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183竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2012/08/31(金) 22:30:37 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp

 赤宮真冬、茜空九羅々、マモンの三人はそれぞれ動けずにいた。
 真冬と茜空は姿が変わったマモンにどう対処して良いか分からず身構えながら立っていた。一方のマモンは余裕すら感じさせる笑みで、二人を交互に見つめている。
 どうも動けない二人を嘲笑うかのようにマモンが口を開く。
「何でェ何でェ? お前ら何もしねェのかよォ? くッだらねェなァ」
 茜空の金棒の柄を握る腕が僅かに動く。
 相手の挑発だと分かっていても、彼と長年戦い続けた彼女ならではの反応だろう。そんな気持ちだけが先走る茜空を制するように、真冬は彼女の肩に手を置き首を左右に振る。
 その行動の意図を理解したのか、彼女は小さく『分かってますよ』と返し怒りを無理矢理に鎮める。
 一方で挑発が失敗したマモンはつまらなさそうに溜息をついた。
 マモンの言葉に、真冬が返答した。
「何もしないのはお前も同じだろう。数の上では私達が有利だ。そのままじっとしていても、お前の勝機は無いぞ」
 ククッとマモンが笑みをこぼす。
 そのまま彼は笑いが堪えきれなくなったように、空気を入れすぎて破裂した風船のように笑いが爆発する。

「クハハハハハハハハハッ!! コイツァいいねェ! お前、まさか自分達と俺様が同等ッていう勘違いをしちャッてるイタイ奴かァ? んなワケねーだろが、アホが」

 バッ!! とマモンが上へと飛び立った。
 室内なので、天井を数枚ぶち抜いてだ。真冬が開けた穴よりも大きく、天井のほとんどを破壊していた。
「そォいう勘違いはテメェの脳内だけでやッてろ!! 悪いが俺はフルーレティよりも! レヴィアタンよりも! そして赤宮真冬、お前よりも上だ!!」
 叫びながらマモンは背中から生えた鋭利な針を緑の炎を纏いながら発射する。
 反応できなかった真冬はそのまま動けず、彼女元へ無数の針が向かい、彼女の身体を串刺しにするはずだった。
 だが、
(―――これで終わり、なワケがねェ)
 そう。
 フルーレティやレヴィアタンを退けた赤宮真冬が、あの程度の攻撃を回避できないはずが無い。
 土煙が舞う地上から、弾丸のような速さで茜空九羅々が突っ込んでくる。
「やッぱりなァ!!」
 マモンは腕で茜空の金棒を受け止める。
 茜空の目にはマモンを潰す事しか頭に無いような、そんな闘志が燃え盛っている目だった。
「ケッ! お前のその戦う理由は、怒りの理由は何だ? 奏崎薫か? 危険な目に晒した俺が、そんなに憎いかよッ!!」
「分かってんなら話は早いじゃないですか……ぶちのめされる覚悟はあるって事で―――」
「まさか、アレで終わりッて思ッてるんじャねェだろォなァ?」
「ッ!!」
 瞬間、茜空が戦慄する。
 相手の言葉の意味は、相手が作る不気味な笑みと、下の階に僅かに感じる魔力から察しがついた。
「……今更気付くとか、遅ェよ」

 霧澤夏樹と奏崎薫のいる場所に、下級悪魔達が迫っているということだ。


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