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196竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2012/09/17(月) 10:19:47 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp

「……!?」
 突然キスをされた霧澤は、驚きのあまりに目を開いてしまっていた。
 目の前にはかなり近い位置にある目を閉じた奏崎の顔。彼女も彼女で恥ずかしいのか、頬を赤くしている。
 時間はそれほど長くはなかったが、いろいろなことを考える時間があったかのように思えた。ほんの一瞬のような数秒が分や時間単位に思えた。
 奏崎は唇を離すと、真っ直ぐに霧澤を見つめる。
 何か言おうとした霧澤の口に、彼女は人差し指を当てて彼を牽制した。
「(……馬鹿。真冬ちゃんが気付いちゃうでしょ?)」
 言葉を封じられた霧澤は指が口から離れても何を言おうともしなかった。ただその代わりに、何故自分にキスをしたんだろう、と奏崎を見つめるだけだ。
 奏崎は僅かにもじょもじしたような様子で俯き始める。
 霧澤がその様子に気付き問いかける前に、ばっと彼女が急に顔を上げ霧澤の顔を見つめる。
 それから、

 ―――ずっと、好きだよ。

 その言葉は声には出ず、口ぱく状態になってしまった。そのため霧澤は聞き取れなかったと勘違いしきょとんとしている。
 告白だ。
 奏崎は真冬との約束を思い出したため、途中で声を出すのを諦めたのだ。再び顔を赤くして彼女は俯く。
「(……もっかい! もっかい目瞑って!)」
「(え……ああ、おう)」
 慌てたように言う奏崎。そんな珍しい彼女を見ながら霧澤は再び目を閉じた。
 それを確認すると、奏崎は再び茜空の方を向き直した。
「……長かったですね。彼は鈍感さんですから、きちんと言わないと伝わらないと思いますけど? 遠まわしの愛情表現は意味無いんじゃ……」
「うん。分かってる。……それでも」
 彼女は空を仰いで、呟くように言う。

「決着をつけるには早すぎる。今はまだ、片思いで十分かな」

 苦笑いを浮かべる奏崎。
 そんな彼女に茜空は思わず溜息を付いてしまっていた。まるで、最初から彼らの輪の中にいた友達のように。
 彼女は楽しそうに笑みをこぼした。
「さて、んじゃ契約前に改めて頼みましょうか」
「?」
 こほん、と茜空が咳払いをして奏崎を見つめる。
「―――力、貸してもらえますか?」
「喜んで!」
 もう一つ、新たな契約が交わされた。
 彼女達の指には茜色の水晶が埋め込まれた指輪が輝いている。


「夏樹くんっ! 早く行かないと遅刻するよ!」
「わ、分かってるって! ちょっと待てよ!」
 赤き契約の二人は急いで家を飛び出していく。
 そんな二人の後ろから、茜色の契約の二人はすっと追い越していく。
「あっ!? おい、待ちやがれ薫! 茜空!」
 呼ばれた少女達は振り返り、舌を出して一言。

「べーっだ!」


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