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200竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2012/09/22(土) 21:31:02 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp

 学校が終わり、霧澤達は駅前で待ち合わせていた朱鷺綾芽と合流する。
 彼女はいつもどおり扇子で口元を隠しており、霧澤を見つけるやいなや彼に思い切り抱きついた。
「キャー、夏樹さーん! お会いしたかったですわ! 電話をなされた時はわたくしと契りを交わすお覚悟を決めたのかと思いましたけど……」
 頬を染めながらそんなことを言う朱鷺の頭部を、すぱーんという効果音が似合いそうな叩き方で、真冬がはたく。
 突然はたかれた朱鷺は大して痛くない頭部を押さえ、口を尖らせながら真冬に文句を言う。
「んもー、何ですの? 話すくらいいいじゃありませんの。貴女はいつも一緒にいるんですし」
「そーいう問題じゃなくて。とにかく離れたら? 暑苦しいでしょ?」
 女二人の醜い言い争いが始まる。
 男の霧澤と朧月は若干引いており、同じ性別である奏崎と茜空でさえも軽く引いている。周りの注目もかなり集めている二人だがヒートアップしてきた二人はそんなことを気にする余裕などない。むしろ注目されているからこそヒートアップしているようにも見える。
 朝の霧澤と茜空の言い合いのような『論点がずれる』論争ではなく、二人の言い合いは『論点は変わっていないが、この世で一番醜い』論争である。
 二人の論争を原因となった霧澤が間に入り、場は一時収束した。落ち着いたところで、今回朱鷺を呼び出した理由を、朧月が話す。

「ほほう。白波さんが行方不明ですか。マモンの件が終わり連絡を取っていなかったので、そんなことになっていたとは思いもしませんでしたわ。単なる家出というわけでもないようですわね」
 朧月は朱鷺の解釈に頷
 霧澤の提案により二人一組で手分けして探そう、という話になると朱鷺の眼がキラリと輝く。そう、眩しいほどに。
「ではわたくし、夏樹さんと組みますわ! 早い者勝ちですわよね!?」
 がっしりと霧澤の腕にしがみつく朱鷺。だが、それを許さないのが彼の契血者(バディー)の赤宮真冬と、最強幼馴染の奏崎薫である。
 二人は勝手なルールを決める朱鷺に反論を開始する。
「ちょ、ちょっと待ってよ! そんなルール無効だよ! ここは契血者(バディー)の私が!!」
「いやいや、ここは公平を期してくじで決めましょう! 私、こんなこともあろうかとくじを持ってきてるのよ!?」
 霧澤と組もうと必死になる奏崎に反応したのが、奏崎至上主義の茜空九羅々である。
「ちょっと待ったですよ! くじなんて不要! 薫さんのペアは僕です!!」
 止めてくれないんかい、と心の中でツッコむ霧澤。そんなやり取りを少し離れた場所から朧月が呆れながら見つめている。
 そんな中絶体絶命少年の霧澤夏樹が朧月に助けを求めようと彼と視線を合わせるが、

 ふい、と視線を逸らされてしまった。

 絶望の淵に陥れられた霧澤。
 彼が知らないところで結局ペアはくじで決めることになり、やっぱり『ヴァンパイア』と一緒の方が色々な危険から身を守れるので、契血者(バディー)と『ヴァンパイア』で同じ番号を引いた者同士がペアになることが決定した。
 この時点で霧澤とのペアが実現可能な真冬と朱鷺はめらめらと闘志が燃え盛っていたが、実現不可能になってしまった奏崎は表には出さないかなりのショックを受けていた。


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