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VaMPiRe
174
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2012/08/04(土) 14:02:22 HOST:p4147-ipbfp1503osakakita.osaka.ocn.ne.jp
「薫が、マモンの狙っている『金瞳(こがねのまなこ)』の身体に宿してるっていうのか?」
霧澤が僅かに声を荒げる。
今まで常に冷静で、声を荒げるとしても皆が楽しく話している時のツッコミでしか叫ばなかった霧澤が、珍しく声を荒げた。
食いかかるように叫ぶ霧澤の問いに、茜空は小さく頷いた。
「間違いないと思います。昨晩彼女の家に泊まっていた僕を狙った理由は一つ。僕の右目か彼女の体内か。どちらにあるのかを確認したかったんでしょうね。結界が剥がれ探知がしやすくなった、といっても確実さには欠けるでしょうし、そもそも今まで見つからなかった物が突然見つかったとか……信じるのも躊躇するでしょ?」
とりあえず、この際そんな事はどうでもいい。
マモンより早く奏崎を見つけないと、彼女が危険な目に遭ってしまうかもしれない。
真冬は癒炎(ゆえん)のために少し疲労の色を見せながらも、
「……とりあえず、情報感謝する。茜空、お前はここで少し休んでいろ」
「……何言ってるんですか。貴女も僕の治療で疲れてるでしょ。休息が必要なのは貴女も一緒ですよ」
真冬の表情に気付いたのか、茜空は彼女にそう告げる。
ここで言い争っている間にもマモンの魔の手はゆっくりと奏崎に近づいている。霧澤は携帯電話で時間を確認すると、ある電話番号に電話をかけた。
電話から聞こえた声は、学校を出る前に聞こえた声。
『はいはーい。こちら朧月医院ですけど、お客さんご予約ですかー?』
電話の相手はやはり朧月昴だ。先ほど時間を確認したのは授業が終わっているかの確認だ。
霧澤は彼のささやかなボケにあえて何も言わずに、
「朧月! 今そっちにこっちが取り逃がしたマモンが近づいている! その事を白波に伝えて、薫を守るように言っといてくれ!」
『俺のボケをスルーすんな。つーか、お前らマモン取り逃がしたのか。どうりで……』
朧月の言葉はこれ以上は言わないでおこう、という感じで不自然に言葉を切った。
その様子に霧澤が眉をひそめていると、
『にしても、今奏崎だっけ? の護衛に涙を行かすのは無理だ』
「何でだよ?」
朧月の言葉に、霧澤は間髪入れずに聞き返す。
朧月は淡々とした口調で、
『今涙がマモン(向こう)に行ったから』
「……何だと!?」
恐らく、白波はマモンの接近に気付いていた。
彼の狙いが何かは分かっていないが、霧澤と真冬が飛び出したことは朧月から聞いているので、マモンが自分達を殺すためにやって来たんだとしたら、動けるのは自分しかいないと考えたのだろう。朧月によると、彼女の顔は久々の強敵で笑っていたらしいが。
とりあえず、当面の危機は去ったのだろうか、と霧澤が考えていると、
『ああ、ちなみに涙が行ってなくても奏崎の護衛は不可能だ』
「……?」
朧月の言葉の意味が分からない。
さっきの話だと、護衛役の白波がいないから、護衛できないという風に聞こえたが、白波がいても出来ないとはどういうことか。
問う前に、朧月の言葉が帰ってきた。
『さっきトイレに行く途中にお前の教室をチラッと見たが、奏崎は何処にもいなかった。奏崎と仲が良い滝本って奴の話だと、「体調が悪いから帰った」ってよ』
その言葉に霧澤は絶句する。
勿論、それは確実に嘘だ。霧澤や真冬が授業中に悪魔が出たときに使うような、教室から飛び出す理由と同じように。
彼女は恐らく、霧澤と真冬を探すために学校を出たのだろう。
そう考えていると、
ドッ!! と遠くの方で轟音が響いた。
柱のように一瞬だけ緑色の炎が上がったかと思えば、次に白色の炎が上がる。
白波とマモンの対決が始まった。
(……始まったか!)
霧澤は朧月との電話を切り、炎が上がった場所へ走ろうとするが、
「待て、夏樹」
真冬の声が、霧澤の足をとめる。
彼女は霧澤と茜空を抱えるように掴めば、
「……後で、血を吸わせろ」
そう告げて、背中から翼を生やし空へと飛び立った。
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