[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
メール
|
1-
101-
201-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
VaMPiRe
176
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2012/08/05(日) 14:02:19 HOST:p4147-ipbfp1503osakakita.osaka.ocn.ne.jp
上空から工場跡地に降り立った真冬と霧澤と茜空は、額に包帯を巻いた白波を心配そうに見つめていた。
白波の傍らには朱鷺がおり、彼女の治療をしたのも朱鷺らしい。
白波とマモンの魔力の衝突を感知した朱鷺は、大急ぎでこちらへ飛んで来たらしいのだが、来た時には既にマモンはおらず額から血を流したままうつ伏せになっている白波を発見したらしい。
「……すまんな、朱鷺」
遅れてやってきた真冬は、心底申し訳なさそうに朱鷺に謝罪をした。
そんな真冬に朱鷺は溜息をつき、
「何で貴女が謝るんですの? これは誰のせいでもありませんわ」
「ところで朱鷺。お前はマモンが何処に行ったのか分からないんだよな?」
霧澤の質問に朱鷺は頷く。
「ええ、来た時には白波さんしかおりませんでしたので。魔力を探査すれば、すぐに見つかると思いますが……」
そうか、と霧澤は小さく返事を返す。
それから悔しそうな目で、額に痛々しそうに包帯が巻かれ、目を固く閉じている白波を見つめる。
白波に対する謝罪の言葉は、霧澤の口から出なかった。
霧澤は振り返って、真冬にマモンの位置を特定してもらおうとしたが、言われるまでもなく真冬は目を閉じ、マモンの魔力探査に集中している。二人でやった方が早いと感じたのか、茜空も目を閉じ地面に手を当て、真冬と違う探査方法を試みている。
二人はほぼ同時に目を開けて、
「……感じ取ったか、茜空」
「ええ。僕の探査と貴女の探査に狂いがなければマモンは―――」
二人は声を合わせた。
「「地下にいる」」
地下? と霧澤は首を傾げる。
奴がそんなところで何をしようとしているかは分からない。そもそも、相手は既に奏崎を捕まえたのか。学校から出ているならば見つけられる可能性はぐんと上がってしまう。
真冬が翼を出そうと集中すると、
「……ま、ふゆ……」
弱弱しい、搾り出すような白波の声が真冬の耳に届いた。
「涙、大丈夫か?」
真冬はしゃがみこみ、白波を心配そうな目で見つめる。
虚ろな瞳を僅かに開く白波は、真冬の表情を見るなり薄い笑みを浮かべた。
「……なによ、その顔……。私は平気よ……」
真冬は白波の手をきゅっと握り、白波の消えてしまいそうな声に耳を貸していた。
「……アンタ達に、伝える事が……。……マモンは、アイツは薫ちゃんを既に確保した……! 『金瞳(こがねのまなこ)』が抜かれるのは時間の問題よ……」
その言葉に霧澤達は絶句した。
地下にいる、ということから大体の予想はつけていたが、この予想が当たってほしくなかった。
白波はうっすらと涙を浮かべて、
「……ごめん。私じゃ……薫ちゃんを守れなかった……!」
だから、と歯を食いしばり白波は真冬に懇願する。
「……アンタ達に託す……! 薫ちゃんを助けてあげて……!」
その言葉に、真冬は返事をしなかった。
その代わり、ゆっくりと立ち上がり白波と朱鷺に背を向け、一言だけ朱鷺に伝える。
「涙を頼んだぞ」
朱鷺はその言葉にこくりと頷く。
真冬は朱鷺が頷いたのを確認もせずに、霧澤と茜空を抱えるように掴む。
「……お前、大丈夫か?」
「あと一回くらいはな。だから、マモン戦の前にたっぷり血をもらうぞ」
真冬は背中から真っ赤な翼を生やし、空へと飛び立つ。
友人を助けるため、マモンの潜む地下へと向かって行く。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板