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VaMPiRe
187
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2012/09/09(日) 21:56:39 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp
「ぷはっ!」
白波涙は床に倒れこむ。
彼女の額には痛々しく包帯が巻かれており、額の中心から赤いものが滲んでいるので、彼女の怪我が完全には治っていないことを言外に語っていた。
彼女は額の痛みが残るのか、時折苦しそうな表情をして、額に軽く手を添える。そんな彼女を、同行して来た朧月昴と朱鷺綾芽は心配そうに見つめていた。
そんな彼らの視線が気になったのか、白波は眉間にしわを寄せながら二人を睨むように見つめる。
「なんて顔してんのよ、辛気臭い! 別にこの程度で死にはしないわよ!」
二人も死ぬとは思っていないだろうが、重傷なのにここまで無理してきたことに心配しているのだ。
朱鷺は呆れたようにため息をつきながら、
「別に生死を心配してるわけではありませんわ。それはそうと、私は貴女がそこまで無理する理由が分かりませんわ」
白波の目が、僅かに大きく見開かれる。
質問の内容がまずかったのか、と思い朱鷺は申し訳なさそうに視線を彼女から逸らした。
はあ、と息を吐くと、白波は腕を組んで、偉そうな態度を取りながら迷い無く答えた。
「真冬ががんばってる! 戦友の私が、一度叩き伏せられたくらいでダウンするもんですか!」
朱鷺は質問の答えにきょとんとする。
彼女はてっきり、奏崎薫に個人的な恩があるだとか、マモンに個人的な因縁があるだとか、そういう理由で戦っていると思っていたようだ。朱鷺としては『たったそれだけの理由』で動くことが、何よりびっくりしたのだろう。
きょとんとする彼女に気付かずに、白波は言葉を続ける。
「いつも、あの子はがんばってるのよ。『四星殺戮者(アサシン)』の時だって、フルーレティの時だって、レヴィアタンの時だって。彼女は私の何倍も傷を受けて、私なんかよりも、身体と心にダメージを負いながら、私よりも強い力と心を見せてくれる! それは私の支えになってるんだ!」
だから、と白波は言葉を一度区切り、
「アイツががんばってれば、私は力を貸す! 『七つの大罪』の悪魔だろうが、知ったこっちゃないってのよ!!」
ふ、と朱鷺は納得したように笑みをこぼす。その表情も扇子でうまく隠しているわけだが。
そんな感情に、彼女は駆られたことなど無い。
だが、それに近いことを感じてはいる。自分からしても、赤宮真冬が頑張っていれば、手を貸したいとも思うし、彼女の頑張ってる姿が支えになっていることも分かる。
だからこそ、彼女の後を追うためにここまでついてきてしまったのかもしれない。
「……まったく、驚きですわ。どんな熱いお言葉が返ってくるかと思えば……ただ暑苦しいだけでしたわね」
「なにおう!? 男同士の友情よりはまだ聞けた方でしょ? 女同士の友情の方がまだ美しくって見応えあるわよ!」
ええ、と朱鷺は相槌打つ。
そして上階で戦っているであろう真冬を見つめ、穴が開き、上の様子までは全然把握できない真っ暗な穴を仰ぎ見ながら言う。
「否定してしまっては、自分の友情も否定してしまうのですから」
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