に戻ってしまった。

「ッ!?」
「キヒヒヒ。時間切れかァ?人間どもはそこで見てろ。何も出来ずに、目の前で人が殺される瞬間をなァァ!!」
 紫々の爪が振り下ろされる。白波は叫び、朧月は目を大きく見開いて、何も出来なかった。
 だが、霧澤だけは、無意識に走り出す。

 ゾン!!と何かを切り裂く音。

 切り裂かれたのは真冬の身体ではない。
 真冬と紫々の間に割って入った、霧澤の身体だ。
「な……つき、くん……?」
 真冬の目から涙が零れる。
 霧澤は痛みを堪え、無理矢理に笑みを浮かべて、伝える。
「……誰が、何も出来ない人間だって……?力が無くともなぁ……、盾にはなれんだよ……ッ!!」
 そのまま、霧澤はうつ伏せに倒れてしまう。
「……なつきくん……」
 真冬の声が震える。
 涙を流しながら、震える声で、叫ぶ。
「夏樹君ッ!!」
 霧澤の目は、開かない。


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