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VaMPiRe
205
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2012/10/13(土) 13:37:13 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp
霧澤は正直、茜空九羅々が苦手だ。
あまり話したことがなく、何を話せばいいか分からないのも理由の一つだが、彼女とは性格ややり方などが、基本的に自分と一致していないと思う。正直なところ、誰かから一〇個質問されれば、茜空は霧澤と違う答えを言うだろう。それほど仲が良くない、と思える滝元であっても二、三個一致するだろうと霧澤は思っている。
つまり、自分と何一つ一致しない茜空が、霧澤にとっては意外な天敵である。
しかも自分から指名しておいて、白波捜索から十分程経過しているにも関わらず、未だに言葉を交わそうとしてくれていない。自分のこと嫌いなんじゃないだろうか、と勘違いしてしまうが、無口なのが彼女にとってデフォルトなのだろう。
いよいよ気まずくなってきた霧澤は、こちらから話をかけるという手段を取った。
「……なあ、茜空。そろそろ話してくれてもいいんじゃねーの? 何で俺と一緒になったんだよ」
茜空は視線をこちらに向ける。
常に無表情だからか、やけに不自然そうに見える。というか視線が怖い。
彼女は視線を逸らし、溜息をついた後口を開いた。
「では、単刀直入に聞きますけど、貴方は実際どう思ってるんです?」
唐突だった。
聞きたいことしか聞いていないような質問。だが、白波を捜索している今を考えると、質問の内容も推測できる。恐らく、白波が突然消えた理由をどう思う? と聞いているのだろう。
霧澤は考えるような仕草をした後、
「どうなんだろうな。家出でないとすると、誘拐とか? でも、アイツは簡単に攫われるような……」
「それは、人が相手だった場合です」
茜空は遮るように、霧澤の言葉に自分の言葉を重ねる。
彼女は続けて、
「確かにそこらの下級悪魔じゃ、攫うなんて知恵も回らないだろうし、たとえ五〇体集まろうが彼女を倒すことも、ましてや殺すことも出来ないでしょう。ですが、相手が二人以上の上級悪魔―――、もしくは僕と同じ『ヴァンパイア』だったなら、話は別でしょう?」
霧澤はハッとした。
いるはずだ、否、いたはずだ。白波を敵視している『ヴァンパイア』が二人以上。霧澤は記憶に鮮明に残っている。その人物の顔を思い浮かべると、直ったはずの身体の傷が疼きだしたような気がした。
茜空は腕を組みながら、
「僕も詳しくは聞いてません。ですが、昨日捜索途中に誘拐という線を考え出した僕は、朧月さんに聞いておいたんですよ。白波さんに因縁を持っている『ヴァンパイア』はいるか、と。ドンピシャでした。彼らとの戦いには、貴方も、貴方の契血者(バディー)も参加していたようですが?」
そうだ。
自分が思い当たっている人物が、茜空の言う『白波に敵意を持っている相手』なら、恐らくこいつしかいないだろう。それに、自分の直ったはずの傷が疼きだす理由もなんとなく分かる気がする。
「僕が今回、貴方と一緒に行動したいと言った理由は、貴方の意見を第一に聞きたいからですよ」
霧澤は、自分が今思い浮かべている人物を口にした。
「―――、紫々、死暗―――」
そう、と茜空は霧澤に同意する。
彼女は彼ら『四星殺戮者(アサシン)』が、白波を攫ったのではないかと考えていた。
「あくまで、僕の推測でしかありませんが……彼らが犯人という確率は高いです」
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